俳優・馬場ふみかさん「生きる意志に手を伸ばし自分を再生する物語。」

俳優・馬場ふみかさん「生きる意志に手を伸ばし自分を再生する物語。」
Interview「もっと知りたい、あの人のこと」
俳優・馬場ふみかさん「生きる意志に手を伸ばし自分を再生する物語。」
CULTURE 2025.07.04
最新映画『愛されなくても別に』では性暴力や貧困など過酷な環境の中で生き抜く女性・雅を演じた、馬場ふみかさん。“普通”を渇望し、手を伸ばし続ける雅の姿を通して馬場さんの心に去来したものとは。
photo_Mariko Kobayashi styling_RIKU OSHIMA hair & make_Conomi Kitahara(KiKi inc.) text_Hazuki Nagamine
profile
馬場ふみか
馬場ふみか
俳優

ばば・ふみか/1995年6月21日生まれ、新潟県出身。2014年、俳優デビュー。主な出演作に『仮面ライダードライブ』『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』シリーズなどがある。直近では、映画『愛に乱暴』、ドラマ『アリスさんちの囲炉裏端』『私の知らない私』に出演。

生きる意志に手を伸ばし自分を再生する物語。

馬場ふみか

出演のきっかけは、「次、こんな映画を撮るんだけど」と井樫彩監督直々のオファーだった。

「まず原作を読んで、私にこの役ができるかなと不安もあったけれど、『信じているから、そのままでやってくれたら大丈夫』と監督が言ってくれて。役を与えられる側として、〝一緒にやりたい〟と言ってもらえる。それって、役者として幸せなこと」

馬場さんが演じた雅は、10代の頃に自らの意志で家を出て、高卒認定を取得し、大学へと進学する——いわば「人生を取り戻す」選択をする女性。

「原作に、卒業式帰りの友人を見かけて〝羨ましい〟と思った、という描写があって。高校生で家を出て、売春をしながら生活していた彼女の中に、ふと普通の人生を追いかけたいと希望が芽生えた瞬間。作中での、大学で真面目に授業を受ける姿は尊くて、〝普通〟を望むって雅にとっては切実なことだった。多くの人が当たり前に手にしているものに、自分の足でたどり着こうとする。その意志が私には眩しいものに映りました」

馬場ふみか
「映画の中で、雅の髪色がピンク、青、そして金髪へと移ろうのは彼女の変身願望。自分ではない“誰か”になりたい、と」

毒親や性暴力、貧困。そのひずみの中で、「自分の人生をどう生きるのか?」を問う。

「雅を見ていると、痛みに鈍感にならず、もっと素直に傷つきながら生きてもいいのかなって。私自身はちょっとドライかもしれないけれど、〝人は人〟と前向きに割り切るようにしてきた。生きてきた環境が違うから、価値観も違って当然だって。それは自分を守るために身に付けたものでもあるんです。ただ、それでも溜め込みすぎてしまったときは、気持ちを紙に書きだして、最後にシュレッダーにかけてデトックスします」

記憶のなかの旅・食

「伊豆で行われたRDCフェスで食べた地元の名店〈FermenCo.〉のシラスとカラスミのピザが感動的なおいしさでした。草むらに座って、プラカップに入った冷えたナチュールワインで乾杯。音楽が流れていて、風がすっごく気持ちよくて最高でした!」

information
『愛されなくても別に』
『愛されなくても別に』

武田綾乃の同名小説を映画化。大学生の宮田(南沙良)は学費と家計を稼ぐためバイトに明け暮れる日々。ある日、同じコンビニで働く江永雅(馬場ふみか)の父親が殺人犯だという噂を耳にする。

配給:カルチュア・パブリッシャーズ 7月4日(金)より全国ロードショー
©武田綾乃/講談社 ©2025 映画「愛されなくても別に」製作委員会


シャツ91,300円、トップス35,200円、スカート84,700円(全てマメ クロゴウチ|マメ クロゴウチ オンラインストア https://www.mamekurogouchi.com/)/右手ブレスレット77,000円、左手ブレスレット33,000円、右手人差し指リング29,700円、左手人差し指リング39,600円(全てブランイリス|ブランイリス トーキョー 03-6434-0210)

Videos

Pick Up