今期のドラマどうだった?オラリーの今期気になる地上波ドラマ
〜振り返り 2023年10月期〜

CULTURE 2023.12.30

2023年も残りわずか。毎クール10作ほどのドラマをチェックし、朝ドラや配信作品にも目がないドラマラバー・オラリーさんが、2023年冬期のドラマを振り返ります。前回記事はこちらから。

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『時をかけるな、恋人たち』(毎週火曜23時/フジテレビ系)

主演の永山瑛太さん、吉岡里帆さんはもちろん、どのお話にも愛おしく、何とも人間らしいキャラクターが登場していました。本当に全員が大好きで…ずっと見ていたい気持ちでした。キャスティング完璧、さらにそのキャストを生かしきっている脚本も素晴らしかったです!特に第5話、ささいなケンカをしたまま別れた妻を事故で亡くし悔やんでいた夫が、妻に一目会いたいと未来からやってくるお話。

妻を亡くしてしまうという事実は変えられなくても、辻褄合わせによって未来へ続いていく気持ちは後悔からあたたかいものへと変化していきます。何かを想う気持ちは時代の変遷に関わらず残していけるし、変わらず続けていけるものなんだな…と涙が出ました。まさにいま現在、自分が存在している何でもない日常を愛したくなるドラマ!時空を超えて何度でも出会い直す2人は本当にキュートで、とにかくロマンティックでした。続編希望!

『コタツがない家』(毎週水曜22時/日本テレビ系)

小池栄子さん演じる万理江が父、夫、息子のダメ男3人を養っていくストーリーなのですが、本当にダメな人たちすぎて、感情移入するまでなかなか時間がかかりました…!ただただ自分勝手な発言ばかりするやたら口が達者な3人の男たち、言い争いが勃発する度に鳴り響くゴングの音は始まりの合図のみで、決して終わりのゴングは鳴らず。。万理江が気の毒!と普通に思っていました。

しかしこちらは客観的に見ているからなのか、終わりのない小競り合いの中に、3人なりの小さな気遣いや優しさがあることに次第に気付いていきます。コタツを囲むような仲睦まじい関係ではないけれど、自分の人生におけるデフォルトのキャラクターとして決して欠けることは無いような、強固な家族像を感じました。とはいえ、やはり万理江はすごすぎました!この3人が居たからこその逆境エネルギー、見習いたくはないけど笑、心得ておきます!

『ブラックファミリア ~新堂家の復讐』(毎週木曜23時59分/読売テレビ系)

初回からかなり引き込まれる内容でしたが、その勢いのまま最終話まで飛ばしまくりでした、、!キャストの皆さま、ほぼ全員振り切った演技をされていてすごかったです。娘の死の真相に関わっていると思われる闇だらけのセレブ家族と正義を振りかざしていたはずの被害者家族が、ラストに向かっていくうちに少しだけリンクしていく、狂気染みた演出が良かったです。目的は同じでも家族によって気持ちの終着点が違ったり、自分の過去の傷が疼いてブレてしまったり…盲目な復讐劇ではないリアルさも切なかったですね。しかしなんといってもラスト、娘を殺した犯人である友人の葵が、新堂家で食卓を囲むシーン、、!なぜ!今期のドラマの中で一番の衝撃でした。。色々な解釈が出来ると思うのですが、ぜひ見た方たちと語り合いたいですね。おもしろかったです!

『いちばんすきな花』(毎週木曜22時/フジテレビ系)

永遠のテーマである「男女の友情は成立するのか?」という問いかけ、このドラマでの答えは「人それぞれ」でした。何となくしっかりと明確な答えを期待してしまっていましたが、皆が求めているのは答えではなく、答えの出ないテーマについてお互いを尊重しながら永遠に話し合える関係性のことだったのかな、と思いました。後半、4人の共通の知人として登場した田中麗奈さん演じる美鳥がとても魅力的でした。4人それぞれとの関係性がバラバラゆえ、それぞれとの対話の仕方も様々でしたが、根本的な部分で全員と信頼し合っていましたね。色々な場面で4人の心の拠り所になっていたり、美鳥にとってもそれが救いであったり。先入観なくシンプルに対話出来る関係性であれば、友情や恋愛という定義付けはもはや必要ないものなのかもしれません。これもまた、それぞれの考え方ではありますが。。

『泥濘の食卓』(毎週土曜23時30分/テレビ朝日系)

終始薄暗い画面の中で強烈に純粋な主人公、深愛。しかし実際は、深愛よりも狂気に満ちた登場人物ばかりでした。最終的には、深愛が一番まともだったような気がしています。店長の妻を演じた戸田菜穂さん、精神的な病で動けないほどボロボロの状態から、少しずつ再起していく演技が凄まじかったです!タイトルにもあるようにそれぞれの食卓が度々登場しましたが、深愛の毒親が作る美しい食事や店長一家の会話のない食卓、ホテルでの食事シーンなどどれもつらく、味のしない重い描写がよく表れていました。すべての真相が明らかになったラスト、行き先の知れないバスに乗っている深愛の姿は静かで悲しいものでしたが、深愛自身が決めた道ならばどんな結末でも良いだろうと思えて、個人的には好きな終わり方でした。

「ゆりあ先生の赤い糸」(毎週木曜21時/テレビ朝日系)

予想以上に引き込まれた作品でした。介護を通してよく耳にする孤独感やそれに伴う日々の細かい困りごとを描いていて、色々と考えさせられました。菅野美穂さん演じるゆりあはとても頼もしくめちゃくちゃ頑張り屋なのですが、素直でかわいらしい一面もあって、すごく好きなキャラクターでした。便利屋として訪れた伴ちゃんとの出会いも、見ていて幸せな気持ちになりましたね。伴ちゃんの父役で宮藤官九郎さんが出てきた時はアガりました!ゆりあの夫を巡り集まった人々はいつしか不思議な関係を築いていき、それぞれの居場所を見出していきます。そこに必要なのは血の繋がりではなく、ゆりあや夫の底抜けに深い愛情でした。その愛情があれば、どんな関係性でもそばに居ることが出来る。赤い糸が絡み合いながらもギリギリ繋がる不器用な人たちが愛おしく、全員を抱き締めたくなるドラマでした!

上記以外でも今期はおもしろい作品が多かったです。楽曲のクオリティの高さがすごかった「パリピ孔明」、毎話あたたかく泣けた「きのう何食べた?」、家族で夢中になった「下克上球児」、どれも素晴らしかったです!

illustration:Misa Itoi edit:Kei Kawaura

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