シンプルにして至高。いま一番食べたい〈パティスリー キョウヘイミカミ〉のショートケーキ

FOOD 2024.02.07

シンプルだからこそ個性が最も表れるショートケーキ。多くのパティスリーの定番メニューのひとつなので、パティシエの技術だけではなく、哲学も如実に反映される。2024年のスイーツシーンで注目の〈Pâtisserie Kyohei Mikami〉の三上恭平シェフが作る至高の作品に込められた思いに迫ります。

フランス菓子の枠に縛られず、おいしさを追求した新たな試み

2023年3月、世田谷区上野毛の閑静な住宅街にとけこむようにオープンしたパティスリー。

「既存の枠にとらわれず、表現方法や用いる素材など、新しいことに目を向けおいしさを追求したい」と話す、オーナーシェフの三上恭平さん。

オーナーシェフの三上恭平さん。スイーツのコンサルティングも行う。
オーナーシェフの三上恭平さん。スイーツのコンサルティングも行う。

〈トシヨロイヅカ〉で鎧塚俊彦シェフの右腕として、8年にわたりスーシェフを務めた実力派だ。平日はプリンなどの〝ベーシック〞、土日祝はハイブランドの〝アーティスティック〞と、2つのラインを展開する。

ベーシックのプリン。併設の個室(5席)で、不定期で予約制のデザートコースの提供もしている。
ベーシックのプリン。併設の個室(5席)で、不定期で予約制のデザートコースの提供もしている。

後者の代表作のひとつが、ショートケーキの「八重」。国産小麦に糀を加え、もちっと弾力のある食感を出しつつ、しっとりとした口どけに仕上げ、きび糖で〝うま味〞のベクトルをプラスしている。存在感のある生地に合わせて選んだのは、濃厚なコクのジャージー牛の生クリーム。イチゴは、おいしさの頂点に達した産地のもののみを仕入れることにこだわる。

「八重」1,600円は土日祝のみの販売。12~1月頃のイチゴは「とちあいか」の予定。焼菓子やシュー生地にサワー種を使う試みもしている。
「八重」1,600円は土日祝のみの販売。12~1月頃のイチゴは「とちあいか」の予定。焼菓子やシュー生地にサワー種を使う試みもしている。

「出身地の広島から上京して製菓学校を卒業後、某有名パティスリーで食べたショートケーキのおいしさに感動したことをしっかりと覚えています。パティシエとして経験を重ねて自身の店を開いた今は、その思いを自分なりのスタイルでショートケーキ『八重』を通してお客さんに届けていけたら」

Pâtisserie Kyohei Mikami

住所:東京都世田谷区上野毛4-22-2 KAYAH KAMINOGE 1F
TEL:03-5491-5181
営業時間:13:00~18:00(当面は土日祝のアーティスティックのみ。プリンやシュークリームなどのベーシック[平日]は2024年春頃再開予定。
Instagram:@patisserie_kyohei_mikami
席数:12席(テラス席)

photo_Kenya Abe text_Yumiko Ikeda

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