『伊藤家の晩酌』~第十五夜4本目/ワインに負けない米の旨みを感じる「久礼 純米あらばしり生酒」~
2020.08.09

第52回 娘から父へ…おいしい日本酒おしえます! 『伊藤家の晩酌』~第十五夜4本目/ワインに負けない米の旨みを感じる「久礼 純米あらばしり生酒」~

弱冠23歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入! 酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは? 第十五夜の4本目は、米のふくよかな旨みが存分に味わえる高知のお酒から。
(photo:Tetsuya Ito illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita)
伊藤 ひいな
伊藤 ひいな / 唎酒師

「東京生まれの23歳。大学入学時から割烹料理店でアルバイトをはじめ、20歳のお酒の解禁とともに日本酒にハマる。唎酒師の資格も取得し、日本酒の知識を増やすべく日々邁進中。父はHanakoをはじめ多くの雑誌で引っ張りだこの人気フォトグラファー、伊藤徹也。酒好き気質は間違いなく父親譲り!」

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第十五夜の4本目は、高知のお酒のイメージを覆す濃厚さ「久礼 純米あらばしり生酒」。

『伊藤家の晩酌』~第十五夜4本目/ワインに負けない米の旨みを感じる「久礼 純米あらばしり生酒」~
高知県にある最古の酒蔵「西岡酒造店」の米のふくよかな旨みと、あらばしり特有のフレッシュさも感じられる純米酒。
『伊藤家の晩酌』~第十五夜4本目/ワインに負けない米の旨みを感じる「久礼 純米あらばしり生酒」~
「久礼 純米あらばしり生酒」720ml 1375円(税込・ひいな購入時価格)/有限会社西岡酒造店

娘・ひいな(以下、ひいな)「最後は高知です!『久礼(くれ)』っていうお酒です!」
父・徹也(以下、テツヤ)「いよいよ、高知まで来たね!」
ひいな「高知県高岡郡中土佐町の久礼(くれ)っていうところにあるんだって。最寄駅はJR土佐久礼駅だそうです」
テツヤ「あれ? “くれ”って高知だっけ?」
ひいな「呉は、広島県だね」
テツヤ「そうか。“くれ”違い」

『伊藤家の晩酌』~第十五夜4本目/ワインに負けない米の旨みを感じる「久礼 純米あらばしり生酒」~
「久礼」と書いて「くれ」と読みます。

ひいな「前に『土佐しらぎく』を紹介したけど、ほかにも『酔鯨』とか『南』とか『文佳人』とか高知のお酒っていろいろあるんだけど、すっきり系のお酒が割と多いイメージがあって、それを覆すのが『久礼』なの」
テツヤ「ということは、すっきり系じゃないってことなのかな?」
ひいな「まずは飲んでみてもらって、かな」

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徳利からおちょこへ。
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やっぱり日本酒はこうでないと!

テツヤ「久々じゃない? 徳利から注ぐの。風情がいいよね」
ひいな「一味違う気がするよね」
テツヤ「やっぱり日本酒もさ、空気に触れると味が変わるからでしょ? デキャンタと一緒だよね」
ひいな「うん。ボトルは冷蔵庫でしっかり冷やしておいてね」
テツヤ「久しぶりだね、差しつ差されつって感じ」
ひいな「ね。夏酒はグラスが多かったから」
テツヤ「乾杯しましょうか!」
テツヤ&ひいな「乾杯!」

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いただきます!
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一口飲むと、その香りにうっとり!
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お酒をしっかり味わいつつ、おつまみを想像中。

テツヤ「わ、これはなんとも華やか! かつ、コクがある! 純米大吟醸?」
ひいな「純米生酒って書いてあるから純米酒だね」
テツヤ「しみじみ、おいしいねぇ。旨みがすごい」
ひいな「今までの高知のお酒のイメージを覆すでしょ?」
テツヤ「これは、冷蔵庫にあるイカの塩辛と合わせたい」
ひいな「ちょっと! 私の考えたおつまみがあるんだけど」
テツヤ「ごめん、ごめん」
ひいな「久礼っていうところは、土佐の一本釣りの町として有名なんだって」
テツヤ「かつおか!」
ひいな「だから、かつおとぴったりなんだと思う」
テツヤ「わらで焼く本場のやつな」
ひいな「いいね、いいね。でも今回はあえて、意外なものを紹介したくて」
テツヤ「ひいなのことだから、驚く組み合わせなんだろうね。かつおじゃないなら、何を合わせるのかな〜」
ひいな「お楽しみに!」

「久礼 純米あらばしり生酒」に合わせるのは、肉汁たっぷりの「ハンバーグ」!

