親になったからこそ見えた世界がある。母になって掴んだ、6人の転機とは?
2020.08.02

第18回 ハナコと考えるSDGs 親になったからこそ見えた世界がある。母になって掴んだ、6人の転機とは?

最近よく耳にするようになったSDGs(Sustainable Development Goals)という言葉。「持続可能な開発目標」と訳され、2030年までに“誰一人取り残さない”よりよい世界を目指して17の国際目標が掲げられています。それは政府や企業の頑張りだけでなく、私たちがもっと意識して毎日を“変えて”いくための課題でもあるのです。そこでハナコは、SDGsについて読者のみなさんと考える特集を企画しました。今回は、子育ても仕事も自分らしく頑張る女性にお話を聞きました。自分と家族の未来を選びとってきた彼女たちの生き方は、明日へのヒントとなるかもしれません。
編集部
編集部 / Hanako編集部

「東銀座にある編集部からお届けします!」

編集部さんの記事一覧 →

自分の人生を決めるのはいつだって自分自身。

子育てがもたらす喜びは大きい。それは紛れもない事実だけれど、そこに〝働く〞が加わるとどうだろう?取捨選択に追われ、ときどき大切なことを見失いそうになる。そんな状況でも自ら選択肢をつくり、掴み取った女性もいる。どんなふうに人生を歩んできたのか、話を聞いてみた。

松永玲子さん

松永玲子さんは、「子どもを産むまでは周囲の価値観から外れないように生きてきた」と話す。幼い頃からフォトグラファーに憧れつつも気持ちに蓋をしていたが、のびのび生きる娘を見て、挑戦する勇気を得たそうだ。一時保育を利用し、学校で子どもたちの日常を撮るスクールフォトの仕事を始めた。「やっと自分の気持ちに素直になれた。原点に還れたと感じています」と松永さん。

土屋絵美さん

もっと軽やかに生きられたら、と誰しも思うことがあるだろう。土屋絵美さんはそれを体現している。「夫の転職で自分も転職したり、海外へ移住したり…。キャリアを築けないことに焦りがありました」一方、変化に富んだ生活は土屋さんの柔軟性を高めた。「仕事も家族も大切にするために、自分の時間をコントロールしたい」そう考えて、フリーランスとして働きたいと思うように。現地の情報を旅行サイトに投稿したことをきっかけに、フリーライターとなる。帰国後は、ママ友の紹介で、チームを作り、リモートで働く地域コミュニティを運営する〈代官山ひまわり〉に所属。置かれた環境を大切にすれば、訪れる変化に柔軟に対応できると気がついた。

梅原志帆さん

培ってきたものにさらに磨きをかけた人もいる。出産前から英語を教え続けている梅原志帆さんは産後、教え方を短期集中型に変えた。「出産を経て時間の価値を知りました。短期で成果が出れば、生徒のその後の人生がより豊かになると思っています」そうして、夫と協力し、子育てと並行してコーチングスクールへ。互いの価値観を尊重し、背中を押してくれる夫の存在は大きい。

米澤可奈子さん

「家族という存在ができて、やっと自分のやりたいことがわかった」と話すのは米澤可奈子さん。3人の子どもを育てながら、フードスタイリストとして活動している彼女は、子育てをする中で〝食〞への関心が高まった。子連れでレッスンに通いマクロビオティックを学び、で発信するうちに少しずつ仕事が増えていった。「家族がいるから、自分に軸を持てました」と米澤さん。

漆畑香果さん

学生結婚し、卒業後に出産した漆畑香果さん。同級生がキャリアを積んでいく中、働いたことのない自分に焦り、ハンドメイドアクセサリーの販売を始めた。出産を回経験してようやく、「働くことは遅いか早いかの違いなのに自分を追い詰めていた」と思うようになった。育児によって生まれたコンプレックスを育児が解消してくれた。漆畑さんは、「やっと自分の人生が始まったように感じるんです」と明るい表情を見せる。

山本絢さん

居心地の良い場所がないならつくってしまおう!という思いで行動したのは、〈和風ジェラートおかじTOKYO〉を経営する山本絢さん。夫の実家の倉庫を改装し、2016年に店をオープンさせた。以前はスクールカウンセラーとして働いていた彼女。「飲食もカウンセリングも、人と関わって気持ちがほぐれるという点では同じだと思うんです」と、一見無関係な事柄に繋がりを見出した。

共通点は、出産を機に人生を振り返り、ポジティブな視点で世界をもう一度捉え直していること。他者と比べず、自分自身を裏切らない生き方を選んだ。社会の仕組みが追いつくのはもう少し先かもしれないけれど、私たちには欲しい未来を自らつくっていく力がきっとあるはずだ。

Navigators

母コラム

(左上から時計回り)
■梅原志帆(うめはら・しほ)/英語コーチ。1981年生まれ。19歳で単身NYへ渡り、大学卒業後は現地企業に就職。会社員を経て、英語講師として独立し、7年間活動した後、2018年に出産。2019年より英語コーチとして活動を開始。

■土屋絵美(つちや・えみ)/ライター・NPO法人代官山ひまわり事務局員。1982年生まれ。2児の母。航空会社に勤務後、広告代理店へ転職。その後シンガポールへ移住し、現地でライターに。帰国後は〈代官山ひまわり〉の事務局員も兼務。

■松永玲子(まつなが・れいこ)/フォトグラファー。1987年生まれ。エンジニアとして勤務し、2018年に出産。フォトグラファーとして、スクールフォトや出張での家族撮影のほか、ZINEの制作も行う。Instagram:@reiko___matsunaga

■米澤可奈子(よねざわ・かなこ)/フードスタイリスト。1986年生まれ。3児の母。フードスタイリングや、お料理教室「米澤食堂」で活動中。キュレーションサイトikumamaのディレクションも務める。Instagram:@kanako_yonezawa

■漆畑香果(うるしばた・こうか)/アクセサリー作家。1992年生まれ。大学在籍時に結婚、卒業後出産。出産を機にネットでアクセサリー販売を開始する。その後休止期間を挟み、現在3児の母。仕事の再開に向けて準備中。

■山本絢(やまもと・あや)/〈和風ジェラート おかじTOKYO〉経営者。1979年生まれ。2児の母。心理カウンセラーとして勤務する傍ら、飲食店で経営のノウハウを学ぶ。第一子出産後の2016年、自身の店をオープン。

SDGs目標5「ジェンダー平等を実現しよう」について。

昨年、国際労働機関(ILO)が発表した日本における女性の管理職比率は、全世界平均27.1%に対してわずか12%。この国は女性にとってまだまだ働きにくい環境だといえます。今後、世界中が一丸となって、女性の力をもっと引き出せるような取り組みが進められていく中、私たちも自分の働き方についてポジティブに見つめ直す良い機会なのではないでしょうか。
Hanakoは“わたしらしく働く”ことをあきらめない、女性のストーリーを紹介します。

(Hanako1184号掲載/illustration:Nodoka Miyashita photo:Takehiro Goto , MEGUMI, Yoshiki Okamoto text:Makoto Tozukai, Rie Hayashi, Narumi Sasaki, Rio Hirai edit:Rio Hirai)

今月のスペシャル

いまこそ免疫UP!働く女子こそ知っておきたい“腸活”特集いまこそ免疫UP!働く女子こそ知っておきたい“腸活”特集
TOPに戻る