和菓子やかき氷で人気の老舗の限定アイテム。 スイーツ調査隊その22 京都〈中村軒〉で知る、老舗の本当の実力。 LEARN 2018.04.30

Hanako本誌で毎号紹介しているスイーツのページから、最新ニュースをお届けしています。ニューオープンやリニューアル、ウワサのアイテムなど、甘いお菓子の情報をお楽しみに!今回は京都の〈中村軒〉。

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代金が麦で払われたことから名がついた「麦代餅」。ブームになる前から果物蜜を取り入れたかき氷。桂離宮門前の〈中村軒〉といえば2つの名物が思い浮かぶけれど、まだまだある豊富な菓子の顔ぶれはさすが老舗と思わせる。とりわけ、数日だけ店頭に並び季節や風物詩を写して登場する限定の生菓子はどれも魅力的で、これ目当てに旅をしたくなるほど。
 
明治16(1883)年の創業以来、定番の「かつら饅頭」はこし餡の素朴な逸品。利休忌のある2月に作られる「りきゅう饅頭」を合わせれば、焼印が「かつらりきゅう」になるという仕掛けが面白い。桜色の薯蕷饅頭「吉野」や、道明寺生地の「春爛漫」、塩漬けの桜の花入り「花大福」、花見だんごは桜が咲き始めから散る4月上旬までの限定。祝いごとに使われる「えくぼ上用」は注文だけの品といった具合。もちろん楽しみは春だけに限らない。薯蕷饅頭にはあやめなど折々の図柄が彩りを添え、季節ごとの菓子が華やかに揃う。
 
奥深い老舗にて、ひみつの京都と出合うひとときが嬉しい。

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Katsuramanju
かつら饅頭
素朴な生地にこし餡の組み合わせ。餡には桂の名水を使用している。210円。

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Rikyumanju
りきゅう饅頭
沖縄産の高級黒糖を使った生地と粒餡の組み合わせ。素朴さを感じる。210円

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Hanamidango
花見だんご
桜の花と抹茶を搗きこんだ団子は、しこしこと歯ごたえよいのが特徴。190円。

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Yoshino
吉野
花から花びらへと変化する焼印で、咲いてから散る桜を表現する薯蕷饅頭。250円。

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Ekubo
えくぼ上用
薯蕷饅頭の中央をくぼませ、紅をのせた可愛らしさ。紅白の色がめでたい。270円。

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Haruranan
春爛漫
桜餅で使われるぷちぷちとした道明寺の生地の中に華やかな紅染の白餡を。260円。

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Hanadaifuku
花大福
塩漬けの桜の花を搗き込んで、桜色と塩味をアクセントに。250円(以上全て税込)。

〈中村軒〉
昔ながらのかまどで炊きあげる餡や搗き立ての餅に定評あり。
■京都府京都市西京区桂浅原町61 
■075-381-2650 
■7:30~18:00(茶店9:30~、LO17:45) 
■水休(祝営業)

photo : Kunihiro Fukumori
text : Mako Yamato

前回の九品仏〈ル・プティ・ボヌール〉はこちら
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