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2021.01.30

第32回 連載「拝啓、〈星〉へいらっしゃいませんか?」 シンガポールは今、おいしいコーヒー屋台が増加中!ニューオープンした新しい屋台をピックアップ。

結婚を機にシンガポールへ移住することになった元Hanako編集者女子による、星(=シンガポール)通信。第32回は、ホーカーセンターに増えつつある、エスプレッソが飲める屋台について。こだわりの豆を使った本格コーヒーを、屋台価格(安価!)で提供しています。

こんにちは。日本は冬が本格化し、寒さが厳しくなってきたころでしょうか。こちらは、もうそろそろ雨季が明けそうです。曇っていて涼しいという、1年のなかでもっとも外出しやすい時期ですし、コロナの感染も落ち着いているので、ちょっと、街を散策してきました。行った先は、ホーカーセンター(屋台が集まっている建物)。目的は食事ではなく、コーヒーです。

本連載の第15回でシンガポールのコーヒー事情についてお伝えしましたが、シンガポールには、コピという独自のコーヒー文化があります。苦味の強いロブスタ種の豆に砂糖やバターをまとわせて焙煎し、コンデンスミルクやエバミルクとともにいただくコピは、長らく愛されてきたシンガポールを代表する飲み物の1つ。ホーカーセンターに行けば、少なくとも1軒はコピを提供する屋台があるほど、馴染みの存在です。が、今回ご紹介したいのは、エスプレッソ・コーヒーを提供する屋台。

2017年、エスプレッソマシーンを設置した屋台「Kopi More」が登場したのを皮切りに、エスプレッソやラテを提供する屋台がだんだんと増えてきています。何がうれしいって、こだわりの焙煎豆を使った本格派でありながら、お財布に優しいプライスであること。というのも、ホーカーセンターはそのコンセプトが「Affordable Price(適正価格)」。よって、コーヒー屋台でいただけるエスプレッソは、おおむね2〜3ドル台(約160〜240円)なんです。本格コーヒー屋台のパイオニアであるKopi Moreは現在改装中につき、ここ1〜2か月以内にオープンしたばかりの新しい屋台をピックアップ。

1.〈MAD ROASTER〉

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まずご紹介するのは、若き女性店主、マデリン・チャンが2020年11月にオープンした〈MAD ROASTER〉。マデリンの本業は、弁護士。法律事務所に勤めていた際、ミャンマーのロヒンギャ難民の存在を知り、法の力を本当に必要としているのはこういう人たちなのではないかと考え、隣国のタイへ渡り、難民支援に携わるように。しかし直接的な支援を行うなかで、長期的ビジョンで彼らを救うには、彼らに安定した収入を与えることが最優先だと考えを新たにします。

そこで一過性の流行でなく、消費者が繰り返し求めるものって何だろう、と思案した結果、ビジネス街でのコーヒーだ! と思い当たったのだそう。こうして再びシンガポールへ戻り、屋台スペースを借り、コーヒー屋台をスタート。店のロゴシールを難民たちに作ってもらうことで、彼らに定期収入を発生させています。事業のほぼ全てを一人で切り盛りしているため、メニューは多く設定せず、シンプル。毎朝1種類焼くというバターたっぷりのブリオッシュは、フルーティな味わいのコーヒーの最高のお供!ビジネス街のど真ん中に位置するホーカーセンターとあって、至福の一杯を味わうオフィスワーカーで早朝から賑わっています。

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〈MAD ROASTER〉
■住所:7 Maxwell Road, Amoy Street Food Centre #02-107, Singapore 069111
■アクセス:MRT・East West Line(緑)「Tanjong Pagar」駅より徒歩約4分、またはMRT・Downtown Line(青)「Telok Ayer」駅より徒歩約5分

2.〈Generation Coffee〉

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続いてご紹介するのは〈Generation Coffee〉。「Ahboy Beverages」という名でコールドブリューを販売していたブランドが、〈Generation Coffee〉へとリブランディングし、2020年12月、実店舗をオープン。リブランドにつながったのは、トラディショナルなコーヒー(コピ)と、スペシャルティ・コーヒーとの間にあるギャップを埋める架け橋になりたいという店主の想い。そこで彼が世界中からセレクトし、自家焙煎した豆を使ったエスプレッソやロングブラックのほか、ロブスタ種とアラビカ種の豆をブレンドし、エスプレッソマシーンで抽出するコピや、ベビーチーノもラインナップさせ、シニアからキッズまで、3世代でコーヒーカップを囲める場を作ったのです。

開店から1か月。意外にもシニア層に受けているそうで、「飲んだ後に親指を立てて笑顔を見せてくれたおじいさんも」とのこと。店主はとってもフレンドリーなので、「ラテにするならどの豆がいい?」など、迷ったらなんでも質問してみてください。

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〈Generation Coffee(ジェネレーション・コーヒー)〉
■住所:Blk665 Buffalo Road, Tekka Centre #01-321, Singapore 210665
■アクセス:MRT・North East Line(紫)またはMRT・Downtown Line(青)「Little India」駅より徒歩約1分

ちなみに、2020年12月、シンガポールのホーカー文化はユネスコ無形文化遺産に登録されました。スペシャルティ・コーヒーが飲める屋台のように、今後ますますバラエティに富んだ屋台が増えていくのではないかと、楽しみでなりません。

T. Ayako
T. Ayako / フリーランスエディター

「シンガポール在住の元Hanako編集者。デリバリー専門ドーナツ店としてスタートした〈SOURBOMBE〉が実店舗をオープン。サワードウ生地がベースとなっていて、軽い仕上がり。バジルやラベンダーを使ったクリームがたっぷり詰まった、手土産にぴったりのスイーツ」

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