ヴィンテージ家具のハイセンス空間に、自家製デザート… 横浜でいま最も訪れたい、元町・中華街の人気カフェ〈Café de Lento〉がおしゃれ過ぎる!

LEARN 2018.08.25

カフェ文化が豊かな横浜で、いま最も訪れたい一軒とは?ヴィンテージ家具に囲まれたハイセンスな空間や、おいしい自家製デザートなど、元町・中華街のこだわりが光る〈Café de Lento〉を、Hanako『横浜ロマンティック』「コーヒーの薫りに誘われて。」よりお届けします。

元町の商店街から一本入った静かな通り沿いに、外観が黒一色で統一された小さな店がある。店先には風情のあるウッドベンチが2つ。元町ならではのレンガ敷きの歩道とあいまって、その異国情緒を漂わせる佇まいに、ふとパリの裏道にでも迷い込んだような感覚になる。

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美しいカリグラフィーの文字が目を引く看板。黒で仕上げたシックな外観に合わせ、ガラス面の木製の棚と店頭の小さなベンチは〈スタンダードトレード〉が手がけた。

この店こそ、高感度な人々から静かに、そして熱く支持される〈カフェ・ド・レント〉。店主の堀川学さんは、多くのファンを生み、惜しまれつつ閉店した下北沢の名店〈チクテカフェ〉の出身。10年にわたりこの人気店でスタッフとして働き、2012年の閉店を経て、約1年半後にここ元町に自身の店を開いた。

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ドリップの準備をする店主・堀川学さん。

「横浜出身というわけでもなく、特別なご縁はなかったのですが、街並みや、海と丘のバランスの良さが以前から大好きで。ここで店を出したいとずっと思っていました」と堀川さん。店内に入ると、外観から一転して白の世界。〝余計なものは置かない〞スッキリとしたインテリアは、〈チクテカフェ〉のDNAをほのかに感じさせる。一見シンプルでありながらも席に着いて気付くのは、隅々まで店主の意識が行き届いていること。

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店内のアクセントとなっているのが照明器具。1960年代のガラスを使ったランプシェードのほか、日本の照明作家が手がけた唯一無二の照明があちこちに。

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アンティークショップで見初めたデンマーク製スタンド。

イギリスの老舗家具メーカー〈アーコール〉の使い込まれたチェアやフランス製の武骨なテーブル、今では手に入りづらい名窯の1960〜70年代のカップ&ソーサー。店主が集めた古くて美しいものたちに触れていると、自然と心がほころんでいく。

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〈アーコール〉のクロスバックチェア(手前)やチャーチチェア(奥)など味わいあるヴィンテージ家具は、堀川さんがコツコツと買いそろえた。

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お客に出す器も大切なコレクション。左から「アラビア」、「ジョンソン・ブラザーズ」、手描きのバラが美しい「ロイヤルコペンハーゲン」のゴールデンバスケットシリーズ。どれも生産を終了した貴重なもの。

そしてもちろん、何よりの魅力は、デザートや料理、そしてコーヒーの〝端正〞なおいしさだ。たとえば〈チクテカフェ〉時代のスペシャリテだったニース風サラダ。

「ニース風サラダ&ライ麦パンのセット」1,290円。時にはワインと楽しんで。白はアルザスの「ジョンティ」を用意。グラス750円
「ニース風サラダ&ライ麦パンのセット」1,290円。時にはワインと楽しんで。白はアルザスの「ジョンティ」を用意。グラス750円

ニース風サラダ&ライ麦パンのセット1,290円。時にはワインと楽しんで。白はアルザスの「ジョンティ」を用意。グラス750円。

半熟卵やジャガイモ、ツナ、インゲンなどを酸味のきいた粒マスタードのドレッシングで味付けし、タプナードソースを添えた一品。「歯ごたえもおいしさの大切な要素」と、インゲンは季節により茹で時間を変え、ベストなシャキシャキ感を探るのだとか。店主とつながりのある茨城のパン職人より毎朝届くライ麦食パンやマフィンは噛むほどに滋味深く、果実の瑞々しさを閉じ込めた焼きいちごのタルトは、エレガントな甘酸っぱさにウットリする。

断面も美しい「焼きいちごのタルト」は、ダブル焙煎で仕上げた深く柔らかな飲み口のコーヒーとともに。セットで1,200円
断面も美しい「焼きいちごのタルト」は、ダブル焙煎で仕上げた深く柔らかな飲み口のコーヒーとともに。セットで1,200円

断面も美しい焼きいちごのタルトは、ダブル焙煎で仕上げた深く柔らかな飲み口のコーヒーとともに。セットで1,200円。

そして堀川さんのこだわりの結晶が、ダブル焙煎のコーヒー。豆に2回火を入れることで苦味の角が取れ、味わいは重厚でいてまろやか。どの皿もきちんとおいしくて、サラダ、デザート、コーヒーと、フルに楽しんでしまう。

左から、夏限定の「焼きいちごパフェ」1,450円、「キャラメルプリンとコーヒーゼリーのパフェ」1,350円(共にドリンクとセット)
左から、夏限定の「焼きいちごパフェ」1,450円、「キャラメルプリンとコーヒーゼリーのパフェ」1,350円(共にドリンクとセット)

左から、夏限定の焼きいちごパフェ1,450円、キャラメルプリンとコーヒーゼリーのパフェ1,350円(共にドリンクとセット)。

「オープンした頃は、地元のマダムのお眼鏡にかなうか怖かったけれど(笑)、目も舌も肥えた人が多いので、丁寧に仕事をすれば分かってくださる。横浜には成熟した喫茶文化があると感じますね」

決して大きくはない店内で、お客が各々、自分の時間を楽しんでいるのは、店の誠実な姿勢から伝わる心地いい緊張感ゆえかも。山手の坂道に歩き疲れたら、ここでコーヒーを一杯。店名の「Lento」の通り、ゆっくりと穏やかな時間が流れるこの店の存在が、横浜の散策をもっと豊かなものにしてくれる。

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食器類を収納したカップボードのほか、物販のコーナーも。

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棚には自家製ビスコッティやクッキー、店で使用するコーヒー豆や国産&スペイン産はちみつのほか、堀川さんがセレクトした人気雑貨店の小物などが並ぶ。

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持ち帰り用Boxのデザインも素敵なチーズのタルトは1ホール2,900円(各税込)。

〈Café de Lento〉
2014年オープン。季節のタルトや、「元町らしいから」と看板にしたビーフシチューも人気メニュー。
■神奈川県横浜市中区元町5-213-101 
■11:00~17:30LO(土~19:30LO) 無休 
■22席/禁煙

Hanako『横浜ロマンティック』特集では、横浜のカフェを多数ご紹介しています。

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(Hanako1163号掲載/photo : Ayumi Yamamoto text : Yoko Fujimori)

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