世界一の職人に会いに石川へ。 世界一に輝いた〈MALGA GELATO〉のジェラート。アジア人初の世界チャンピオンが語る、美味しさの秘密とは?

FOOD 2018.08.28

酪農家から一念発起し、独学で生み出したジェラートで世界の頂点に立った柴野大造さん。多くの人が彼の味に魅了される理由に迫りました。

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その快挙を評するならば「寿司コンテストでイタリア人が優勝する」に価するらしい。ジェラート職人、柴野大造さんは2017年、イタリアで行われたジェラートの世界大会でこの賛辞とともにアジア人初の世界チャンピオンに輝いた。

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酪農を営む家に生まれた柴野さんは東京の大学を卒業後、家業を継いだ。だが、酪農家を取り巻く環境は厳しく、廃業寸前。しぼりたての牛乳のおいしさを多くの人に届けるにはどうしたらいいのか。目を向けたのは子どもから大人まで親しめるジェラートの開発だった。知識も経験もなかったが、全国のジェラートを食べ歩き、独学で試作を続ける。本場イタリアに幾度となく渡り、研修を重ね、舌を鍛えた。そこから導き出したのは、配合比率に基づいたレシピの開発だった。

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「糖分(固形分)や水分など素材の配合比率を理解すれば、何を組み合わせればいいかがわかる。大事なのはそのセオリーを崩さずに感性をぶつけること。既存のレシピをアレンジしたり、クセのある野菜を使うことでユニークな味が生まれるんです」そうした独創性によって実現したのは、口に入れた瞬間に素材がパッと思い浮かぶような風味やキレのある甘さ。〝なんとなくおいしい〞ではなく、素材自体を味わっているような感覚になるのだ。世界一を獲得した「パイン・セロリ・リンゴのソルベ」はイタリアンを食べた後、口の中をリフレッシュさせるために作ったもの。消化を促進するセロリ、代謝を促すパイン、全体の味をまとめるためのリンゴを選んだ。素材同士が引き立てあって、立体的な味になり、口の中に深い余韻が残る。

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ほかにも、マスカルポーネチーズや白ワインなどを使ったフレーバーが並ぶ。果物や野菜は同じものでも収穫時期によって熟度や糖度は微妙に違うから都度、配合率を変える。それもこだわりだ。ライムの果皮は全体の味を引き上げるために欠かせない。

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店のあちこちには、国内外で勝ち取ったタイトルが。国内外問わず、多くのファンが店を訪れるが、柴野さんは石川県以外に直営の店舗を構えることはない。「わざわざ訪れる価値のある店にすること。能登の片田舎でも世界に通用する味があれば人は来る。それが地域活性化にもつながります」今、力を注ぐのは後継者の育成。ジェラート職人の地位を向上させ業界全体を盛り上げる。一過性のブームではなく、文化として根付かせるため、さまざまな努力を重ねている。

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柴野大造/しばのたいぞう
2000年に〈マルガージェラート能登本店〉、04年に〈野々市店〉をオープン。国内外のジェラートコンテストでさまざまな賞を受賞。アジア人初の世界ジェラート大使としても活躍。

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店頭には常時12~16種類のフレーバーがラインナップ。一部はオンラインショップで購入可。

〈MALGA GELATO 野々市店〉

■石川県野々市市野代1-20-101
■076-246-5580
■11:00~18:00/不定休
■10席/禁煙

(Hanako1162号掲載:photo : Kenya Abe text : Mariko Uramoto)

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