〈界 遠州〉で五感を刺激するお茶の旅へ。
浜名湖畔の宿で煎茶ざんまいの一泊二日を。〈界 遠州〉

館内に一歩足を踏み入れるなり、ほのかに漂う煎茶のいい香り。静けさの中に時折、急須からお茶が注がれる心地よい音が聞こえてくる。静岡・舘山寺温泉に位置する〈界 遠州〉の開業は2013年。幾度かのリニューアルを経て、地域の特産物である〝煎茶〞の魅力を空間や体験に色濃く反映させてきた。チェックインを終えた宿泊客を最初に迎えるのは、少量から水出し茶を味わえるティースタンド。この日は、甘みが強い「玉の葵」と渋みの強い「川根茶」が用意されており、2種類を飲み比べられるのもうれしいポイントだ。続くティーセラーには、様々な種類の茶葉がずらりと並ぶ。夜は24時まで、朝は6時から開放されており、好きな時に自分で淹れて味わうことが可能。お茶を片手に憩える小上がり〈美茶楽ラウンジ〉からは、中庭の茶畑と浜名湖がよく見渡せる。なおこうして館内に並ぶお茶の多くは、製茶問屋〈和田長治商店〉によって合組(ブレンド)されたオリジナルのもの。到着から30分足らずで、早くも静岡茶の幅広さが垣間見える。


客室ももちろん煎茶尽くし。部屋には、旨味の強いおやすみ煎茶、香り豊かなおめざめ煎茶、色味が美しいくつろぎ煎茶の3種類が茶器とともに用意されており、一連の滞在に寄り添ってくれる。今年4月からは、「茶ごもり特別室」と名付けられた露天風呂付きの客室も登場。煎茶道の師範資格を持つスタッフがあらかじめ選んだ10種類の茶葉と5種類の茶器の中から、その時々の気分や体調に合ったものを選べるほか、湯に浸かる時間を充実させてくれる「美茶楽湯治セット」も。ワイングラスで香りと共に味わう水出しの湯治茶や茶香炉などとともに、プライベートな空間でお茶と温泉に没頭する贅沢が待っている。
「界」といえば、土地の文化に触れられる体験が醍醐味。〈界 遠州〉でその真骨頂といえるのが、新茶シーズン限定で行われる2つのプログラムだ。まずは今年封を切った、中庭のつむぎ茶畑での茶摘みから始まる「五感で愉しむお茶作り」。チャノキとドウダンツツジが交互に並び美しい縞模様を描くこの茶畑は、構想から8年をかけて茶摘みができる状態まで成長。採った茶葉を手揉みで製茶し、抽出するまでを自らの手で体験できるとあって、味わいも格別だ。もう一つが、新茶の合組体験。品種や産地、蒸し具合の異なる複数の茶葉をブレンドして自分好みの一杯を味わい、持ち帰ることができる。通年で楽しめる
TEA STYLE ① 常時12種類の静岡茶が楽しめる。

ティーセラーに並ぶのは天竜茶、本山茶など常時12種類の煎茶と1種類の黒豆茶。〈美茶楽ラウンジ〉で楽しむほか、茶葉は客室に持って行くことも可能。
TEA STYLE ② 客室に用意された煎茶3種。

〈宮﨑製作所〉のやかんやIHヒーターなど、お茶を淹れるための設備が全室に完備されている。寝る前、寝起き、リラックスタイムに合わせた茶葉と茶器で楽しむことが可能だ。
TEA STYLE ③ 敷地内の茶畑で、茶摘み体験。
中庭に位置するつむぎ茶畑では、新茶シーズン限定で茶摘みが可能。採った茶葉は軽く蒸し、“手揉み”という昔ながらの手法で時間をかけて製茶する。有料。
TEA STYLE ④ 自分好みに新茶をブレンド。
複数の茶葉を組み合わせて、独自の味と香りを生み出す“合組”の体験プログラムも。完成したオリジナル茶は、その場で試飲できるほか、滞在の思い出に持ち帰ることができる。有料。
TEA STYLE ⑤ 会席料理と静岡茶のペアリングを楽しむ。

夕食の、ウナギやフグなどの地域素材を生かした会席料理に合わせて、お茶のペアリング提案も。県内のお茶を熟知した製茶問屋〈和田長治商店〉が監修。
住所:静岡県浜松市中央区舘山寺町399-1
TEL:050-3134-8092(界予約センター)
客室数:全36室
宿泊料金:1泊2名1室・1名38,000円~(2食付き)
建物が面するのは浜名湖の内浦湾。客室のほとんどがレイクビュー。お茶とジンを合わせたカクテル“おちゃけ”の提供も。

















