入場無料で撮影可能なところも! アートディレクター・脇田あすかが語る銀座のギャラリーの魅力 CULTURE 2024.04.25

大小様々なギャラリーがある、アートの街・銀座。アートディレクターの脇田あすかさんに〈ギンザ・グラフィック・ギャラリー〉をメインに、銀座のギャラリーの魅力を教えてもらいました。

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銀座のギャラリーを訪れる理由。

パラソルが優雅に並ぶ週末の中央通りを、着飾った人々が行き交う。そんな銀座に初めて足を踏み入れた日を回想し、「これが東京か! と思った」と語るのは、アートディレクターの脇田あすかさん。その後、銀座を何度も訪れ、様々なギャラリーでインスピレーションを得て持ち帰ったという。行きつけは、〈ギンザ・グラフィック・ギャラリー〉だ。

「東京藝術大学に在学していた頃、教授にすすめられて初めて行ったんです。特に記憶に残っているのは、雑誌『花椿』のアートディレクションで知られる仲條正義さんの展示。スタイリッシュな大判ポスターがずらりと並ぶ迫力にシビれて。あの衝撃は今も忘れられません」

アートディレクターの脇田あすかさん。「重厚なガラス扉に気分が高まります」。〈ギンザ・グラフィック・ギャラリー〉にて。
アートディレクターの脇田あすかさん。「重厚なガラス扉に気分が高まります」。〈ギンザ・グラフィック・ギャラリー〉にて。

巨匠から、知る人ぞ知る現代画家、そして脇田さんの学生時代の友人まで、多様なアーティストが展示を行う銀座のギャラリー。ハシゴした当時の記憶は、広告や書籍などで幅広く活躍する脇田さんの今にも活きている。

「銀座には無料で観られるギャラリーが多いので、経済的に余裕がない学生も巡りやすいんです。それに、大抵の場所が撮影OKなのもうれしい。デザインの勉強になるのはもちろん、後から見返して余韻に浸る時間も好きで。無心で撮っていたらカメラロールが作品の写真で埋めつくされている、なんてことも多いです。銀座のギャラリーには、そんな寛容さがある一方で、〈資生堂ギャラリー〉のような美しい緊張感を味わえる空間もあります。私にとってこの街は、いつでも迎え入れてくれて、少し背筋を伸ばしてくれる場所。これから初めて訪れる方も、自分の視点で〝アートな銀座〞を体感してほしいですね」

ginza graphic gallery

写真上は2023年行われた「TDC 2023」。ポスターやアートブックが並ぶ様子は圧巻だ。
写真上は2023年行われた「TDC 2023」。ポスターやアートブックが並ぶ様子は圧巻だ。

往年の巨匠から今をときめくデザイナーまで、奥深いグラフィックデザインの世界に触れる。

〈ギンザ・グラフィック・ギャラリー〉キュレーターにQuestion!

Q.ギャラリーの特徴は?
タイポグラフィやブックデザイン、ポスターなどの印刷と深く関わる分野をはじめ、テレビCM、ウェブデザイン、CGアートまで、グラフィックデザインの世界を広くとらえ、様々な角度で発信するギャラリーです。

Q.このギャラリーと銀座の関係性は?
銀座はもともと新聞社や出版社ゆかりの土地。このギャラリーを創設した〈大日本印刷〉の歴史も明治時代からこの街で始まりました。そんな風土に“グラフィックデザインの発信地”が生まれたのは必然的といえるでしょう。

Q.過去の印象的な展示は?
毎回展示内容が大きく異なるため絞れませんが、2023年末開催の『大原大次郎展』を観た少年が、その場でデザイナーになることを決意したという出来事に心を打たれました。

ginza graphic gallery

住所:東京都中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル1F
TEL:03-3571-5206
営業時間:11:00~19:00
定休日:日祝休

photo_Tomo Ishiwatari, Mitsumasa Fujitsuka text_Koki Yamanashi

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