プレ更年期って? 将来、不調が起きる前にできることはなに?

プレ更年期って? 将来、不調が起きる前にできることはなに?
Beauty Laboratory ハナコ美容研究所
プレ更年期って? 将来、不調が起きる前にできることはなに?
HEALTH 2026.09.19
年齢を重ねるにつれ、増える体の不調。今回はこの女性特有の揺らぎや、最近よく聞く“プレ更年期”について学びます。
illustration_Aya Usami text_Emi Taniguchi

教えていただきました
寺内公一
寺内公一
医師

てらうち・まさかず/東京科学大学(旧・東京医科歯科大学)大学院歯学総合研究科 茨城県地域産科婦人科学講座教授。産婦人科医。更年期障害や骨粗鬆症などの女性の診療に従事。

年齢を重ねるとともに現れる体の不調。これって更年期?そんな悩みや不安に直面したらどうすればいいの?たくさんの更年期の悩みを聞いてきた、産婦人科医の寺内公一さんに話を伺う。

「更年期とは、小児期、思春期、そして性成熟期、老年期などと同様に、女性のライフサイクルの一時期の呼び方。日本では、閉経を挟む前後5年間、合わせて10年ほどの期間と位置付けられています。ただし、自分がいつ閉経したかはリアルタイムにはわからないため、自分が〝今閉経前5年間の中にいる〞とか〝今閉経後〞を判断はしにくい。さらに40代を迎えると、疲れやすさなどの不調も現れます。それを更年期と判断するのは、専門の医師であっても難しいこと。強いて言えば、40〜50代の更年期世代であること、月経不順があること、体や心に複数の不調を抱えていること。それに加えてほかに大きな病気がなさそうな場合が更年期による疲れやすさの可能性が高いと考えます。女性の体はある時期を境に、女性ホルモン(エストロゲン)が波打つように揺らぎながら減少します。わかりやすくいうと、〝ガス欠の車〞に乗っている状態。ガソリンがなくなりかけてアクセルを踏むと急発進してしまったり、今までのスムーズな走り方ができずにガタガタになってしまったりしてしまう。ただ、それは体が次のステージにモデルチェンジをする期間。最初は急なトラブルに戸惑うかもしれませんが、少しずつ慣れてもいくので大丈夫。そのためには、まず自分の体の中の不調をスルーせず、 〝何が起こっているのか〞を正しく知ることが不調改善の第一歩になります」

Q1.プレ更年期って何?

そもそも“プレ更年期”という医学的な定義はありません。

「30~40代の女性が感じる、更年期に似た不調のことを“プレ更年期”と呼ぶのを目にしますが、医学的に“プレ更年期”というものはありません。ただ、ホルモンの変動やストレスによって、心身のバランスが大きく揺らいでいる可能性も。本格的な更年期を迎える前に、自分の体や生活の見直しを」(寺内公一さん、以下同)

更年期 イメージイラスト

Q2.更年期ってどんな症状があるの?

ちょっとした心身の揺らぎから複合的な不調など人によって様々。

「月経のリズムが変わる、イライラしやすくなる、疲れやすくなる、ホットフラッシュやむくみ、冷え、太りやすい、腰痛や肩こり、動悸やめまい、食欲不振や高血圧、不眠、口や肌の乾燥、といったあらゆる不調。更年期の症状は人によって異なり、ほとんどの人はどれか一つの症状ではなく、複数の症状を抱えています」

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Q3.どの程度の不調で病院に行くべき?

違う病気が潜んでいる場合も。生活に支障が出る不調は病院へ。

「不調は数値化しにくいため、ざっくりとした言い方になってしまいますが、生活に支障が出てきたら。もしかしたら更年期ではなく、ほかの病気が潜んでいる可能性もあるので、不調のサインは見逃さずに。何科に行けばいいかわからない場合は、婦人科か総合診療科へ。ただ、まずは自分が行きやすいクリニックに行ってください」

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Q4.今のうちからやっておくべきこととは?

運動や食事、ストレスケアなど生活スタイルの見直しを。

「月並みかもしれませんが、生活習慣の改善。ヨガなどの運動をする、健康的な食生活にするとか、お酒は控えるなど。あとは環境調整ですね。仕事や人間関係など、無理をせずにストレスの原因を極力減らすこと。今の不調やしんどさは、辛いことかもしれませんが、今の生活を見直すためのきっかけとして捉えてみては」

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Q5.更年期だった場合、どんな治療をするの?

生活習慣の改善の提案や薬物治療など、人によって様々。

「まずは生活習慣の改善を提案。東京科学大学病院の産婦人科では、管理栄養士と一緒に生活習慣改善のプログラムを行います。薬物治療にはホルモン補充療法、漢方薬、抗うつ薬や抗不安薬、睡眠鎮静薬などの向精神薬を、単独で使うこともあれば、併用する場合もあります。症状も考え方も異なるため、その人に合った治療を」

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Q6.なぜ人によって更年期症状が違うの?

一人ひとり体質や生活スタイル、取り巻く環境も違うから。

「更年期の症状は、特に不調もなく過ごせる人もいれば、毎日しんどくて辛いと悩む人もいたりと、人それぞれ。それはエストロゲンの揺らぎである身体的側面と、ストレスの大きさである精神的・心理的側面、そして人間関係を取り巻く社会的側面が相互に影響し合っているから。人それぞれ生活が違うように、症状の強さも異なります」

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卵巣機能の調整システム

卵巣機能の調整システム 図解

女性の体の機能を整え、妊娠や出産に大きく関わる女性ホルモン「エストロゲン」。これは脳からの指令で、主に卵巣から分泌。脳の視床下部、下垂体、卵巣はお互いに影響し合いながら血中のホルモンバランスを調整。

information
「更年期かな?」と思ったら最初に読む本
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著:寺内公一

仕事や家事、介護や子育てなどで忙しく、不調があるのに後回しにしてしまう女性に向けて、心と体をラクにする更年期の入門書。不調や不安の正体を、医学の視点で優しく紐解く。これからの人生を穏やかに生
きるヒントがここに。1,760円(主婦と生活社)

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