小池栄子のお悩み相談室 第17回:「乗り気じゃないのに、ライブや旅行の誘いを断れません」 (38歳・事務)

LEARN 2023.08.16

仕事、プライベート、家庭生活含め、日々頑張っている人ほど悩みは尽きず、誰かに聞いてもらいたい、いいアドバイスが欲しい…そう思っている女性たちの声がHanako編集部に寄せられています。そこで、女優としてひときわ存在感を放ち、かついつもスパッと気持ちのいい発言をされている小池栄子さんに、人生の先輩としてアドバイスをしていただくこととなりました!隔週更新でお届けします。

――本当は行きたくないけれど、付き合いだからしょうがない…と、誘いを断れずに行くことになってしまったという経験は、誰にでもあると思います。でも、一度や二度ではなく、気が乗らないのについいつも「行く」と返事をしてしまうレベルの“断れない人”もいるようです。

本日のお悩み

興味のないアーティストのライブに誘われたり、旅行しようよと声をかけてもらったとき、誘ってくれる相手のことが嫌いじゃないと、たとえ気乗りしなくても「NO」と言えません。チケット代や旅行代を支払うタイミングで、小さくない出費を目の前にして「なんで断らなかったんだろう」と思うものの、いつも「行く!」と言ってしまいます。いい顔をしたいのではなく、目の前の相手を傷つけてしまうのが怖い、気の弱さが原因なのかなと思っていますが、なかなか自分を変えられず…。小池さんなら、こんなときどんな態度を取りますか。また、相手を傷つけずに「断る」にはどんな言い方をされていますか。(38歳・事務)

――“断れない人”からのお悩みです。

こういう人っていますよね。でも、友達からしたら、何としてでも駆けつけて顔を出してくれる人とか、誘うと必ず来てくれる人って大事な存在なんです。だから、この方のことをありがたいと思っている人は絶対にいると思いますよ。

――相手からすれば、そうですよね。嬉しいと思います。

そもそも、これだけ誘われるというのも羨ましいですね。私は誘うばかりで誘われることがあまりないから、いいなって思います。

――そうなんですね。小池さんって、いろんな人から声をかけられそうなイメージがあります。

いやいや、一時期悩んでいたぐらい誘われないですよ(笑)。その当時「何で誘ってくれないの?」って聞いたら「きっと忙しいだろうから」って言われました。気を遣って誘わなかったみたいですけど。

――そこに勝手に気を使う理由はなんとなくわかります。

この相談者は“目の前の相手を傷つけてしまうのが怖い”って言いますけど、私は、嫌々付き合うことの罪悪感のほうが耐えられないから、だったらはっきり断ったほうがいいと思っているんですよね。でも、この方は断れないわけで、しかもその度にお金を払わなければいけないですからね。結構大変だと思います。

――どうやって、何と言って断るのがいいでしょうか。

もちろん私だって、断るのに勇気が必要なんですが、私の場合は、「ごめんね〜、それあんまり興味ないんだ」とか、相当親しい人には「興味ないし、だったらワンコといたいから(笑)」って、飼ってる犬を使ったりもします。でもあまり親しくない人とか、仕事相手の人だったら「ごめんなさい、そういうのちょっと疎くて」とか「その日は仕事で行けないんです」って言うかな。

――相談者のようにそもそも断れない人の場合は、どう言ったらいいと思いますか。

そこまではっきり言えないだろうから、「ごめん、いま金欠なんだ」とか「最近ちょっと出かけすぎて疲れてるから、ごめんね」って、向こうが何とも言い返せないような理由がいいかもしれませんね。相手の趣味を否定するような言い方をすると傷つけてしまうので、例え軽い嘘だったとしても、自分側の理由で、という言い方がいいと思います。

――それなら、相手もすんなりと諦めそうですね。

あとは、一回は誘いに乗ったものに再度誘われたとしたら、「もう一生分観たわ、ありがとう!」、「私の中ではしっかりチャージできてるから、3年ぐらいこれを噛みしめて、味がしなくなったらまた進化した○○さんを観に行きたいな。その時は私が誘うよ!」、「もう何度も観すぎて感動が薄れてきちゃって…。最初はもっと感動してたのに、慣れてきちゃってる自分も嫌なんだよね」とか。ベラベラと、詐欺師みたいな言葉がどんどん出てきますね、私(笑)。

