目指せ! やる気復活。山の聖地で深呼吸、大気に満ちる生命力をいただく。
そんな時には、山に登って雄大な景色を望むのが吉。モヤっとした心がスッキリして前を向いて歩ける気持ちに。その山が古くから聖地として知られる山なら、開運のご利益も間違いなしです。

というわけで今回は、都心から遠足気分で行ける距離にあって眺めサイコーな筑波山、高尾山、大山へ。いずれもロープウェーやケーブルカーがあるから、体力に自信のない人も山の空気を存分に味わえます。
神さま仏さまのおわす山の寺社に詣でれば、心は晴れ晴れ。元気を取り戻して明日からまた頑張れそうです。
その一 【筑波山神社】関東平野の北東端にすっくと立つ神の山。
古くは『万葉集』や『古今和歌集』収録の歌に詠まれた筑波山。2つの頂をもつ独特な山容を江戸市中でも眺められることから「西の富士、東の筑波」と称され、浮世絵にも多く描かれました。

そもそも筑波山は山そのものが御神体。『万葉集』にも「二神の貴き御山と神代より人の言い継ぎ」と記され、東西に並び立つ2つの峰に男神と女神が祀られました。
女体山頂上の磐には筑波女大神(つくばめのおおかみ)たる伊弉冉尊(いざなみのみこと)、男体山頂上の磐には筑波男大神(つくばおのおおかみ)たる伊奘諾命(いざなぎのみこと)が鎮座します。


この神々のおわす山頂からの眺めが実に見事。せり出した磐の足元につくばの田園が広がり、はるか視線の先には新宿や横浜の高層ビルまで見渡せます。条件が良ければ遠く富士山が姿を表すことも。目を転じれば霞ヶ浦や太平洋、連綿と続く緑の山並みを望みます。

両御本殿は中腹の拝殿からも遥拝できますが、御本殿にお参りしてこそ心のモヤは晴れるもの。体力に自信があるなら山中に続く登山道で山頂を目指しましょう。


住所:茨城県つくば市筑波1
その二 【髙尾山薬王院(たかおさんやくおういん)】多くの命を育む祈りの山へ。
都心から1時間ほどの距離にありながら、豊かな自然を満喫できるのが高尾山。冷温帯と暖温帯の境目に位置すること、歴史ある信仰の山として古くから殺生を戒めてきたこと、徳川幕府をはじめ時の為政者から手厚い保護を受けて自然林が残されてきたことなどが相まって、多様な動植物が共生できる環境を保ち続けています。

その山中にあるのが髙尾山薬王院。天平年間に聖武天皇の命で行基が開山。時代が下り、山岳信仰に基づく飯縄大権現を奉じたことから修験道の道場として発展したと伝わります。
高尾山登山口から森林浴がてらのんびり歩くもよし、ケーブルカーやリフトで展望台まで一気に登ってそこから歩くもよし。参道脇には杉の古木も多く見られ、信仰の山としての歴史が感じられます。


高尾山では、場所によってさまざまな方向の眺望が楽しめます。ケーブルカー高尾山駅のあたりからは都心を遠望。北関東や日光の山も望めます。薬王院の手前あたりからは横浜や房総半島も。しかし、何といっても素晴らしいのは、山頂から見る丹沢の山々と富士山。これは絶景のひと言に尽きます。

雄大な景色を目にすると、日々の疲れも抱えていた悩みも遠いところへ吹き飛ぶというもの。山の霊気をたっぷりいただけば、エネルギーも満タンです。
その三 【大山阿夫利神社(おおやまあふりじんじゃ)】相模湾から関東平野までぐるりを見渡す。
古くは「雨降山(あめふりやま)」とも呼ばれ、恵みの雨や五穀豊穣もたらすと崇められた大山。山岳信仰の霊山、修験道の一大拠点としても栄え、江戸時代中頃からは庶民の間で「大山詣り」が盛んになり、最盛期には年間20万人が大山を目指したとか。その伝統は今も健在。多くの人が大山阿夫利神社を訪れ、心願成就の祈りを捧げます。

まず目指すは中腹の下社。宿坊や旅館、名物の豆腐料理を出す店などが並ぶ参道に続いて男坂か女坂を登った先、標高約700mからの眺望に息を呑みます。目の前には緑の相模平野と青い海、広々とした空。江戸時代、ここまで歩いてきた人にとっては何よりのご褒美だったにちがいありません。


下社までは男坂、女坂を登らずケーブルカーを利用できますが、下社から山頂の本社まではブナやモミの自然林を縫う登山道のみ。標高約1252mまで90分から120分の道のりとなるので、体調を整えて臨むこと。ただし無理は禁物です。


360度見渡せる山頂からの眺めは、頑張って登っただけの価値があるもの。相模湾から三浦半島、房総半島、都心の高層ビルだけでなく、丹沢や箱根、秩父や多摩の山並みを一望できます。条件が良ければ富士山も! 目の前が明るく開けて、良いことがありそうな気がします。
















