【副業女子に突撃インタビュー 第10回】 本業は医師、副業で医療系ベンチャー企業に勤務。木村奈津子さんが語る副業のメリットとは? LEARN 2019.08.01

働き方改革で脚光を浴びている、“副業”。収入アップが見込めるのはもちろん、キャリアアップにつながって起業することだって夢じゃない! ただ、興味はあるんだけど、何をすればいいのかわからない……なんて人も多いはず。そこで、副業をエンジョイしている女性たちにインタビュー! 第10回目は、本業が医師、副業では医療系ベンチャー企業で働いている木村奈津子さんに登場してもらいます!

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「副業をしたことで人脈も考えの幅も広がりました」医師として働く木村奈津子さんは、副業の魅力についてそう話します。病院で診察をするほかにも、医療系ベンチャー企業で働きつつ、女性医師のコミュニティ作りも手掛けている彼女に、副業に関するアレコレについて聞いてきました。

オンライン医療事典の作成と、女性医師のコミュニティ作りが副業。

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――木村さんのお仕事の詳細を教えてください。
「本業は耳鼻咽喉科の医師をしていまして、総合病院で週5日働いています。外来と入院されている患者さんの診察や手術を担当しております」

「副業では非常勤でヘルスケアベンチャーの『株式会社メドレー』(https://www.medley.jp/)に勤務しています。週に1回オフィスに行って、その他はリモートで作業をしています」

――副業ではどんな業務を担当されていますか?
「オンライン医療事典を作る部署にいて、病気についての説明やコラムを書いています。この医療事典は一般の人でも分かりやすく書かれていて、気になる症状があるときに簡単に調べることができたり、診断された病気の検査や治療について詳しく知ることができます」

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――なぜ副業を始めたのですか?
「以前は大学病院にいてがんをメインに診療していたんです。そこで、治療が発達してもがんになってからでは救えない命があるということを実感しました。そのため、がんになる前の健康な段階からアプローチするにはどうすればいいのか考えていたんです。そんな時に『メドレー』に出会って。『メドレー』は、オンライン診療の開発に取り組んでいたり、新しい医療サービスを生み出していました。こういう会社なら、健康な状態からの医療的なアプローチができるのでは思い、興味を持ったのがきっかけです」

――女性医師のコミュニティ作りにも力を入れているとお聞きしましたが?
「そうなんです。女性医師は医師全体の2割程度で、数が少ないので、勤めている病院や専門科が違う人に話を聞く機会があまりないんです。そこで試行錯誤している段階ですが、『JOYLABO』という女性医師たちが情報交換できるようなコミュニティを作っています。仕事とプライベートを両立しつつ、一人ひとりが幸せな毎日を送れるよう、キャリアの選択肢を増やしたり、子育てtipsを学んだりできるイベントを開催して活動をしています」

スムーズに副業をするために、周りにきちんと理解してもらう。

――病院からの理解はありますか?
「大学や総合病院で働いている医者は本業の病院のほかに、週に1回程度クリニックや他の病院などで診療を行うのが一般的です(公立病院は除く)。私も週に1日は自由に動けるので、その日に『メドレー』に出勤しています。ただ、私のように一般の企業で働いているのは珍しいですね。なので、上司には『こういう事業をしていて、社会的な意義がある会社なので働きたい』というのはきちんとプレゼンしました」

「副業をするにあたって、周りに応援してもらえる環境を作るのは大事だと思います。そのためには、副業で学んだことを本業に還元していくような姿勢を心がけています。」

いままでのコミュニティをから外に出て、人脈が広がった。

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――副業のメリットは?
「人とのつながりが増えましたし、知らない世界を知れたことは自分の財産になっています。自分が今まで知らない業種について知れたというのが一番大きかったです」

「医者って、大学入学後に知り合う人がほぼ医療者で、さらに卒業しても病院というコミュニティにいることが多いので、知り合いがたいてい医療者ばかりになるんです。副業を始めてからは、本当にいろいろな人や働き方に出会いました。『忙しくて病院に行けない』と言う人たちの生活を実際に見たことで、その言葉に納得感が出たし、じゃあ、そんな人たちに健康を気遣ってもらったり、病院に通ってもらうにはどうしたら良いのだろう、ということを考えやすくなりました」

「あとは『メドレー』で記事を書くときに一般の人に分かりやすい文章であることを心がけているので、診療のときにもより的確に伝えられるようになりましたね」

考えの幅を広げたりスキルアップの手段として、副業を活用しよう。

――副業をするうえで、時間の管理は気を付けていますか?
「仕事を細く分けて1時間とか30分とかでコレをするという、時間配分は決めています。まず本業の時間があって、余った時間をどう副業と趣味に使うのかを考えるようにしています。それで時間内に仕事が終わらなかったら、『何が足りなかったんだろう?』とか見直して微調整しています。ただ、ここはまだまだ課題ですが…」

――これから副業する人へのアドバイスはありますか?
「医者もそうなのですが、同じ仕事をしているとひとつのコミュニティの中にとどまりがち。そうではなくて、いろんな人に会った方が考え方の幅が広がるので人生が楽しくなるし、成長できると思うんです。自分の世界を広げる手段として、副業も一つの選択肢になるかなと思います」

「副業をすることで、いまいる職場以外でも働けるスキルを身につけておくと、思わぬところで他の仕事に繋がったりして、キャリアアップにつながるメリットも実感しています」

(edit:yuma tsujino text:osamu sasaki)

☆前回の「副業でフリーランスの編集者。「何のために副業をするのか」、本業とのいいバランスとは?」はこちらから。

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