第2回 つまみ食いクラシック 知っておきたい!誰もが知る超有名作曲家・モーツァルトとベートーヴェンの豆知識。モーツァルトはグルメだったって本当? LEARN 2020.10.04

3歳からヴァイオリンを始め、クラシック音楽と共に歩むこと26年。そんな筆者が、シンプルに「楽しい」「聴いてみたい」と思えるクラシック音楽の魅力を〝つまみ食い〞気分でお伝えしていくクラシック音楽入門。クラシック音楽は敷居が高いと思って遠ざけていたらもったいない!新しい趣味を見つけたい、癒されたい…そんなHanako女子へ捧げる連載。今回のテーマは「グルメに楽しむクラシック音楽」です。

彼らの名前を知らずには生涯を終えられない!?

クラシック音楽に興味のない人でも、モーツァルトとベートーヴェン…この2人の名前を聞かずして人生を終えることは難しい。とも言えるほどに世界中に名の知れた作曲家。それでも、実際彼らがどこの国で生まれ、どんな曲を書いたか…というところまでは結びつかない方も多いのではないでしょうか。そこで今回はHanako女子らしく、2人の生まれた国のグルメとともに彼らをご紹介します。強面の彼らが少し身近に感じられるかも…!?

1.音楽の神様に愛された努力の天才音楽家・モーツァルト×カフェ From オーストリア

ザルツブルクの街を一望。
ザルツブルクの街を一望。

モーツァルトが生まれたのは、オーストリアのザルツブルクという街。彼の生家もあり25歳まで住んでいたので、クラシックファンにとっては聖地でもあります。また、毎年夏には名門モーツァルテウム音楽院のサマーアカデミーや、モーツァルトを記念したザルツブルク音楽祭が開催され、小さなこの街は音楽一色になるのです。空港の名前も「ザルツブルク・ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト空港」!映画「サウンド・オブ・ミュージック」の舞台にもなっていて、音楽で溢れた自然豊かなとっても素敵な街なのです。

Mozart

弱冠5歳で作曲活動を始め、35年という短い生涯でなんと620曲以上もの作品を残しています。それは彼自身が常に音楽に対し真摯に取り組み、天才と呼ばれながらも努力を惜しまずその才能を磨き続けたからだと思います。

オーストリアはモーツァルトの時代からカフェ文化が栄えていました。実際モーツァルトはグルメな作曲家として有名で、手紙にもよく食べ物について書いていたそうです。特に、カフェはお気に入りの場所で、彼の作品もカフェタイムなしにはできなかったはず。日本でオーストリアのカフェを感じるなら〈デンメアティーハウス 六本木店〉がおすすめ。

わたしのお気に入りのモーツァルト…『クラリネット協奏曲 イ長調 K.622』

クラリネットの音色ってすぐに思い浮かびますか?思い浮かぶ方も、そうでない方も、クラリネットの魅力を味わうならまずこの曲。モーツァルトが死の直前に向き合った最後の曲でもあります。どこか切ないこのメロディとクラリネットの独特な透明感のある音色から、モーツァルトが笑顔で別れを告げているような情景が浮かんで来るような気がします。(これは私の妄想です。)

2.今年で生誕250周年!強面の作曲家・ベートーヴェン×ドイツ居酒屋 From ドイツ

今年は生誕250年というアニバーサリーイヤーを迎えている音楽界の巨匠・ベートーヴェン。そんな彼が生まれたのがドイツのボンという街。彼は音大ではなくボン大学で哲学などを勉強していました。そう、ベートーヴェンは哲学と文学をこよなく愛した芸術家でした。

Beethoven

『ジャジャジャジャーン…このように運命は扉を叩く。』この曲で彼を学生時代に知った方も多いのではないでしょうか。彼の肖像画は誰よりも強面で、苦悩に満ちたお堅い人というイメージを持っている方も多いと思いますが(もちろんその印象も正しいですが。)、彼もたくさんの恋をして、愛に溢れた作品を多く残しています。本来ならば今年は生誕250年を記念して様々なコンサートが予定されていたのですが、コロナ禍で中止になった公演が多数。残念ですが、今年はおうちでベートーヴェンイヤーをたのしみましょう。

ベートーヴェンはお酒好きで大変有名で、居酒屋で作曲することもありました。乾杯のための曲まで作るほど。亡くなる間際までお酒を飲み続けていたとかいないとか…。日本でドイツの居酒屋を堪能するなら〈SCHMATZ Beer Dining〉がおすすめ。

わたしのお気に入りのベートーヴェン…『ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61』

ヴァイオリン協奏曲とは、ヴァイオリンがオーケストラをバックにソロとして演奏する曲です。ベートーヴェンと聞くと気難しそうな曲を思い浮かべるかもしれませんが、この曲の第3楽章というのはとても軽快で平和的です。その理由として、当時ベートーヴェンはとある未亡人に恋をしていたそうで…。いつの時代も恋愛が与える影響は大きいものなのですね。私自身この曲を音大の卒業試験で演奏し、とっても思い入れのある曲のひとつです。(動画は3楽章から再生されています。)

ザルツブルクのモーツァルト像の前で敬礼。
ザルツブルクのモーツァルト像の前で敬礼。

いかがでしたでしょうか。解説についてはあくまで個人の見解であり、諸説あります。難しいことは抜きにして、この〝つまみ食い〞がクラシック音楽の扉を開くきっかけになれたら嬉しいです。次回もお楽しみに。

(illustration:Erena Kobayashi)

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