歴史ある空間で特別な時間を過ごす ホテルのラウンジ&喫茶。
<パーク ハイアット 東京><山の上ホテル> FOOD 2023.04.29

一流のホテルには一流のラウンジがある。細部までこだわりしつらえられたラウンジや喫茶室を訪れるのはそれだけで贅沢。伝統をつなぐ歴史あるメニューや心地よい空間を生み出す内装の秘密。そのこだわりを深掘りしてみる。

パーク ハイアット 東京 ピーク ラウンジ [新宿]<SINCE 1994>

遮るものがなにもない41階からの絶景も開放感を演出する大切なポイント。昼は広がる空の景色と都心の眺めを堪能し、夜は照明を落とし、夜景を味わう。
遮るものがなにもない41階からの絶景も開放感を演出する大切なポイント。昼は広がる空の景色と都心の眺めを堪能し、夜は照明を落とし、夜景を味わう。

建築家・丹下健三による、高さの順に並んだ三連屋根の高層ビルは西新宿のランドマークのひとつ。〈ピーク ラウンジ〉はそのいちばん下のピラミッドに位置する。エレベーターを41階で降りると広がる開放的なラウンジはホテルを訪れた人たちの最初のサプライズになる。天窓から光が差し込み、ハワイアンバンブーの緑が揺れるアトリウムは都会の喧騒を忘れさせてくれるはずだ。

〈パーク ハイアット 東京〉はホテル全体のデザインをインテリアデザイナーのジョン・モーフォードが手がける。その一貫した高い美意識はエントランスから客室ひとつひとつ、書棚、エレベーターの中にまで徹底し、ひとつの美術館のよう。ラウンジもまたその“アート”のひとつ。ハワイアンバンブーの植栽がオブジェのように佇む天空の庭はここでしかなしえなかったラウンジの形をみせてくれる。

山の上ホテル コーヒーパーラーヒルトップ [御茶ノ水]<SINCE 1980>

ホテルは2019年にリニューアル。喫茶室もタイルの張り替えなど一部内装を整えたが、シャンデリアや椅子、テーブルなどは当時のものをそのままに使う。
ホテルは2019年にリニューアル。喫茶室もタイルの張り替えなど一部内装を整えたが、シャンデリアや椅子、テーブルなどは当時のものをそのままに使う。

1954年に開業したアールデコ様式の〈山の上ホテル〉は池波正太郎、川端康成ら、名だたる作家たちに愛された歴史あるクラシックホテルだ。その地下1階にあるこの喫茶室は1980年にはじまり、40年以上変わらぬ伝統あるスタイルとメニューで多くのファンを獲得している。店内の隅々まで貫かれた美意識と懐かしさが宿るスイーツや軽食に胸が躍る。

バラ模様のレースがあしらわれた純白のランチョンマット、選び抜かれたカップ&ソーサー。ひとつひとつのもの選びに〈山の上ホテル〉らしいクラシカルな品の良さが光る。伝統の味を今に伝える自家製のホテルデザートや、ロングマカロニグラタンなど文化人たちが愛した洋食を堪能できる。コーヒーは12時間かけて抽出する水出しコーヒーが名物。

掲載の価格はすべてサービス料別です。photo : Yoichi Onoda,text : Kana Umehara

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