きゃりーぱみゅぱみゅの大人なLADYになるわよコラム〜第80回いつの間にか先輩になったわよ〜
第80回 いつの間にか先輩になったわよ
皆さま、ごきげんよう。最近テレビで“あるカンペ”を出されるたびにちょっと戸惑ってしまう、きゃりーぱみゅぱみゅです。

「今日は後輩の〇〇と一緒に✕✕します」
〇〇の中には「新しい学校のリーダーズ」とか「FRUITS ZIPPER」とか「CUTIE STREET」とか「CANDY TUNE」みたいな、私が所属している事務所の後輩の名前が入ります。
✕✕は「歌います」とか「踊ります」とかです。
このカンペが出されると、いつも引っかかっちゃうんですよね。
たしかに後輩ではあるんですけど、カメラの前でいきなり「後輩の〜」と言うのはなんか偉そうな感じがしてしまうというか…。
なので、いつも「同じ事務所の〜」と言い換えてます。
「後輩の〜」のほうが一言で事務所に入った順序の情報まで伝えられてわかりやすくなるから、テレビ番組的にいいのはわかるんですけどね。
でもやっぱり先輩側から「後輩の〜」って言いにくいんだよなあ。
後輩側からの「先輩の〜」は自然な感じで言えるのに…。
実際、彼女たちのことをあんまり後輩とは思ってなくて、私のほうがちょっとだけ早く生まれて、ちょっとだけ先に事務所に入っただけだと思ってます。
別に彼女たちに対して、何か教えを授けた先生とか師匠ポジションでもないし、普通に同じ事務所の対等な仲間という感じです。
そもそも私自身、中学と高校で部活をあまりやってなかったのもあって、先輩後輩関係をそこまで経験したことがないんですよね。
どちらかというと、自分の性格的には先輩よりも後輩ポジションのほうがしっくりきますし、年下の人にも最初は敬語で話してます。

でもそんなことにはお構いなしに、ただ流れゆく月日。
そしてだんだん先輩扱いされるようになっていくという…。
こないだ面白かったのが、事務所主催の音楽フェスをやったときに女子トイレがめっちゃ混んでたんですね。
アイドルとかスタッフさんとかがズラーッと並んでたんですけど、私が最後尾に並んだ瞬間、全員「どうぞどうぞどうぞどうぞ」。
一斉に先を譲ってきたので、ダチョウ倶楽部かなと思ってしまいました。
みんな口々に「先輩の前に並ぶことなんてできないですよ」と言って、無理やりトイレへ送り込まれそうになったんですよ。運動会の大玉送りみたいに。
あと、つい先日も、年下の友だちがやってたフリマに遊びに行ったときに謎の先輩扱いをされて困惑しました。
気に入った古着があったから買おうとしたら、「いや、持って帰ってください」。
お世話になってる先輩からお金を取るわけにはいかないと、かたくなにお金を受け取ろうとしてくれなかったんです。
そんなんフリマの意味ないじゃん!と、そのときは無理やりお金を置いて帰ったんですけど、最近ほんとこういうことが多くて…。
いやはや、いつの間にか先輩になっちゃいました。
別になりたいわけじゃないのに。
一回、先輩になっちゃうと、この先ずっと先輩ポジションが続きます。
たぶん後輩は増えていく一方だけど先輩はもうそれほど増えなくて、そこにデビュー15周年の重みをじんわりと感じます。
でありながらも、母としての私はまだまだ駆け出しの新人。
あっちの世界ではいつの間にか先輩になってしまったのに、そっちの世界では一番下の後輩です。
こんな感じで、先輩後輩ぐるぐる立場を変えて回っていくのが成長であって、人生なんですかね?
生まれ変わりだって先輩が後輩になる現象といえるかもしれないし、そう考えてみるとちょっと面白いですね。

