もはや大喜利!? 「 ○○なご遺体 」が気になりすぎるドラマ『 警視庁・捜査一課長 』。 LEARN 2023.03.09

「なに?揚げたてのコロッケを握ったご遺体が?」。番組冒頭からいきなり内藤剛志さんが突飛なセリフを繰り出す刑事ドラマ『警視庁・捜査一課長』がSNSで話題沸騰。ほかの刑事ドラマでは絶対に出くわさない、斬新すぎるご遺体はどうやって生まれているのだろうか。

もともとは2時間ドラマ『土曜ワイド劇場』枠で誕生した同ドラマは、警視庁の花形部署・捜査一課が舞台。精鋭刑事を統率しながら、都内で起きるすべての凶悪事件現場に臨場する叩き上げの刑事・大岩純一捜査一課長(内藤剛志)が難事件を解決していく。真面目な刑事ドラマとしてスタートした本作が、今のようなユーモラスな内容に舵を切ったきっかけとは? 番組のゼネラルプロデューサー・関拓也さんに伺った。

「連続ドラマ化した第1シリーズの第6話で、遺体にラメをかける犯行が描かれました。それを『七色に光るご遺体』と表現して放送したところ、視聴者から『なんだあれは?』と思わぬ反響(?)をいただいたんです。それからご遺体に注目が集まるようになり、今では、こんなご遺体があったらおもしろいというアイデアから先に考え、それを元に犯行内容を組み立てていくこともあるほど。たとえば『ナタデココを持ったご遺体』が出てくる回は、タピオカブームを憂う中で、流行り廃れていったナタデココの存在を思い出し、事件に取り入れたいと考えました」 

大喜利番組でよく「こんな○○は嫌だ」というお題を目にするが、このドラマはまさに「こんなご遺体は嫌だ、どんな?」というお題に対して回答しているかのような、笑いのツボをつくご遺体ばかりが登場する。通常ミステリー作品の殺人事件は目を覆いたくなる残虐な殺され方が多いが、不謹慎ながらご遺体の状況におもしろみを感じてしまうところに、このドラマの人気の理由がある。

ご遺体のほかにもネットをにぎわす要素はたくさん。たとえば一課長の愛猫・ビビは、事件解決のヒントを与えてくれる存在で、視聴者からも大人気。今シーズンからは新入り猫・あずきも加わり、とにかく猫が番組に大貢献している(公式Twitterは猫語で更新)。それに芸人からインフルエンサーまで、毎回登場する多彩なゲストも都度ネット記事になり話題をさらっている。

「毎話レギュラー陣以外の役の設定も細かく決めていて、ゲストキャストもその役柄に合わせて決めています。ヘアスタイルも服装も自由なコールセンターが登場する回では、自由な見た目のパイオニアともいえる方に職場を統括する監督者の役をお願いしたいと思い、デーモン閣下さんにオファーしました」
 
ちなみには閣下は役でも「年齢不詳」という設定だった。そういう小ネタたっぷりなところにも、制作陣の心意気が感じられる。次はどんなご遺体に出会えるのだろうか。新たな大喜利回答を心して待ちたい。

あずき(上)とビビ(下)
あずき(上)とビビ(下)

『 警視庁・捜査一課長 』

DMA-01

木曜ミステリー『警視庁・捜査一課長season6』/捜査一課長と捜査員たちの熱き奮闘を描く刑事ドラマ。毎週木曜夜8時よりテレビ朝日系で放送された。内藤剛志、斉藤由貴、本田博太郎、鈴木裕樹、飯島寛騎、陽月華、菊池隆志、塙宣之(ナイツ)、床嶋佳子、金田明夫ほか。
©テレビ朝日

illustration : lubusen_naibo text : Daisuke Watanuki

Videos

Pick Up