【安藤忠雄の建築】神秘的な時間が流れる、北海道・トマムの〈水の教会〉

【安藤忠雄の建築】神秘的な時間が流れる、北海道・トマムの〈水の教会〉
【安藤忠雄の建築】神秘的な時間が流れる、北海道・トマムの〈水の教会〉
CULTURE 2026.08.19
幾何学的な空間構成とコンクリート打ち放し、そして光と影を巧みに取り入れた作品で知られる建築家・安藤忠雄。北海道には豊かな自然と融合した、巨匠の魅力的な作品が多い。中でも注目したい、トマムの〈水の教会〉を紹介します。
photo_Nobuki Kawaharazaki text_Ai Sakamoto
profile
安藤忠雄
建築家

あんどう・ただお/1941年大阪府生まれ。世界を旅した後、独学で建築を学び、1969年安藤忠雄建築研究所設立。1995年には“建築界のノーベル賞”と称されるプリツカー建築賞を受賞。代表作に〈光の教会〉〈ブルス・ドゥ・コメルス〉など。東京大学特別栄誉教授。

打ち放しコンクリートとトマムの自然が調和する祈りの空間。〈水の教会〉

【安藤忠雄の建築】神秘的な時間が流れる、北海道・トマムの〈水の教会〉
近くの川から水を引いて作った人工の湖に、鉄骨製の十字架が立つ。わずかな風にもさざなみが立つよう水深は約15cmに設定。

兵庫の〈風の教会〉、大阪の〈光の教会〉とともに「教会三部作」と呼ばれる初期代表作の一つ。北海道のほぼ中央、占冠村(しむかっぷむら)にある高原リゾートに併設されたチャペルは、広さ約90× 45mの湖に面して、礼拝堂とロビーが入る大小2つの建物が一部重なり合うようにして立つ。聖なる空間へのアプローチとして、安藤は敷地を取り囲むL字型の壁に沿って歩く動線を計画。あえて教会を隠しながら、水音など気配だけは感じさせることでゲストの期待感を高め、対面した時の感動を増幅させる。湖を望む礼拝堂の窓ガラスは全面開放が可能で、吹く風の音や鳥のさえずりを聞くことも。四季折々に変化するトマムの自然を五感で感じることができる。

【安藤忠雄の建築】神秘的な時間が流れる、北海道・トマムの〈水の教会〉
〈水の教会〉の中には、安藤がデザインしたオリジナルの椅子も。
【安藤忠雄の建築】神秘的な時間が流れる、北海道・トマムの〈水の教会〉
壁側から見た外観。
information
水の教会
1988年竣工

住所:北海道勇払郡占冠村字中トマム 星野リゾート トマム内
TEL:0167-58-1111(代表)
11月1日朝まで見学可能。時間は6:30~7:15最終入場、20:30~21:25最終入場

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