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花井悠希の朝パン日誌 vol.25 フルーツとパンの鮮やかな関係…〈TOLO PAN TOKYO〉と〈シニフィアンシニフィエ〉
梅雨を早く早くと急かして夏がやってきた。異例の早さの梅雨明けだそうで。今年は長い夏になりそうですね。そんな季節だからこそ食べたいフルーツmeetsパン。一口食べれば、心も体も色鮮やかな夏を感じずにはいられない!そんなパンが待っているお店をご紹介します。
スター達がいっぱい…〈TOLO PAN TOKYO〉
池尻大橋駅からすぐの〈TOLO PAN TOKYO〉。よく利用するレコーディングスタジオが近くにあるので、前から寄っている大好きなパン屋さん。でもレコーディングの時は緊張感もあるしそわそわしがちなので、久々にゆっくりとお店の方に説明してもらいながらパンを愛でてきました。
![「アップルパイン」 「アップルパイン」](https://img.hanako.tokyo/2018/06/C296CD1E-FAE1-49BD-9BB8-4DBDF605A369.jpeg)
とても手が込んでいるので1日に作れる数に限りがあって、売切れのことが多いんですと教えてもらったこちら。
すごい。一口の充実度がすごい。口内が一瞬にして色めきます。細かいことは分からなくても、この一口にどれだけの行程が重ねられているのかは分かる。これは絶対に、心も体もしかとこの子を見つめて食べていただきたい!
![E4D321BA-90D6-4CF8-A597-AFDA914F9D4B E4D321BA-90D6-4CF8-A597-AFDA914F9D4B](https://img.hanako.tokyo/2018/06/E4D321BA-90D6-4CF8-A597-AFDA914F9D4B.jpeg)
何層にも重ねられたクロワッサン生地はパリパリと崩れると、じわじわとバターの風味が満ちてくる。他の主役達を支えるために甘さは控えめ。粉雪のように頭に降り積もったココナッツがしゃりしゃりと飛び跳ねるのを合図に、クロワッサン生地も一緒にサックサクと踊り出します。砂糖も一緒に散りばめられているからメレンゲのような弾む甘さもあって楽しい。
さぁ場は十分に温まった。出てきて頂きましょう。「今朝のゲスト!アップルパイン!!!」そう呼びこみさせていただきたい。
![2F2F2071-3DBD-443D-AEBE-0D46CC79E961 2F2F2071-3DBD-443D-AEBE-0D46CC79E961](https://img.hanako.tokyo/2018/06/2F2F2071-3DBD-443D-AEBE-0D46CC79E961.jpeg)
同じテイストに寄せられたリンゴとパインが代わる代わる前に出てきます。そのどっちを注目すればいいか迷っちゃう感じは、二人組のアイドルのよう。とびっきりのキメ顔スマイルをアップで、交代交代にキメてきます。
「可愛いぃぃ♡」カルバドスで飴色になるまで煮られた紅玉はとろっとろでこっくりした甘み。パイナップルはカルダモンの香りがプワーーって通り抜けるけど、トロトロに煮られつつも残っている繊維質からパイナップルらしさ全開のトロピカルへ誘うテイストが出てきます。それぞれ違う個性がありつつもしっかり同じカラーでまとめ上げられていて、いやはや本当にアイドルなんですよね。(※あくまでも個人の感想です)
カリスマ性というか、スター性というか、限定数しか出ないということもあってキラメキがピカイチ!
![「いちごのノワレザン」 「いちごのノワレザン」](https://img.hanako.tokyo/2018/07/35A7E2D6-A0F8-4338-B31F-786C9519B5BE.png)
触れただけでわかるしっとり感。どっしりみっしりしたパウンドケーキのような質感です。
スパイスが効かされた生地に燻されたクルミ。このパンの表現したいテイストがビシッと伝わってきて背筋が伸びます。クルミが大きくゴロゴロと入っているから、木の実らしい甘みから皮のほのかな苦みまでしっかり感じられてとても香ばしい。そしてドライイチゴも大きくふんだんに。ねっとりと口内を這う芳醇さにクラクラきてしまいます。オトナだぁ。ぎゅっと味わいが濃縮されイチゴのつぶつぶ感もしっかり。
ドライイチゴにクルミにスパイス。刺激的な取り合わせだと思いませんか?ワインともきっと相性よいはず!
![34FAE53F-3F19-40AC-94D3-C33F530318D3 34FAE53F-3F19-40AC-94D3-C33F530318D3](https://img.hanako.tokyo/2018/07/34FAE53F-3F19-40AC-94D3-C33F530318D3.png)
袋に入れられている姿はキュートです。
![「レーズン100プチ」 「レーズン100プチ」](https://img.hanako.tokyo/2018/07/D8606F07-B10D-4F1B-8812-807D0E09FB23.png)
蒸しパンのようなむっちりボディは抜群の保水力。触れれば、しとっと冷たい。それほどまでに保水されているっていう証。お肌みたいに押せば、むちむちっとしたハリを感じます。
そのしっとりボディに、限界まで入ってるんじゃないかと思うほどたわわにインされたレーズン。カルバドスで漬け込まれたそれは、ドライなのが甚だ信じられないくらいにとろんとろんとトロけ、みずみずしく酸味を放ちます。
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生地のしとしととした口溶けの余韻はレーズンの甘美な酸味がしおらしく、たおやかに。心掴まれるラストはさすがです。この手の平サイズな小ささもたまりません。
手間を惜しまず愛情いっぱいに作られていることが伝わってくるパン達。ありったけの好奇心で受け止めて!
挑戦を続ける名店の夏の味…〈シニフィアンシニフィエ〉の「フルーツカンパーニュ」
言わずとしれた名店〈シニフィアンシニフィエ〉さん。初めてそのパンを食べた時の衝撃といったら。それまで食べたことのなかった質感に目を見開いたのを覚えています。
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フルーツがぎゅうぎゅうと身を寄せ合い、それはそれは窮屈そうにしているのかと思ったら、、、なんてみんな伸び伸びとしているのか。口の中で1つ大きく伸びをして、マンゴー、レーズン、クランベリーがそれぞれにエネルギーを溢れさせながら弾けます。
![2CA9CF4B-DCDB-41A4-B549-DE696AB1E857 2CA9CF4B-DCDB-41A4-B549-DE696AB1E857](https://img.hanako.tokyo/2018/07/2CA9CF4B-DCDB-41A4-B549-DE696AB1E857.png)
ライ麦が10パーセント配合されたカンパーニュ生地は、みっしりした皮で逞しさを香らせつつ、内側は水分、フルーツから滲み出た果汁を一手に受け止めてしとしとです。このジューシーで充実感のある生地こそ、シニフィアンシニフィエらしさな感じがして、鳥肌が立ってきます!うまみがじわじわと押し寄せる。お気に入りの佐渡バターを添えたら、爽やかなミルクのうまみとの相性もばっちりで、心満たされました。この多幸感はまさにご褒美パンですね。
お店のブログを見ると、フルーツを使った新しいパンが次々と生まれていて、夏らしい果物を使ったパンもたくさん。通いつめたくなること間違いなしです。
暑くなってきたら朝パンも夏仕様に変えてみると、きっと夏の強い日差しもごちそうになりますね♪