「Magical Shores」シンガポール

連載「拝啓、〈星〉へいらっしゃいませんか?」 シンガポール・セントーサ島にできた癒し系アート「Magical Shores」へ。光と音のシャワーでリラックス! Learn 2020.07.30

結婚を機にシンガポールへ移住することになった元Hanako編集者女子による、星(=シンガポール)通信。第27回は、セントーサ島にできたインタラクティブランドアートをご紹介。光や音、プロジェクションマッピング、霧などを駆使した体感型アートは、一見、派手なようでいて、何度も訪れたくなる心地よさ満載。新・癒しスポットです。

こんにちは。毎月のように新型コロナウイルスの話からの導入となりますが、今月も、また。こちらは6月中旬からレストランでの店内飲食が可能となったり、物販ショップが再開したりしています。外国人労働者を除くと、日に数人程度だった市中感染者が10人前後へ増えてはいるものの、ほとんどが無症状・軽症者。なので、7月初旬から動物園や水族館など、人が多く集まるスポットも再開しはじめました。

「Magical Shores」シンガポール

今回ご紹介するのは、再開が待たれる「Magical Shores」。2020年1月にセントーサ島・シロソビーチに誕生した常設型インタラクティブランドアートで、400メートルものビーチを舞台に、光や音、霧で魅せるアーティスティックな体感型アートです。

「Magical Shores」シンガポール

本作のユニークなポイントは、ビーチに設置されたセンサーが、来場者の動きが活発なのか、ゆったりしているのかといった活動状況や、ビーチ周辺の天候や気温などをビッグデータとして蓄積し、そのデータをもとに、その瞬間に最適なライティングやプロジェクションマッピング、音楽の演出を行うところ。こういった先端技術が導入されている点もすごいのですが、今回ここにフォーカスしたいと思った1番の理由は、「Magical Shores」には「何度でも訪れたくなる圧倒的な心地よさ」があるから。

ローカルにも楽しんでもらいたいという思いから生まれた企画

「Magical Shores」シンガポール

ここで、ちょっと話が逸れます。セントーサ島というと、ユニバーサル・スタジオ・シンガポールのような遊興施設やリゾートホテルがあり、わかりやすく表現するならば東京・お台場のようなイメージ。穏やかさより、心浮き立つ賑わいに満ちていて、観光客に人気が高く、実はローカルが足繁く通う場所ではありません。しかしセントーサ島とは「国民の保養地」の位置づけで開発が進められ、当初は癒しの場でした。そこで「かつてのセントーサ島のように、ローカルにも楽しんでもらえるものはないか」と考えられ、生まれたのが、この「Magical Shores」。リラックスムードが漂っているのには、企画の背景にこういった意図があるからなのです。

「Magical Shores」シンガポール

癒しのポイントは、コンセプトに隠されています。それは、自然。海が近く、山もあるセントーサ島は、実は自然に恵まれた場所であることから、「Magical Shores」のテーマに「自然」を絡めたいと、企画を考えたクリエイターの引地耕太さんは思ったのだそう(本展、企画・制作は〈株式会社ワントゥーテン〉、〈株式会社ライティングプランナーズアソシエーツ(LPA)〉の2社がコラボレートし、日本人チームで行われました)。

「ただ、自然と人間が、この先、どのような関係を築くべきなのかと思考をめぐらせたとき、人間中心でもいけないし、単なる自然回帰も違うと感じました。そこで思い至ったのが、自然との共生。自然と人間を分けて考えず、調和させ、共生することこそ、これからの両者のあり方だと思ったんです」(引地さん)

「Magical Shores」シンガポール
「Magical Shores」シンガポール

さらに、ランドアートというスタイルを最初に構想した彫刻家・ノグチイサムの「未来の彫刻は地球そのものに刻み込まれる」という言葉にも感銘を受けたといいます。「ランドアートとは、自然に刻み込む作品のこと。目指したい『自然との共生』の方向性と合致するな、と」(引地さん)こうして、シロソビーチという自然そのものをキャンバスに、センサーによって取り込んだビーチ周辺の人間の活動状況や天候データを含む生態系の姿を、ライティング等のデジタル技術によって表現する、今回のインタラクティブランドアートが生まれるに至りました。

「Magical Shores」シンガポール

ちなみにこの空の演出には、船の明かりがまじる様子が表現されているのがおもしろい。というのも、シンガポールは漢字1文字で表すと「星」。これは商業のハブだったシンガポールの周辺海上には常に船が停泊し、夜間、船の明かりが星のように見えたことによるそう。船の明かりという人間の営みを内包するシンガポールの空の様子が描かれています。

裸足での鑑賞がおすすめ!?

「Magical Shores」シンガポール

陽が暮れる午後7時半、「Magical Shores」はいつの間にかはじまっています。ふと周りを見ると、心地よい音楽に身を委ね、きらめくライティングを静かに眺めるカップルもいれば、自分の動きに合わせて形を変えるプロジェクションマッピングの存在に気がつき、光を夢中で追いかける子どもたちも。来場者それぞれが、思い思いに本作に没入する様子が見てとれます。

「Magical Shores」シンガポール

より深い没入感を味わうには、裸足での鑑賞がおすすめ。ビーチの砂のやわらかな感触が肌に伝わって、自分が作品に溶け込んだように感じられるはずです。かくいうわたし自身、光と音のシャワーを浴びて、とてもリフレッシュできました。無料で楽しめることにも感激です。疲れたときこそ、セントーサ島に行きたいな…なんだか悔しいくらい、企画意図にそった感想と抱いてしまうんですが、そう思わせる魅力が、「Magical Shores」にはありますよ。

「Magical Shores(マジカル・ショア)」

■住所:Siloso Beach Walk, Sentosa, Singapore
■時間:19:30〜22:30(無休)
■料金:無料
■アクセス:Sentosa Express「Beach Station」駅から徒歩約8分
■URL:www.sentosa.com.sg/

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