【京都】行列がすごすぎて予約制になったお店も。絶品ドーナツ〈Kew〉〈RONMADOR〉 FOOD 2024.02.21

中心部からちょっと離れた街角など、「こんなところに?」という場所で、小さくて店主の個性が発揮されたお店と出会えるのも京都らしさ。“小商い”ならではの魅力あふれるドーナツとは?

Kew

ドーナツはイートインのみ。カスタードドーナツセット1,100円。
ドーナツはイートインのみ。カスタードドーナツセット1,100円。

運ばれてきた姿にまずうっとり。手にすればずっしりの重さに期待が膨らむ。頬張ればとろとろのカスタードクリームと、レモンゼストが入った軽やかな生地、そして砂糖のシャリッとした食感が渾然一体となって、口の中が満たされる。食べ終わるのが惜しいと思わずにいられない。

京都のKewの内観

そんなドーナツの作り手は大木健太さん。ロンドンで暮らしていた当時、モダンブリティッシュレストラン〈St.JOHN〉の門を叩き、縁あってペストリーでのキャリアをスタートさせた。カリスマパン職人、ジャスティン・ジェラトリーの下で修業を重ね、帰国後に満を持して店を構えたのが2019年のこと。主役は〈St.JOHN〉仕込みのドーナツとチーズケーキだ。とはいえ日本では手に入らない原料も多く、京都はロンドンより湿度も高い。数々の改良が加えられ、開店して4年以上が経った現在もブラッシュアップし続けている。「理想とする生地は、とても素敵なホテルの枕」と大木さん。両面を揚げて、サイドは白いまま残すことでドーナツにひだができ、クリームをたっぷり絞れるなど、工夫もそこかしこに詰まっている。

カウンターの焼菓子はテイクアウト可。
カウンターの焼菓子はテイクアウト可。

共に店を営むのは妻の真奈美さん。立ち上げ時だけのサポートのつもりが、開店して間もなく行列必至の人気店になり、予約制となった現在も二人三脚。お客はもちろん、働くスタッフたちの笑顔が大木夫妻の作りだす居心地のよさを物語っている。

Kew

住所:京都府京都市右京区龍安寺五反田町15
TEL:075-406-0763
営業時間:11:00~16:45入店の予約制
定休日:月火金休ほか不定休
席数:12席

2019年3月オープン。予約はHP(https://www.kewkyoto.com/)から。タルトなど焼菓子の購入のみは予約不要。

RONMADOR

ドーナツ各700円~、かぼちゃなど季節の野菜スープ700円。
ドーナツ各700円~、かぼちゃなど季節の野菜スープ700円。

フレンチとスパニッシュの気取らないレストランとして愛された〈バルマーネ〉の奥田匡章シェフが、新たな展開の主役にしたのはドーナツ。とはいえ作られるドーナツは料理そのもの。

ドーナツはイートインも可能。
ドーナツはイートインも可能。

「あるときリクエストして作ってもらったドーナツがおいしくて。じゃあ〈バルマーネ〉らしさってなんだろうと試作するうちに、ふと、料理用に作ったフムスやベシャメルソースをつけて食べたら、おいしい! って」と共に店を営む妻の修代さん。

「料理を作る感覚は料理人として大切にしたかったこと」と匡章さん。ベースとなるドーナツは古代小麦を使ったオールドファッション、グルテンフリーの米粉で作るオールドファッション、そして古代小麦のパンドーナツの3種類。「レストランでも使っていた古代小麦はグルテン量が少なくて、体への負担も控えめだと感じています。オールドファッションはグラスフェッドバターや米油を使い、さっくり感を大切に」作りあげた。

「古代小麦のオールドファッション、金柑と生チョコ、豆乳クリーム」750円。
「古代小麦のオールドファッション、金柑と生チョコ、豆乳クリーム」750円。

さらに、らしさを加えるのは食材のトッピング。「古代小麦のオールドファッション トマトとカブのフムスサラダ」(750円)、「米粉のオールドファッション ホタテとチコリのグラタン」(700円)など食事系は、季節を感じさせる一品に。「古代小麦のパンドーナツにさつまいもとクリームチーズ」(750円)などデザート系との相性はいうまでもない。料理人の感性で広げた新たな世界を楽しませてくれる。

RONMADOR

住所:京都府京都市下京区杉屋町295 カーサデ河原町1F
TEL:なし
営業時間:11:00~18:00
定休日:不定休
席数:4席

2023年11月オープン。新店は、奥田夫妻の長年の友人でもある、ひろみさんと共に運営。イートインも可。

photo_Kunihiro Fukumori text_Mako Yamato

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