『伊藤家の晩酌』~第十五夜4本目/ワインに負けない米の旨みを感じる「久礼 純米あらばしり生酒」~
大きめに切った玉ねぎがポイント。
『伊藤家の晩酌』~第十五夜4本目/ワインに負けない米の旨みを感じる「久礼 純米あらばしり生酒」~
ジュワっとあふれ出す肉汁が!

ひいな「なんと、ハンバーグです!」
テツヤ「え、この酒に?」
ひいな「そう、肉汁を合わせたくて」
テツヤ「なんと美しいかたち!ハンバーグの見本みたいなかたちだね。赤ワインじゃなくて、この日本酒っていうのがね、たまんないね」
ひいな「たまねぎは粗く切ってあるよ。コショウを振って召し上がれ」
テツヤ「ハンバーグってデミグラスのイメージだけど」
ひいな「今回はシンプルにソースなしで」
テツヤ「わわわ、なんでこんなに肉汁出てくるの?」
ひいな「これはね、料理家の広沢京子さんの『嫁入りメシ』のレシピで作ってみたよ」

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噛むと口の中にも肉汁があふれる〜!

テツヤ「うまい! しっかり肉の味がする!」
ひいな「広沢さんのはデミグラスソースなんだけど、塩を強めにして、最後にコショウっていうシンプルな味付けににしてみたよ」
テツヤ「肉と日本酒とも合うねぇ。ワインっぽくも感じるし、塩ハンバーグがうまいわ」
ひいな「この純米の濃いあらばしりには、肉汁メインのハンバーグを合わせることできれいにマッチングするかなと思って。大人の肉料理って感じがするよね」
テツヤ「いや、相当うまいよ。このお酒を〈マルディグラ〉の和知さんとこ持ってこ! 肉と日本酒の組み合わせをもっと広めたい!」
ひいな「よかった」
テツヤ「この酒、まあまあ濃いよね」
ひいな「その濃さが、お肉に合うんじゃないかな」
テツヤ「うん、ぜんぜん負けてない。ハンバーグの肉汁と旨みにぴったり」
ひいな「かつおもまぐろも赤身だけど、肉も合うってことだね」
テツヤ「俺もさ、最近、麻婆豆腐作りにハマって、すごい上達したんだよ。ステイホーム期間中、いろんな人に配達して食べてもらったりしたんだけど。濃厚さでいえば、このお酒にも合うんじゃない?」
ひいな「うん、合うと思う。ひき肉と麻婆の辛さにも負けないお酒だと思うよ」
テツヤ「よし、今度合わせてみよう!」

バラエティ豊かな日本酒を飲みながらの四国めぐり。いよいよ完走!

『伊藤家の晩酌』~第十五夜4本目/ワインに負けない米の旨みを感じる「久礼 純米あらばしり生酒」~

ひいな「有楽町にある東京交通会館の〈むらからまちから館〉でこのお酒を見つけたんだけどね、日本全国の日本酒が200本くらいそろっててすごく楽しかった! しかも、この『久礼』のあらばしりが通年買えるらしくて」
テツヤ「へぇ。日本酒の流通って前より増えてるのかな?」
ひいな「前よりはいろいろな銘柄を見るようになったよね。アンテナショップに行けば地元のお酒がたくさんそろってるしね。前より手に入りやすくなってるかも」
テツヤ「そりゃ、いいことだ」
ひいな「この西岡酒造店はね、高知県最古の蔵って言われてて、創業が1781年だって!」
テツヤ「え、いま何年だっけ?」
ひいな「2020年(笑)。約240年くらい前になるなんだけど、フランス革命が起こるよりも前にはじまったってすごいよね」
テツヤ「まじか! そう考えるとすごいな」
ひいな「しかも、高知といえば坂本龍馬だけど、龍馬が生まれたのは1836年なの」
テツヤ「龍馬が生まれるよりもずっと前に、この蔵が生まれたってことか。すごい歴史があるんだね」
ひいな「高知のお酒っていい銘柄がたくさんあるけど、このお酒はこれからも推していきたいな」
テツヤ「今回は、日本酒で四国めぐり、楽しかったね! お酒飲みながら最高だったな。すごく旅してる気分になれた」
ひいな「またやろう! いつかは現地に行って飲みたいね」
テツヤ「ね。早く旅したいね」

→次回は一週お休みで8月23日(日)更新

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【ひいなのつぶやき】
高知県のお酒、そして四国のお酒、素晴らしいお酒がたくさんあります!
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