【クイズ】ソーサー裏側の記号や数字、一体なんだと思う?

【クイズ】ソーサー裏側の記号や数字、一体なんだと思う?
【クイズ】ソーサー裏側の記号や数字、一体なんだと思う?
CULTURE 2025.04.28
コーヒーに歴史や作り手の想いがあるように、カップ&ソーサーの背景にもさまざまな物語がある。陶磁器ブランドの特徴や絵柄の意味を知れば、喫茶店で過ごす時間がもっと豊かになる。〈アンセーニュダングル 原宿店〉店長の新名聖治さんに覚えておきたい名作カップブランドを教えていただきました。
photo_Satoshi Nagare text_Masae Wako
喫茶マニアへの道。

バックスタンプの見方を知る。
カップ&ソーサー裏の刻印でブランド名や国名がわかることが多い。見る時はお店の人の許可を得てから丁寧に。

「白」の色味をチェック!
磁器の場合、フランスや北欧の白は青みがかったポーセリン製、イギリスだと乳白色のボーンチャイナ製が多い。

1. 〈ROYAL COPENHAGEN(ロイヤル コペンハーゲン)〉/デンマーク

ROYAL COPENHAGEN(ロイヤル コペンハーゲン)/デンマークのカップアンドソーサー

1775年創業。アヤメ科の花を描いた「ブラウンアイリス」シリーズは、金彩の縁が特徴。

ロイヤルコペンハーゲンのソーサーの裏
※1 ブランド名。ブランド名や工房名が入ったマーク。王室御用達を示す王冠などブランドの出自にまつわる柄が多い。
※2 生産国。多くは工房やブランドの国名が入っている。近年のもので国外工場で作られた場合などは記載がないことも。
※3 制作者。デザイナーや絵付師がいる場合、サインや印が入ることも。手描きだと一点ずつ微妙に異なり愛着がわく。
※4 型番。カップ&ソーサーのデザインやアイテム名、シリーズ名などを示す番号が記載されることも多い。

この店で最も多く使われている〈ロイヤル コペンハーゲン〉のソーサー裏を見てみると、マークは王冠と、波を表す青の3本線。年代により異なる。ROYAL COPENHAGENの文字の上に線があると1935~1949年製、文字の下に線があると1950~1984年製。写真は「G」の下にあるので1969~1973年の作。「80-93」は100㏄入りの型。1980年代以降は数字が手描きではなくなる。

2. 〈AUGARTEN(アウガルテン)〉/オーストリア

AUGARTEN(アウガルテン)/オーストリアのカップアンドソーサー

1718年創業。世界初の磁器製コーヒーカップを作った皇室直属工房。刻印は王家の紋章。

3. 〈大倉陶園(おおくらとうえん)〉/日本

大倉陶園(おおくらとうえん)/日本のカップアンドソーサー

1919年創業。磁肌のなめらかさが特徴。伝統柄をモダンに描く「赤市松」のデミタス。

4. 〈Richard Ginori(リチャード ジノリ)〉/イタリア

Richard Ginori(リチャード ジノリ)/イタリアのカップアンドソーサー

1735年創業。アマデウス生誕100年記念で作られた「アマデウスブルー」。レアな逸品。

5. 〈Bing & Grøndahl(ビング・オー・グレンダール)〉/デンマーク

Bing & Grøndahl(ビング・オー・グレンダール)/デンマークのカップアンドソーサー

1853年創業、通称B&G。人気の「クリスマスローズ」シリーズは持ち手もエレガント。

6. 〈BERNARDAUD(ベルナルド)〉/フランス

BERNARDAUD(ベルナルド)/フランスのカップアンドソーサー

1863年創業。リモージュ地域最大の窯。手描きの小花柄が魅力の「シャトーブリアン」。

7. 〈HAVILAND(アビランド)〉/フランス

HAVILAND(アビランド)/フランスのカップアンドソーサー

1842年創業。リモージュ地方の名窯。ブローニュの森が題材の「ヴューパリ」シリーズ。

8. 〈PORSGRUND(ポシュグルン)〉/ノルウェー

PORSGRUND(ポシュグルン)/ノルウェーのカップアンドソーサー

1885 年創業の老舗メーカー。ノルウェー王室でも使われている磁器は、錨(いかり)の刻印も魅力。

9. 〈ROYAL WORCESTER(ロイヤル ウースター)〉/イギリス

ROYAL WORCESTER(ロイヤル ウースター)/イギリスのカップアンドソーサー

1751年創業。現存する英国最古の窯。果物を描く「イブシャムゴールド」は代表的な柄。

教えていただきました
新名聖治
(〈アンセーニュダングル 原宿店〉店長)

しんめ・せいじ/10年ほど前より原宿店店長を務める。店の濃いコーヒーに合う小さなカップを日々探し中。「100㏄入るものが理想。小さいほうが絵柄もギュッとしてかわいいんです」

「器は喫茶店の表現です」そう語るのは〈アンセーニュダングル 原宿店〉の店長、新名聖治さん。1975年から続く老舗喫茶店の棚には、品のいいカップ&ソーサーが静かに並んでいる。

「50年前にオーナーが、フレンチスタイルの濃いコーヒーをおいしく飲める場所を、と考えたのが店の始まり。理想の空間を作る表現のひとつとして、海外のロイヤルブランドや名窯のカップを集め始めたんです」

そんな新名さんいわく、「ソーサー裏の刻印で国やブランドがわかります。ウチは〝見てもいいですよ〞と伝えています」。

例えばこの店で最も多く使われているのはデンマーク〈ロイヤル コペンハーゲン〉の磁器。制作年が刻印の周囲の〝線〞の位置で示されていたり、古いものは刻印自体が異なったりと、マニア心がくすぐられる。

「持ち手の形や〝白〞の色合いも見どころですが、眺めるだけではいけません。カップは使ってこそ。コーヒーが入った姿が美しいものが良いカップです」

information
アンセーニュダングル 原宿店

住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷3-61-11 B1
TEL:03-3405-4482
営業時間:10:00~21:00
定休日:無休
席数:40席

1975年創業。デザイナーの松樹新平によるフレンチスタイルの内装は、その後の喫茶店の定番にもなった。ブレンドコーヒー700円、ガトー・フロマージュ600円。

※記事内に特段の記載がない場合は禁煙店です。
※20歳未満の方は喫煙可能エリアへは入ることができません。

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