【名古屋】名物グルメが味わえる創業50年以上の老舗喫茶4選

photo_Akira Yamaguchi text_Toshiyuki Otake
1.喫茶店発祥のご当地大衆洋食。〈喫茶ユキ〉

熱々の鉄板の上で卵がじゅわ~っと湯気をたて、ケチャップベースのスパゲティをからめるとまろやかに。名古屋流ナポリタンともいうべき一品は、1960年代にこちらの創業者が考案し市中に広まった。「名古屋の人はちんちこちん(熱々の意)が好きだもんで冷めにくい鉄板を使おうと思いついたと聞いています」と2代目の丹羽久幸さん。

世代を問わず親しみやすい味わいは大衆に愛される喫茶店にふさわしい。

住所:愛知県名古屋市東区葵3-2-30
TEL:052-935-1653
営業時間:10:30~15:00
定休日:金土休
席数:24席
1957年創業。2018年に旧店舗から約50m北へ移転。移転先でも、旧店舗から引き継ぐ照明や「営業中」のプレートなど随所に懐かしさを感じさせる。
2.地元民の信望厚い元祖・名古屋喫茶。〈コンパル大須本店〉

戦後間もなく創業し、名古屋の喫茶店では真っ先に多店舗化を果たした。いち早くテイクアウトを取り入れたサンドイッチも、名古屋圏の子どもたちには憧れの手土産に。エビフライサンドはホテルのコックを招聘(しょうへい)して開発。ぷりぷりのエビフライにふわふわの玉子焼き、シャキシャキのキャベツ、Wソースと食感も味も多層的。これはもう軽食ではなく堂々たるごちそうグルメ。お腹いっぱいでもひと箱買って帰りたい!

住所:愛知県名古屋市中区大須3-20-19
TEL:052-241-3883
営業時間:8:00~19:00
定休日:無休
席数:84席
名古屋駅や栄の地下街など市内に8店舗を展開する〈コンパル〉。サンドイッチはほかにみそカツサンドなどがあり、全店舗でテイクアウト可能。大須本店は翡翠色のタイル張りの壁やえんじ色のソファなど渋い空間も魅力。
3.甘いもの好きが殺到する行列店。〈コーヒーハウスかこ花車本店〉

大正期発祥の名古屋グルメ、小倉トースト。その進化版が「シャンティールージュスペシャル」。あんこの上にホイップクリーム、4種のジャムをトッピング。すべて自家製で口あたりは驚くほどさっぱりしている。あんこの優しい甘みやクリームのまろやかさ、ジャムの酸味が口の中でひとつに溶け合う瞬間はまさに至福。ストロングな飲み口で相性抜群の自家焙煎コーヒーと一緒に。

住所:愛知県名古屋市中村区名駅5-16-17
TEL:052-586-0239
営業時間:7:00~17:00
定休日:無休
席数:16席
1972年創業。名古屋の自家焙煎コーヒーの先駆けで、店主の土屋賞蔵さんは半世紀以上カウンターに立つ。
4.ゆるぎない名古屋喫茶の風格を示す。〈洋菓子・喫茶ボンボン〉

深紅の革張りソファにシャンデリアに美人画。半世紀変わらぬ空間はゴージャスな応接室のような貫禄が漂う。初代の父が抑留ドイツ人から教わったのが始まりという洋菓子も生クリームを生かした王道のおいしさ。

名古屋の喫茶店ではコーヒーのおつまみにピーナッツが付くのが定番だが、ここではプチサイズのカステラなどを日替わりで。洋菓子の老舗ならではの気配りがうれしい。

住所:愛知県名古屋市東区泉2-1-22
TEL:052-931-0571
営業時間:8:00~21:00(20:40LO)
定休日:無休
席数:76席
名古屋の純喫茶を代表する名店。隣接する洋菓子店で約40種が揃うケーキは名古屋土産の定番で、二世代・三世代で通う常連も多い。
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