花井悠希の朝パン日誌 vol.1 出かけるのも億劫な梅雨時に、気分の上がる朝パン2軒をご紹介します。 LEARN 2017.06.19

パンを心の底から愛する若きヴァイオリニストの花井悠希さん。そんな彼女が日々更新していたまさに愛するパンたちへのラブレターが「朝パン日誌」。これまで撮りだめていた全国のおいしいくて愛しいパンたちの写真と情報を「Hanako.tokyo」で紹介していきます。第一回目は、花井さんのパン概念を覆した(!)パンたちです。

はじめまして、ヴァイオリニストの花井悠希(はないゆき)です。

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お仕事はヴァイオリンで音楽を届けること。ソロと〈1966カルテット〉というグループで活動しています。ソロはジャンルに捉われず、クラシックやさだまさしさん、大好きな坂本龍一さんの曲等を弾いたり、歌手の方とコラボレーションしたりと自由に演奏していて、1966カルテットでは、ビートルズを中心に、クイーンやマイケルなど洋楽アーティストのカバーを、ロック魂と共にクラシカルに演奏しています。(なんで1966なのかとか詳しくはHPをご覧ください。笑 http://columbia.jp/artist-info/1966quartet/prof.html

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そんな私が、なんとこのたびHanako.tokyoさんでパンの連載をさせていただくことになりました!その名も『朝パン日誌』!毎朝食べる、愛しのパン達への想いをつらつらと(テンション高めに)Instagramにアップし始めたら、会う人会う人に『パン見てるよー!』と言われるようになり、音楽家って忘れられていないかそろそろ心配になってくる程、気づけばパンの投稿ばかりになっていた私。投稿一覧が全体的に、ベージュ、、、(笑)その溢れ溢れるパンへのラブレターが、Hanako.Tokyoさんで連載できるなんて夢のようであります。

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お仕事の関係もあって、東京はもとより、全国各地へと訪れるのですが、行く先々でまず探すのがパン屋さん。長い間街の移り変わりを見てきたであろう昔ながらのパン屋さんから、ミニマムなデザインの端正なパン屋さんまで、街のカラーと個性が際立つのが面白い。

それらを持ち帰って、次の日の朝、前日のあれやこれやを思い出しながら食べるのが、またたまらないんですよね。ここでは、そんな有り余るパンへの想いの丈をこれからお届けしていきます。よろしくお願いします!

というわけで、第一回目は、私のパン概念を覆したパン達をご紹介したいと思います。

優しく優しく扱って・・・〈ピース フラワー マーケット〉の「スコーン」と「マフィン」

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【クランベリーとホワイトチョコのスコーン】

横浜に行くからには、絶対に寄ると心に決めているお店。「Hanako.tokyo」 なのに、いきなり横浜のお店をもってくる私をどうかお許しください......でもそれほど好きで好きでしょうがないお店なんです。

こちらパン屋さんではなく、お花屋さん兼カフェなのですが、こちらの焼き菓子が唯一無二の美味しさ。もともとは、1966カルテットのピアニスト江頭美保ちゃんから『絶対好きだと思う』と教えてもらって初めて訪れたのですが、その時勧められた「スコーン」を食べた時に、美味しい!の稲妻が私を走り抜けたんです。なんだこれは!と。

こんなにさっくりとして、ハラリと解けるのに、パサつきとは無縁で、内側はどこまでもホカホカとした柔らかさを包含しています。
かといって、こってり感があるわけではなく、あっさりとした印象も受ける。これはもう、絶妙なバランス感の上に成り立っているんだなと肌で(口で)感じて、鳥肌モノでした。この「クランベリーとホワイトチョコのスコーン」は、クランベリーの甘酸っぱさと、ホワイトチョコのまろやかな甘みが交互にやってきて、双方の美味しいポイントを引き出しあっています。

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【無花果のマフィン】

こちらもう一つ忘れちゃいけないのが、マフィン。今回は季節感もある「無花果のマフィン」。このマフィンもまた、絶妙なバランス感を感じずにはいられない一つ。というのもこちら、お行儀よく半分に割ろうものなら、いとも簡単に崩れ出してしまうほど、柔らかく作られているのです。

崩れ出すギリギリのラインまで柔らかさを追求している感じで、未体験のしっとりとした柔らかさに出会えます。溶けますよ!そしてこちらは、スコーンよりもリッチな味わい。バターの香りが、口の中でシュンと溶ける生地と一体となり、うっとりとしてしまうこと間違いなし。無花果もフレッシュさが残されていて、とにかくみずみずしい。無花果のジューシー感と、マフィンのしっとり感、とにかく湿度高めなマフィンです。(これ褒め言葉!)

「マフィンとかスコーンって口の中の水分取られるから苦手なんだよね」と言ったことのある、あなたにこそ食べていただきたい逸品です。

むっちりやさしい・・・〈しげくに屋55ベーカリー〉の「ドライパインとクリームチーズのベーグル」

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【ドライパインとクリームチーズのベーグル】

高円寺にある〈しげくに屋55ベーカリー〉さんのベーグルは、むっちりと弾力がありながらも優しい。ベーグルって、ミシミシと音が聞こえてくるほど弾力がハードボイルド(!?)なものもあったり、一方ちょっと

モチっとしてるくらいかな?くらいのおだやかなベーグルもあったりと、お店によって結構カラーが違う気がします。

ベーグルらしいムギュッと感は感じたいけど、顎も労わりたい(←え)私のようなワガママさんには、しげくに屋さんのベーグルの食感はピタリとハマります。いいとこどり!そしてこの組み合わせ!

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酢豚のパイナップルはいただけない私も、このパイン技には骨抜き!

パンとパイナップルの取り合わせは初めて食べましたが、きっとただパイナップルを使うだけではこんなに感動できなかったはず。甘さ控え目なクリームチーズと合わさることで、目の覚めるようなパインの陽気な果実感が楽しめるのだと思います。パイナップルもクリームチーズも贅沢におり込まれているから、どこを食べても2つの最強タッグを存分に感じられますよ。夏を待つ今にぜひ食べていただきたい!

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