#母を連れて行きたい店 銀座で母と過ごすとっておきの店。 (後編) FOOD 2023.04.18

銀座の端から端まであらゆる店を知り尽くした、フードエディターの渡辺“P”紀子さんが、母が喜ぶこと間違いなしの店をセレクト。価格も雰囲気も背伸びをし過ぎず安心できて、メニュー選びで迷わないコースがあることもポイントです。

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INDEX

御膳房(ごぜんぼう)銀座店

WATANABE'S COMMENT

二人してきれいになりましょ、とデトックス効果もあるキノコ鍋を。母の日頃の疲れも吹き飛びますよう。

種類豊富な雲南名物キノコ鍋で、母と二人で“食べるエステ”を。

六本木に本店を構える、中国雲南料理に特化したレストラン〈御膳房〉の姉妹店。山岳地帯の雲南省は、天然のキノコが700種類以上も採れる地として知られ、〝食べるエステ〟として親しまれているキノコ鍋がこちらの名物だ。

好みのスープや具のキノコのチョイスもできるが、コースを選んで、食に集中するのがおすすめ。地鶏スープ、スッポンスープなど、キノコ鍋が組み込まれたコースは全部で6種。スープと好相性のキノコや野菜がそれぞれ用意される。

いつまでも美しく健康な母でいてもらいたいなら、「美肌美顔キノコ鍋コース」を。前菜に始まり、フカヒレ煮込みなど、美容を意識したメニューがラインナップ。メインのキノコ鍋は、鶏肉、豚肉、サメの頬肉、数種の乾燥キノコの粉末などを加えた魅惑のスープ。モリーユ茸、タモギ茸、朱鷺色平茸など、7~8種類のキノコを加え、頃合いを見てスタッフがサーブしてくれる。食感や香りの違いを楽しめて、ビタミンB群や食物繊維が豊富。何よりも美容にいいキノコ鍋は、母娘そろってうれしい限り。

銀座 琳(ぎんざ りん)

WATANABE'S COMMENT

しっかりと蕎麦前を楽しんで、〆は細めの品のいいお蕎麦で。つるんとおいしいうどんもあり。

江戸時代に発展した蕎麦文化を、東京・銀座でじっくりと嗜む。

〈銀座 琳〉を訪れるお客の大半は、蕎麦屋さんならではのコース料理が目当て。普段なら蕎麦を1杯食べて店を出ることが多い母と、腰を落ち着けて“蕎麦前”に興じるのも乙なもの。コースの1品目は、「花巻そばのぬき」。鰹節のみでとった上品なだしの味わいと海苔の風味が食欲に火をつける。「ぬきって何? だしに昆布は使わないの?」と、蕎麦文化に触れるきっかけにも。甘めの玉子焼き、かえしに漬けたタコなどを食べ進め、シメの蕎麦をそれぞれ品書きから選べるのも気が利いている。男性客ファンも多いプリンを父への手土産にするのもいい。

銀座 三亀(ぎんざ さんかめ)

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小津映画の主人公になった気分。大人のお酒の嗜み方を母と共有。〝銀座で一杯〟ってしびれますよね。

素材こそ命。心がこもった和食を。

昭和22年、父である先代が開いた日本料理店ののれんを、2代目の南條勲夫さんが守る。「真面目に丁寧に。銀座で長く店を続ける秘訣はそれだけ」。四季のある日本だからこそ、旬を大切にした食材選びはもちろん、器使いでも季節感を表現。家庭だと手を抜いたり忘れがちなことも思い出させてくれる。春なら、蛤の吸物、筍とフキの煮物などを楽しみに、季節ごとに来店する常連も多い。こんなに粋でおいしいお店を知っているなんて、と、成長した娘のことを母もきっと誇りに思ってくれるはず。

photo : Michi Murakami text : Yumiko Ikeda

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