ドリアン・ロロブリジーダのゆずれないもの
〜第7回〜偏愛シリーズ!“洗濯物畳み”への想い。 LEARN 2024.03.11

踊り場世代のドラァグクイーン、ドリアン・ロロブリジーダさんの"ゆずれない、ゆずりたくない、でも時々ゆずっちゃってるかもしれない?!大切にしているコトやモノ”をゆるーくご紹介する連載です。

ハッシュタグは#ドリゆず。あなたのゆずれないもの、なんですか?

今月のゆずれないもの/“洗濯物畳み”への想い

HanakoWEBをお読みの皆様、ごきげんよう。ドラァグクイーンのドリアン・ロロブリジーダです。

既に発表をさせていただいたのですが、先月末にパートナーと入籍をいたしました。経緯についてはそれぞれのSNSに綴っているので、よろしかったらそちらをお読みいただければ幸いです。お祝いの品やご祝儀は謹んで辞退させていただきますので、その代わりと言ってはなんですが、是非とも婚姻の平等について、少しニュースを見たり、話題に上げていただいたりしたらアタシはとても嬉しいです。今現在も、男性同士だから、女性同士だからという理由で、医療面や相続面での様々な社会的な保障を受けることができる[結婚]という選択肢を取ることができない人が沢山います。おそらくHanako WEBを読んでいらっしゃるような皆様の中には、「結婚とはこうあるべき、家族とはこうあるべき」というような、昔ながらの考えに捉われている方は少ないと信じています。一人でも多くの人が、自分や、自分たちが幸せになるための手段をもっと自由に選択できる、そんな世界になってほしいわぁ…。

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そんな規模の大きい話をしておいて恐縮なのですが、今回の「#ドリゆず」は前回のゆで卵と同じくとてもとても些細なお話です。

皆さんは好きな家事はありますか?ご飯の支度、後片付け、掃除、洗濯、ゴミ出し、お買い物、ご家族がいらっしゃる方は家族のケアなどなど…。アタシも彼と二人で日々さまざまな家事をこなしておりますが、その中でも特にお気に入りなのが洗濯物を畳むことなのです。

そうです。勘の良い方ならもうお察しかと思いますが、今回の「#ドリゆず」も前回に引き続き、アタシの偏愛シリーズです。アタシが大好きな“洗濯物畳み”への想いをお伝えしたいと思います。本当に引き返すなら今です。というか引き返して…!
我が家では家事の分担が大まかに決まっているのですが、洗濯物畳みに関しては、アタシからのたっての希望でアタシの領域となっております。日々着用するドラァグクイーンの衣装もあるので、どうしても洗濯機を回す頻度も高くなってしまうのですが、干し終わった洗濯物たちがソファの上に置いてあると、言いようのない高揚感に包まれます。ステージや遠征が重なって、一度に大量の洗濯物が溜まっている時などは、何なら興奮しています。なぜこんなに好きなのかを分析してみたのですが、アタシは雑然とした状態のものを順序やルールの下で仕分けをして整理していく行為がとても好きである、という傾向があるのが分かりました。タオルやTシャツ、下着やズボンなどが渾然一体となった洗濯物の山から、種類ごとにセレクト、ピックして順に畳んでいくと、山の標高は段々と低くなっていき、その傍には綺麗に整列された衣服たちが並んでいきます。その行為がとても楽しいのです。書いているだけでワクワクするわぁ。

他のさまざまな家事をする際は「〇〇しなくちゃ…」というマインドなのですが、洗濯物畳みについては全く別で、日常の中にあるちょっとしたアミューズメントといった感覚で、さながらテトリスをやっている気分で日々畳んでいます。そんなアタシですが、畳み方がとても丁寧かといったらそうでもなくて、とにかく仕分けをして整理をしていく行為が単純に好きなようです。過去に一人暮らしをしていた頃は、キッチンの洗い物も溜めがちでした。シンクの中がいよいよ大変なことになってきたタイミングで、エイヤっ!と一網打尽に片付けるのが好きだったのですが、水回り掃除が好きなパートナーのお陰で我が家のシンクは毎日ピカピカになっており、嬉しさ9割 寂しさ1割といった心持ちです…。笑

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ここまで一気に書き連ねてきましたが、果たして読者の皆さまにはどれくらい共感していただけているのか、若干の不安もよぎっております。しかし以前の「#ドリゆず」でも書きましたが、どんな環境の中でも何か楽しむポイントを見つけて、その状況をできるだけエンジョイしようとする姿勢が大切だとアタシは常に考えています。毎日の家事の中にも何かワクワクを見出せたら、慌ただしい日常がちょっとだけ楽しくなるかもしれません。皆さまの毎日の中にもきっとあるささやかな“偏愛”を、是非これからも大切にしてあげてくださいませ。それは必ずあなたの人生の素敵なスパイスになるのですから。

今回も最後までお付き合いいただき本当にありがとうございます。またお目にかかれることを楽しみにしております。それでは、ごきげんよう。

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text_ Durian Lollobrigida collage_Fumiko Oda edit_Wakaba Nakazato

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