娘から父へ…おいしい日本酒おしえます! 『伊藤家の晩酌』~第十五夜1本目/甘酸っぱい、大人のためのカルピス!? 「川鶴 讃岐くらうでぃ」~ LEARN 2020.07.19

弱冠22歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入! 酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは?四国をめぐる第十五夜の1本目は、香川生まれの今までにない新感覚の日本酒。
(photo:Tetsuya Ito illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita)

第十五夜の1本目は、日本酒女子にも話題の香川のお酒「川鶴 讃岐くらうでぃ」から。

娘・ひいな(以下、ひいな)「今回のテーマは、日本酒で四国をめぐろうです!」
父・徹也(以下、テツヤ)「おぉ、4県回っちゃうんだ」
ひいな「そう。行きたくても、今はなかなかいける状況じゃないからさ。お酒で旅しようかと」
テツヤ「いいねぇ。どこから行く?」
ひいな「1本目は香川県から」
テツヤ「じゃ、つまみは讃岐うどんかな?」
ひいな「まぁまぁ(笑)。川鶴酒造ってかなり有名な蔵があるんだけどね」
テツヤ「へぇ」

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ひいな「この『讃岐くらうでぃ』っていうお酒は、日本酒女子の中ですごい人気なの」
テツヤ「へぇ。そりゃ楽しみだね」
ひいな「だから、この連載でもぜひともおさえておきたくて」
テツヤ「日本酒女子っていっぱいいるの?」
ひいな「#️日本酒女子でインスタにいっぱいいるよ」
テツヤ「ひいなもハッシュタグつけてるの?」
ひいな「うん、つけてる」
テツヤ「なるほど。それでつながるんだな」
ひいな「見て、これすごくない?」
テツヤ「うわ、かなり濁ってるねぇ」
ひいな「澱があるから混ぜるね」

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テツヤ「真っ白! 澱がこんなにあるっていうことは味に影響ありそうだよね」
ひいな「うん、舌触りも独特なの」
テツヤ「そりゃ、にごり酒だね」
ひいな「このお酒は『伊藤家の晩酌』では初めての『うすはり』で飲んでみてほしい」
テツヤ「“くらうでぃ”ってどういう意味?」
ひいな「雲。この白さが雲ってことなのかな、たぶん」
テツヤ「そうかそうか」
ひいな「んじゃ、乾杯しましょうか」

テツヤ&ひいな「乾杯〜!」
テツヤ「うわ、何これ、ヨーグルトみたい!」
ひいな「この甘酸っぱさがいいよね!」
テツヤ「これ絶対風呂上がりに合うよ」
ひいな「おいしいでしょ?」
テツヤ「乳酸感がすごいね。これさ、炭酸に合うんじゃない?」
ひいな「ちなみに、このお酒の飲み方の表がラベルに書いてあるんだけど、ロックに◎があるだけなの。グラスいっぱいに氷を入れるのがポイントって書いてある」
テツヤ「ほんとだ。冷酒にも印がついてない」
ひいな「そう。ロック推奨」
テツヤ「なおのこと、風呂上がりの一杯にいいね」
ひいな「アルコール度数も6度だから、ビールみたいに飲めちゃう」
テツヤ「大人の飲むヨーグルトだね!」
ひいな「実はね、もともと違う名前で発売されてたんだって。『讃岐くらうでぃ 骨付鳥、一本勝負』って名前だったらしいよ」
テツヤ「あ! 香川といえば、骨付鳥だもんな」
ひいな「有名なんだね」
テツヤ「そう、『一鶴』っていう有名な骨付鳥の店があるんだよ」
ひいな「へぇ。骨付鳥に合わせて造られたお酒なんだって」
テツヤ「なるほど。あのスパイシーな味付けにぴったりだね。こんなご時世だからさ、旅した場所を想像しながら飲むのもいいね。銀の皿の上にのった骨付鳥を浮かべながらさ」
ひいな「いいねぇ。私のイメージも、香川といえば『川鶴』っていうイメージがあって」
テツヤ「そうなんだね」
ひいな「その中でもユニークなお酒が『讃岐くらうでぃ』で。これはぜひとも紹介したいなと思って」
テツヤ「っていうことは、つまみは骨付鳥が出てくるのかな?」
ひいな「と思うでしょ? 今回はちょっと意外なものにチャレンジしてみたよ」
テツヤ「こんな酸味のあるお酒に何を合わせるんだろう?」

「川鶴 讃岐くらうでぃ」に合わせるのは、なんと「ザ・プレミアム・モルツ」!?