――あははは(笑)。でも、相手もまさか嫌々付き合ってたなんて知ったら、びっくりですよね。

いや、結構ショックだと思いますよ。向こうは大好きなライブに、仲のいい人と…ってワクワクしながら誘ってるわけですから、それを考えると可哀想です。変に取り繕って相手を気使うのって、自分も苦しくないですかね? この人とはどこまで本音で喋ってたっけ…ってわからなくなりそうだし、万が一あとで仲違いするような状況になったら、ひどいことになりそう。「ずっと嫌々付き合ってたのよ!」、「こっちだって無理矢理誘ってたわけじゃない!」とか…。

好き嫌いが違うのは当たり前だから、罪悪感を持つ必要はない。本音のほうが長い付き合いができると思います。

――提案していただいたような断り文句を、逆に小池さんが言われたとしても、小池さんなら傷つかないですか?

傷つきません。そっかそっか、じゃあこれからこの子にはこういう類のものに誘うのはやめようって思うだけ。私は、押し付けるのも押し付けられるのも好きじゃないし、人の好き嫌いが違うのは当たり前だと思っていますから。特に好きな相手なら、本音で付き合ったほうが長い付き合いができると思っています。

――わかります。様子を伺いながら結局嘘をつくのと、最初から本音できっぱりと話すのとなら、断然、本音で付き合うほうがいいですね。

うちの家族はみんな、韓国ドラマが好きなんですけど、私、姉、母親ってそれぞれ興味がバラバラなんです。それで、実家に集まった時に「あのドラマ面白かったから観てよ」ってお勧めしても、結局誰も観てくれない。「あ〜そういうドロドロ系は苦手だわ」って言われたりして。家族でもそんな感じですから、そもそも他人とそこまで趣味が合うとは思わないほうがいいんですよね。それに気づいてから、私は人に何かを無理矢理勧めなくなったんですけど。

――みんな違って当たり前というスタンスでいれば、傷ついたり傷つけたりすることにそこまで敏感にならないかもしれませんね。

そうそう。誘いを断られたことを「嫌な思いをさせられた」って思うとしたら、なかなか自意識の強い人ですよね。自分の気持ちを受け入れてもらえないからって、いちいち傷つくような心理は不思議です。

――断り下手とは少し違いますが、相手の話をうまく打ち切れずに、電話が切れないとか、「帰る」って言い出せない人もいますよね。結局それで、毎回次の予定に遅れちゃう、みたいな。

それもありますね。私も話を打ち切るのはあまり得意ではないです。でも、私の好きなテレビの司会者や、司会が上手いなって思っている人は、話を切るのが本当に上手で。しかも相手を不快にしないんです。

――プロですね。

本当にそう。昔、番組に来ていただいたゲストの方々全員に、時間内に話を振れなかったことがあって。例えば、特に先輩やベテランの方のお話って、切りにくいんですよね。でも番組には時間制限があるから、MCがうまく切らなければいけないんです。そんな時に、あの人はどうしてたっけ? と好きな司会者を思い浮かべて、話をうまく引き上げるための理想図を描いたりはしています。

――具体的にどう切るんですか?

「その話、すごく面白かったんで、また今度ぜひ聞かせてください」とか「今の話を聞いてどう思いました?」って隣の人に振って切り替えちゃうとか。

――なるほど〜。司会が上手い人というのは、何が違うんでしょう?

私が思うに、適度にクールな印象はあります。感情移入して話を全部聞いちゃうと切れないから、そうしないための距離の取り方がうまいんだろうな。(明石家)さんまさん、くりぃむしちゅーの上田(晋也)さんとかはまさにプロです。自分の中でこの場のルールはこうって決めるのがうまいんでしょうか。東野(幸治)さんの場合は、例えば「もうそんなにその話必要ないんですよ」って笑いに変えて引き取ったりするんで、それもうまい技術だと思うし、すごく勉強になりますね。

Photo : Syu Yamamoto text : Aya Wakayama

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