【大阪】レトロ感がハンパない。〈純喫茶アメリカン〉で楽しみたいメニューと建築的魅力

【大阪】レトロ感がハンパない。〈純喫茶アメリカン〉で楽しみたいメニューと建築的魅力
【大阪】レトロ感がハンパない。〈純喫茶アメリカン〉で楽しみたいメニューと建築的魅力
CULTURE 2025.05.14
大阪・ミナミで愛され続ける老舗〈純喫茶アメリカン〉の魅力を紹介します。
photo_Yoshiko Watanabe text_Masae Wako, Junko Amano coordination_Ai Sakamoto
教えていただきました
倉方俊輔
建築史家

東京都生まれ。大阪公立大学教授。建築の歴史を、作り手ではなく使う者の視点から読みとく。『東京モダン建築さんぽ』(エクスナレッジ)ほか著書多数。BUNGA NET で「ポストモダニズムの歴史」連載中。

モーニングから夜お茶まで、喫茶の王道メニューが勢揃い。

大阪〈純喫茶アメリカン〉のミックスジュースとクリームソーダ

店内は全245席もあり広々。フレッシュフルーツや牛乳、卵が入った大阪名物「ミックスジュース」800円や「クリームソーダ」800円など、昔ながらの喫茶メニューが楽しめる。

大阪〈純喫茶アメリカン〉のホットケーキ

名物の「ホットケーキ」730円は持ち帰りボックスも可愛く、テイクアウトでも大人気。

大阪〈純喫茶アメリカン〉の階段
1946年創業、大阪ミナミの千日前商店街に立つ純喫茶マニアの聖地。華やかな空間は1963年の改築によるものだ。高度成長期時代の勢いを伝える壁のオブジェは、当時の最先端素材グラスファイバー製。

大阪・千日前商店街の純喫茶。木造店舗を今のモダンなビルへ改築したのは1963 年だ。その後の改装時には家一軒分の費用を注ぎ込んで、丸いステンドグラスを嵌(は)めた波打つ壁も作り上げた。「近未来的なものに憧れた時代の希望を感じます。大理石の壁や石細工の螺旋階段にも、人をもてなそうというサービス精神が詰まっている。オーナーの趣味や想いをちりばめた“居間型喫茶店”の名店ですね」と倉方さん。店内は1、2階合わせて245席。特注の緞通(だんつう)(絨毯)を張った壁やプロペラ機のような照明を楽しめる席もあり、何度も通いたくなる。

大阪〈純喫茶アメリカン〉の魅力1. 浮遊感のある近代的な照明。

大阪〈純喫茶アメリカン〉の照明

2 階照明は、天井全体に直線的な光源を走らせた浮遊感のあるデザイン。戦後アメリカのモダンなビルのよう。

大阪〈純喫茶アメリカン〉の魅力2. 超レアな赤い大理石の壁。

大阪〈純喫茶アメリカン〉の壁

店内奥の壁は、非常に珍しい赤色の大理石。イタリアから取り寄せたもので現在では手に入らないそう。

大阪〈純喫茶アメリカン〉の魅力3. 当時流行の工業的な素材遣い。

大阪〈純喫茶アメリカン〉の椅子

金属製のパイプを使った家具や、ステンレスを用いた階段の手摺りなど、当時流行り始めた工業素材が随所に。

大阪〈純喫茶アメリカン〉の壁

1階席。マホガニーやトチノキなどを640枚組み合わせた波打つ壁には、カラフルなステンドグラスが嵌め込まれている。手前のパーティションに使われているのは白蝶貝。

information
純喫茶アメリカン

住所:大阪府大阪市中央区道頓堀1-7-4
TEL:06-6211-2100
営業時間:10:00〜22:00(火〜21:30)
定休日:月3回ほど木休
席数:245席
開業:1946年
改装:1963年
設計:富士工務店
規模:鉄骨造5階建(店舗は1・2階)


かつては近所に劇場や芝居小屋が点在し、故・藤山寛美をはじめ、多くの著名人に愛された名店。

※記事内に特段の記載がない場合は禁煙店です。
※20歳未満の方は喫煙可能エリアへは入ることができません。

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