小池栄子のお悩み相談室 第18回:「知らないと言えず、つい知ったかぶりをしてしまう自分を何とかしたい」 (36歳・フリーランス) LEARN 2023.09.06

仕事、プライベート、家庭生活含め、日々頑張っている人ほど悩みは尽きず、誰かに聞いてもらいたい、いいアドバイスが欲しい…そう思っている女性たちの声がHanako編集部に寄せられています。そこで、女優としてひときわ存在感を放ち、かついつもスパッと気持ちのいい発言をされている小池栄子さんに、人生の先輩としてアドバイスをしていただくこととなりました!隔週更新でお届けします。

――歳を重ねるほど「知らない」ことを恥ずかしく感じて、“知ったかぶり”をしてしまう人もいるようです。そんな“つい…”が、癖になってしまっている方からの相談です。

本日のお悩み

自分が知らないことが話題にのぼったとき、「へ〜それ知らない!」と言えず、なぜか「ああ知ってる、そうだよね~」とさも知っている風な言葉が口からこぼれてしまいます。自分が無知でも恥ずかしくないジャンルのこと(マニアックな趣味のことなど)であれば「知らない」と言えるのですが、仕事の場で「最近話題になっている○○ってお店のことだけど~」と言われると「ああ、あのお店ね」なんていい調子で口から出てしまいます。これまでに大きなトラブルになってはいないのですが、だからこそ今のうちに何とかしたいと思っています…。小池さん、この気持ち共感いただけそうでしょうか?(36歳・フリーランス)

――小池さんの周りにも、こういう人はいますか?

いるいる。私の友達にもいますよ。例えば、一回しかその店に行ったことがないのに「やっぱここに来たら、いつものアレ食べないとだよね」って言ったりとか(笑)。

――いますね、そういう人(笑)。

まだ二回目なのに、そこに新しい参加者がいたら「ここはね、これが絶品なのよ。だから絶対食べて」って言っているのを聞いて、恥ずかしいな…って思ったり。でもその見栄みたいなものが自分を保つ方法なんだと思うから、私はわざわざ指摘しないですけど。まあそれがあまりにもひどくて、お店の人まで巻き込んで「いつものアレくださーい」とか言い出したら、「やめなよ、一回しか来たことないのに図々しいな」って言いますけどね。でもこういう人って、意外と多い印象です。

――知ったかぶりをする人って、プライドが高いんでしょうか。

そう思います。あるいは、お店のことだけじゃなくて、1〜2回しか会ったことがないのに「誰々さんってそうだよね」とか「そういうとこあるよね〜」って知ったかぶったり、その人を誰かに紹介する時に「こういう性格の誰々さんです」って紹介したり。全然知らないのによく言えるなって思っちゃいますけど、“知ってる”ことへのプライドがすごく高いんでしょうね。

――知っていることで優位に立ちたいと思っているし、知らないことが恥ずかしいことだと思っているんですかね。

そう思います。私も若い頃は、経済番組とかでわからない単語が出てくると「ああ〜」って誤魔化していたこともありました。勉強してないことや、無知を指摘されるのが恥ずかしかったり、怖かったんでしょうね。でも、オンエアを観たら自分で恥ずかしくなって。私ってこんなダサいことしてる!って気づいてやめました。

――客観的に見せつけられると、ハッとしますよね。

そうそう。そのうち「知らない」って言えることの方が強いんだ、ってわかりました。それに「知らない」と言うと「じゃあ教えてあげるよ」って感じで話も続くんですよね。

――知らないからって、誰もバカにしませんよね。

しませんって。逆に、知らないふりをしてくれる大人ってカッコいいと思いません? 例えば自分の話を先輩とかが黙ってすごくよく聞いてくれて、でもあとから、その先輩のほうがその件に関してすごく詳しかったのを知ったりすると、大きな人なんだな、って思ったり。そういう大人になりたいです。

あなたの“知ったかぶり”、周りは もう気づいているかもしれません。

――この相談者は、今のうちに知ったかぶりを何とかしたいと思っているようです。

自分で思っているだけ、まだマシなようですが、もう周りは、あなたの知ったかぶりに気づいているかもしれないですよ。今36歳で、さらに歳を取ってもそのままだったら「知ったかぶりの○○さん」って言われてしまいますから。何とかしたいなら、まずは一歩踏み出してみること。

――その一歩とは?

一回だけ頑張って、「恥ずかしながら、知らないの」と言ってみるといいと思います。「恥ずかしながら」と、開き直って頭に付けることで逆に言いやすい気がします。「全然恥ずかしくないよ」って言ってくれる人もいれば、「いつもたいていのことを知ってるって言うのに、めずらしいね」って嫌味を言ってくる人もいるかもしれないけど。

――それはもうバレてますね(笑)。

そうね(笑)。でもその時は、テヘって顔をしていればいいんですよ。とにかく一回突破すれば、次も「知らない」って言えるようになる気がします。そうやって知らない自分を慣れさせていかないと。もしどうしても言えないなら、せめて知ったかぶりせずに黙っていることから始めてもいいと思います。

――近しい友達に「どうしても知ったかぶりしちゃうんだよね」って相談するのもありですか?

ありですけど、でも「知ってたよ」って言われると思いますよ。もし私なら「うん、知ってたよ、そうだよ」って言うだろうし「だから○○ちゃんらしいな、っていつも思って聞いてた」って言うかも。

――あとは、「知らない」って言っても恥ずかしくない、親とか兄弟に言って練習するとか。

いいですね。この方はフリーランスなんだから、悩んでる場合じゃないかもしれませんよ。きっといろんなジャンルの人に会うんでしょうから、いつも知ったかぶりをして、扱いづらいなって思われたら損です。知らないことは、全然恥ずかしいことじゃないと体にしみこませましょう。

Photo : Syu Yamamoto text : Aya Wakayama

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