今回合わせるのは、あのビール!
今回合わせるのは、あのビール!

ひいな「合わせるのは『伊藤家の晩酌』史上初めての……」
テツヤ「今までもいろいろすごいのあったけど」
ひいな「食べ物じゃありません!」
テツヤ「え!? まじか。調味料?」
ひいな「でもなく。ザ・プレミアム・モルツです!」
テツヤ「どういうこと? ビールで割るっていうこと?」
ひいな「そう、割ります。1対1で」
テツヤ「おいおい。そんなことしたら、俺、終わっちゃうよ(笑)。一番やっちゃいけない飲み方だって先人から教わったやつだよ」

ひいな「まあまあ(笑)。グラスの半分までお酒を入れて、もう半分にビールを注いで」
テツヤ「すごい泡! めちゃくちゃうまそうだな!」
ひいな「でしょ?」

なんともおいしそうな色になりました!
なんともおいしそうな色になりました!

テツヤ「いただきます! これは……ヤバいって」
ひいな「ね、おいしいでしょ? 最高でしょ?」
テツヤ「夏が来たね」
ひいな「これは、蒸留酒を造ってる友だちが教えてくれた最高の飲み方なの」

「ヤバい、ヤバい」と言いながら飲み干しました。
「ヤバい、ヤバい」と言いながら飲み干しました。

テツヤ「これは、ヤバいって」
ひいな「飲み過ぎちゃうよね」
テツヤ「良い子のみなさんは注意してくださいね。プレモルっていうのが、またいいよね。やっぱりプレモルなの?」
ひいな「うん、私はプレモル推奨です!」
テツヤ「この香りが合うね。急に酔いが回ってきたよ……」

お酒好きにはたまらない極上の組み合わせが爆誕! 飲み過ぎ注意!

おいしすぎて、何度もおかわり。
おいしすぎて、何度もおかわり。

テツヤ「いや、これは相当うまいね。ビール嫌いな人も飲めるし、日本酒苦手な人も飲めちゃうし」
ひいな「骨付鳥と合わせようかとも思ったんだけど、それだとおいしい組み合わせなのはわかってるからさ。今回は変化球で」
テツヤ「さらにおいしくなったね」
ひいな「お酒に苦味がないから、ビールが補完してくれるっていうか」
テツヤ「あえて苦味を足したわけか。大人な味になったね」
ひいな「そう。白麹を使ったお酒なんだって。焼酎好きな人にもいいんじゃないかなと思うよ」
テツヤ「白麹って焼酎に使われてるの?」
ひいな「そう」
テツヤ「白と黒があるとさ、黒を頼みがちじゃない? 素人って」
ひいな「そうなの?」
テツヤ「たとえばさ、ホッピーの白と黒があるとさ、つい黒でって言っちゃうんだよな。ホッピーの黒って何の黒?」
ひいな「麹じゃないよ(笑)。黒ビールみたいな?」
テツヤ「焼酎だとさ、『佐藤の白と黒あります』って言われたらさ、黒を飲んじゃう。でも正直違いがよくわからないんだよね」
ひいな「(笑)。蒸留酒に関しては私もまだ勉強中だからよくわからないけど、黒麹から派生したのが白麹なんだよ」
テツヤ「ってことは、最初は白から飲むものなのかな?」
ひいな「さぁ。どっちからがいいんだろうね」
テツヤ「黒のほうがイメージ良くない?」
ひいな「うん、わかる。でも、イメージの問題な気がするけど」
テツヤ「これはさ、夏酒にぴったりだよ! BBQとかさ」
ひいな「でも、みんな酔っ払って、誰も肉焼いてないんでしょう?」
テツヤ「この飲み合わせは確実に潰れるよね。焦げた人参が網の上に……(笑)」
ひいな「(笑)」
テツヤ「これはなかなかない組み合わせだったね」
ひいな「酒と酒だからね」
テツヤ「高知に行く前に、香川でこれだからな。どうしたらいいんだよ」
ひいな「もう酔っ払い確定!」

→次回は7月26日(日)更新

プレモルといえばの、矢沢永吉の顔マネする父・テツヤ。本人は似てるつもりですが、似てなさすぎて爆笑。
プレモルといえばの、矢沢永吉の顔マネする父・テツヤ。本人は似てるつもりですが、似てなさすぎて爆笑。

【ひいなのつぶやき】
濁り酒×炭酸系のブレンドは、今年の夏のトレンド間違いなし!!
ひいなインスタグラムでも日本酒情報を発信中

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