センスのいい贈り物に最適。「下駄職人」発、ひのき香る極上ルームシューズ


学生時代から、エシカルな暮らしやオーガニックの食品に関心を持ち、地元葉山でのウェルネスな体験型ツアーの企画や、企業のリブランディングプロジェクトに携わる。また、食にまつわる資格を複数保有し、ヴィーガンスイーツのプロデュースなど、多方面で活躍する。ハナコラボパートナー。Instagram:@haluchn
新緑が日に日に色濃くなってくるこの季節。転居や転職、パートナーとの新しい生活など、暮らしにささやかな節目を迎える人も多いのではないでしょうか。そんな“始まり”の気配がそっと流れる季節に、ふと贈り物を探している自分に気づくことがあります。大切なあの人に、あるいはこれまで頑張ってきた自分に——気負わず、それでいて長く寄り添ってくれるものを贈りたい。
そんなとき手にしたのが、静岡で1937年から履物づくりを続ける、水鳥工業の下駄ブランド〈mizutori〉(ミズトリ)の室内履き「two piece」。機能性や美しさはもちろんのこと、環境や地域とのつながりまでも考え抜かれたものづくりの姿勢には、誰かに伝えたくなる背景がありました。
森と人とが共に息づく。〈mizutori〉のものづくり
水鳥工業が展開する下駄ブランド〈mizutori〉。下駄木地加工や靴の中底加工などを行い、長年、静岡市の地場産業である履物づくりに携わってきた水鳥工業が、平成元年頃からこれまでの経験と技術を活かし商品開発して立ち上げたブランドです。
時代の変化とともに、その機能やスタイルを見直しながら、現代の暮らしに合う新たなかたちを探求しています。なにより印象的なのは、素材と向き合う姿勢です。

たとえば、下駄に使われる木材は、計画的な伐採と植林が行われる「持続可能な森林」から調達されたもの。CO2の吸収を助ける若木を適切に使うことは、森の健康を守る営みにもつながります。さらに、地元・静岡で間伐されたひのきの活用も進めており、地域資源の循環にも貢献。木の個体差や節、色味の違いを自然の個性としてそのまま生かす姿勢は、まさに“自然との共生”を体現しています。
製造の現場もまた、職人技と地域連携の結晶。塗装や木材加工、縫製などの各工程を、地元の専門職と分業することで、地場の技術を支え合う仕組みができています。〈mizutori〉の製品は、単に履きやすいだけでなく、手に取ることでその土地や人に想いがめぐる。そんな“つながりを感じるものづくり”です。
細部にまで宿る、やさしいひのき使い。
〈mizutori〉が手がけた室内履き「two piece」は、ルームシューズとは思えないほど洗練された佇まい。プロダクトデザインを中心に国内外で活躍する〈DRILL DESIGN〉がデザインを手がけ、無駄のないフォルムと素材感が、どんな空間にも美しくなじみます。

アッパーには合成皮革、天板には静岡産のひのきを贅沢に使用。ひのきならではのさらりとした足触りと、ふわっと立ちのぼる木の香りが、ふとした瞬間に心を緩めてくれます。また、天然のひのきを使用しているからこそ、1点1点違う木目や色みといった唯一無二の木の個性と出合うのも楽しみのひとつです。
さらに、ソールの構造にも特徴が。2枚のひのき板を伸縮素材でつなぐ独自の仕様によって、ソール全体が足裏の動きに合わせてしなやかに屈曲。木でできていることを忘れるほど自然な履き心地は、まさに下駄と現代の技術のいいとこ取りです。

使い始めてしばらくして気づいたのは、その“細やかさ”の積み重ねが、心地よさをつくっているということ。日本の職人の手でひとつひとつ丁寧につくられているからこそ、でしょうか。見えにくい部分にまで配慮が行き届いています。
さらりとした足触りとともに、そうした気配りに触れるたびに、丁寧な手仕事がそっと暮らしに溶け込んでいることを実感します。

自分のペースで過ごす時間に、ひのきの香りを添えて
我が家では「two piece」の黒とグレーの2色を愛用中。私は黒、夫はグレーを使っています。朝、木の温もりとともにスッと足を入れる瞬間は、一日の小さなスイッチのような存在。室内での作業や家事、ベランダで過ごすちょっとした時間まで、この一足が静かに寄り添ってくれます。

私が黒を選んだのは、家の中でも少し背筋を伸ばしていたいときにぴったりだったから。凛とした佇まいが、気持ちをシャンとさせてくれるんです。

夫が選んだグレーは、柔らかで控えめな色合いが好みに合ったようです。仕事の合間、リビングで過ごす時間にもなじみやすいのだとか。 少しストーン調の風合いがあるので、シンプルさの中に洗練された雰囲気が気に入っているとのこと。

ふたりとも、それぞれのペースで過ごす時間に、この室内履きがそっと寄り添ってくれることに日々の心地よさを感じています。
大切な人の「これから」に寄り添うギフトとしても
そろそろジューンブライドの季節。ふたりで新しい暮らしを始める人、あるいは引っ越しや転職といった変化を迎える人もいるかもしれません。人生の節目には、暮らしに根ざしたものを贈りたい。〈mizutori〉の「two piece」は、そんなときにぴったりの選択肢です。

丁寧につくられた室内履きは、決して派手ではないけれど、毎日使うたびに“もらってよかった”と思ってもらえる存在。軽やかで、どんな暮らしにもなじみ、世代を問わず贈れるのも安心です。
さらに、環境や地域への配慮も詰まっているから、相手に「いいものを選んだね」と思ってもらえるはず。家での暮らしの質を上げてくれる、そんな一足です。次の季節へ向かうこのタイミングに、足元から整えて行きませんか?
text&photo_halu