そういえば、保育園の保護者懇談会第二弾が開催されたので行ってきましたよ。
以前この連載でもお伝えした、前回大失敗したやつです。
もちろん今回は、前回みたいにキャップ被ったままパーカーのフードを被るようなストリートファッションでは行きませんでした。
ママ界の後輩として謙虚に教訓を取り入れ、ブラウスにベージュのパンツインみたいな感じでTPOに気をつけてみたつもりです。
今回の懇談会のテーマは、「おすすめスポットと、悩みを語り合おう」でした。
まずは順番に、軽い自己紹介や近況報告からのおすすめスポットについてのスピーチが始まるんですけど、まあ、一発目のお父さんがいきなりかっ飛ばすかっ飛ばす。
「〇〇の父です。自分は子どもが4人もいまして〜」と落語家のようにしゃべる技巧派だったので、自分の番が思いやられていきなり焦ってしまいました。
おすすめスポットについても、例えば「ここから5分くらいのところに図書館があるんですけど、夏涼しくて最高です」とか「あそこの〇〇公園は子どもと水遊びができるので、おすすめです」みたいに、皆さんナイスな場所を次々に披露していきます。
どのスポットもすぐに行けて、しかもこの季節に助かる場所で、マジで実用的なんですよね。
どれも嫌味も感じないチョイスばかりだし、ほんと絶妙な一手ばかりみんな出してくるなあ…と感心していたら、自分の一手を考えないまま順番が来てしまいました。
やばい、おすすめできるスポットって何かあったっけ…?
「〇〇(子どもの本名)の母です。最近の我が子はアンパンマンにハマってまして、こないだ横浜の『アンパンマンこどもミュージアム』に行ってきました。平日の午後3時くらいに行くとショーも空いてましたし、ほとんど貸切状態みたいな感じだったのでおすすめです」
これで切り抜けてみました。
パチパチパチと拍手が返ってきました。
「まだ行ったことない」と言ってる人もいて、これはわりと耳より情報になれたんじゃないかとホッとしたのもつかの間、…ん?
自分だけ有料コンテンツをおすすめしてないか?
しかも平日の午後3時に横浜行ける人って普通いないよな??
鳴呼「#芸能人」をやってしまった…と思って、あとで凹んでしまいました。

その後は、グループに分かれて「うちの子が歯磨きをさせてくれないんです」みたいな悩みを語り合うという流れになったんですけど、順番に話す今までのスタイルとは違って完全フリートークだったんですよね。
「うちはね、そういうときこうしてますよ」とか「うちの子も最近イヤイヤ期が始まって」とみんながワーッとしゃべっている中に、「あの、うちは〜」と割って入らないといけません。
大縄跳びに入るときみたいな勇気がいります。
結局、その日はただ右を向いたり左を向いたりして、頷くことくらいしかできなかった私。
これが恋リアの『バチェラー』だったら、第一話で落とされてると思います。
自分から気になる相手に話しかけることができなくて、たまに泣いてる人っていますよね? まさにあのタイプ。
てか、悩みとして、それについてしゃべればよかったのかもしれないですね…。今、気づきました。

あ、それか、これを話したほうがよかったかもしれない。
もっといい悩みが最近あるんですよ。
我が子を保育園に迎えに行くと、いつも決まって園のスタッフさんたちに「おかえりなさい」って言われるんですね。
というのも保育園とは、お仕事に行く人を支援するために作られた場所なので、子どもを預けたり迎えにいくときに「いってらっしゃい」と「おかえりなさい」を必ず言うことになってるみたいなんです。
で、「いってらっしゃい」には「いってきます」と、“ます”がついた言葉で丁寧に返せるので問題ないんですけど、困るのが「おかえりなさい」に対する返事。
「ただいま」だとカジュアルすぎる感じがします。
なんか一気に同棲してるような距離感になるんですよね。
かといって丁寧に「ただいまです」にするとタラちゃんになってしまうし、「おかえりなさい」に対応した丁寧でちょうどいい他の言葉がない!
これが悩みです。
気持ちとしては、「こちらこそ預かってくださったおかげで快適にお仕事できて、ただいまこうして無事に戻ってまいりました」ということを伝えたいんですよね。
でも長すぎる。
だから「ただいま」に略されるようになったのかもしれないけど、でももうちょっと丁寧なニュアンスがほしい…。
どなたかベストなアンサーを教えていただけたら幸いです。
今のところ「お疲れ様です」とか「ありがとうございます」と返してるんですけど、「おかえりなさい」に対するアンサーとしてはちょっとズレた感じというか、きまりの悪さを感じていて、毎日ごにょごにょ早口で言って誤魔化してます。
このままだと最終的に「はーい」にまとめられて、イクラちゃんになるかもしれません。




















