映画のプロが選んだ今月観るべき4本|実話、喪失と再生、衝撃のラスト……ひとりで観たい話題作
映画のプロが選んだ今月観るべき4本|実話、喪失と再生、衝撃のラスト……ひとりで観たい話題作
CULTURE 2026.07.03
実話だと知って、さらに心を揺さぶられる。予想外のラストに、しばらく席を立てなくなる。映画文筆家の児玉美月さんがセレクトした今月の4本です。ぜひ映画館で体験してみて。
※情報は記事公開時点のものです。
※情報は記事公開時点のものです。
CURATED BY 児玉美月
INDEX
1. 現代社会を懸命に生きる女性たちの姿を映し出す。『マジカル・シークレット・ツアー』

実際に起きた金密輸事件にインスピレーションを得た本作。横領事件で解雇された夫の借金を肩代わりしなければならなくなった主婦、奨学金の返済を抱えた非正規雇用の研究員、妊娠中でありながらまったく貯金がないキャバ嬢の三人が、大金を稼ぐためにやがて金密輸グループを結成することになる。彼女たちはシンガポールと日本を行き来しながら束の間、人生を生きる喜びを謳歌するが……。全国順次公開中。
2. 岸井ゆきのとツェン・ジンホアによる日台合作。『シンシン アンド ザ マウス/SINSIN AND THE MOUSE』

母親を亡くしたばかりのちづみは、訪れた台北でシンシンという名の男性と出会う。見知らぬ土地で会話を重ねながら、少しずつ距離を近づけていく二人。優しく穏やかに見えるシンシンもまた、人知れず胸に孤独を秘めていたのだった……。吉本ばななによる短編小説を原作にした、詩的な映像と言葉で紡ぐ珠玉の喪失と再生の物語。全国順次公開中。
3. 掃除機になって帰ってきた亡き妻と男の寓話。『ユースフル・ゴースト』

様子の変な掃除機を購入したゲイ男性が呼び出した謎の修理工が、幽霊が出る工場を所有する一家の息子のもとに、粉じん被害で亡くなった妻が掃除機に憑依して帰ってきたと語り出す。軽妙なユーモアに彩られた奇妙な物語の根底には、タイにおける抗議活動の歴史があり、政治をはじめ多義的な含意に満ちた寓話。7月10日(金)より全国公開。
4. 少女のまなざしを通して描かれる90年代のイラク。『大統領のケーキ』

9歳のラミアは学校のくじ引きで、フセイン大統領の誕生日を祝うケーキ係に任命される。貧乏なラミアはどうにか材料を調達しようと街で奮闘するが、用意できなければ、罰を与えられてしまうことも。果たしてラミアの運命は……? キャスト全員が演技未経験の本作は、子供たちの生き生きした表情が多くを物語る。7月10日(金)より全国公開。
CURATOR
児玉美月
映画文筆家
こだま・みづき/主に作品パンフレットや雑誌などに寄稿する。共著に『彼女たちのまなざし日本映画の女性作家』など。
2026年7月の推しエンタメ




















