娘から父へ…おいしい日本酒おしえます! 『伊藤家の晩酌』~第十三夜1本目/日本酒の容器が変わった!?「PET 来福 純米吟醸」~ LEARN 2020.05.24

弱冠23歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入! 酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは? 第十三夜の1本目は、ペットボトルに入ったプレミアムな日本酒。
(photo:Tetsuya Ito,Minami Murata , Ding Ding illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita)

第十三夜1本目は、まろやかな甘みが口いっぱいに広がる「PET 来福 純米吟醸」。

父・徹也(以下、テツヤ)「お、何これ!?」
娘・ひいな(以下、ひいな)「これペットボトルなの」
テツヤ「軽いねぇ」

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ひいな「でしょ? 実はね、20歳になってお酒を飲み始めてから、四合瓶を3本、家までの道中で割ってるの。そのうちの2本は前回紹介した『鶴齢』で、電車の中で手がすべってぶちまけちゃった……」
テツヤ「え〜! まじか」
ひいな「電車のなかで流れ出す日本酒……」
テツヤ「(笑)。酒の匂いがやばそうだな」
ひいな「すっごいいい香りしてた(笑)。もう1本もね、夜、お母さんと家で飲もうと思ってた帰り道、楽しくてぶらんぶらんお酒の入った袋を振りながら帰ってたら、家までもう少しっていうところでガシャンと……」
テツヤ「俺も同じことやったことあるよ」
ひいな「ほんと? 親子だね(笑)」
テツヤ「俺は本当に貧乏で食えない時、週に1回、980円のワインを買って家で飲むのが楽しみでさ。小さいひいなを抱っこして近くのスーパーにチリワインを買いに行って、競馬新聞片手に飲むぞ!ってウキウキして帰ってる時に、電信柱にぶつけてガシャン!」
ひいな「あぁー。わかる。楽しみにしてる時のお酒ほど手をぶらぶらさせちゃうんだよね」
テツヤ「そうそう。でもそれ、コーヒーフィルターで濾して飲んだけどね」
ひいな「え、飲んだの?(笑)」
テツヤ「だって金なかったんだもん(笑)」
ひいな「もったいないもんね。楽しみで楽しみでしょうがないお酒を、家を目前にして割った時に悲しみったらないじゃない」
テツヤ「ないね〜。がっくりくるよね」
ひいな「そんな私たちにぴったりなのが〈はせがわ酒店〉が企画開発したペットボトル入りのお酒なの」
テツヤ「なるほど〜! 絶対割れないんだな」

強く握っても大丈夫!(父・テツヤの筋肉に注目)
強く握っても大丈夫!(父・テツヤの筋肉に注目)

ひいな「割れません! どれだけ落としても、ぶんぶん振っても大丈夫! しかも、軽い」
テツヤ「四合瓶と同じ720mlとは思えない軽さ!」
ひいな「ペットボトルにほんのり色がついてるんだけど、香りを保ちつつ、酸化を防いで、新鮮な状態を保てるらしくて。日本酒に採用される前は、焼肉のたれとか醤油に使われてたんだって」
テツヤ「これは酒の色じゃなくて、ペットボトルに色がついてるんだな」
ひいな「そう」
テツヤ「だいぶ熟成されてるのかなと思ったよ」
ひいな「思うよね(笑)。このペットボトルが開発されたことによって、瓶と遜色なく保存できるようになったみたい。さらに、軽量性と耐久性と経済性もあって。〈はせがわ酒店〉では4種類発売されてるんだけど、この『来福』はもともとすごく好きなお酒でね、本当にいいお酒なんだよ。これは純米吟醸」
テツヤ「純米吟醸がペットボトルか、すごいな」
ひいな「すごいよね。『来福』はね、花酵母で有名な酒蔵なの。個性がある味わいですごく好き」
テツヤ「ペットボトルの『来福』、どんな味なんだろうね。飲んでみよう!」

テツヤ&ひいな「乾杯!」

テツヤ「ペットボトルの酒のイメージってさ、新幹線の中で飲むイメージない? 安っぽいイメージがどうしてもあったけど、これは……!」
ひいな「おいしいでしょ?」
テツヤ「相当うまいよ。もともと飲んでた来福とは違う?」
ひいな「ううん、変わらないと思う。最初はね、正直なところペットボトルってどうかな?と思ってたんだけど。でも、口当たりのまろやかさはぜんぜん変わってない。わたしが飲んだ感想は、口当たりがまろやかで、香りが直にくる感じじゃないけど、後味にバナナの風味があるような。どう?」
テツヤ「バナナ感、あるね!」

「PET 来福 純米吟醸」に合わせるおつまみは、大人気の缶詰「ホテイのやきとり たれ味」。

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ひいな「前にお父さんがさ、やきとり缶、いつかおつまみで出したいねって言ってたじゃん。今回だ!と思って」
テツヤ「たれ味だと思わなかったよ……」
ひいな「塩味だと思った?」
テツヤ「ブルーの缶の塩味だと思ってた!」
ひいな「ホテイのやきとり缶をお父さんから教えてもらって、たれ味と塩味があるって聞いて(ライター注:塩レモン味、うま辛味、ガーリックペッパー味、柚子こしょう味もあるそうです)。今回どうしてたれ味にしたかっていうとね、焼き鳥を食べてほしいんじゃなくて、このたれの煮こごりっていうの?」
テツヤ「はいはい。まわりのぷるぷるのところね」
ひいな「そことお酒が抜群に合うと思ったんだよね。たとえば、煮魚の次の日の煮こごりでもいいし、そこの部分とお酒を一緒に食べてみてほしい!」

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テツヤ「ここぷるんとしたとこだよね。うまいねぇ」
ひいな「わたし、23年間生きてきて、初めてやきとり缶を食べたの」
テツヤ「まじで!? ほんとごめん。親としての責務を果たしてなくて……」
ひいな「そんなことないけど(笑)。やきとり缶の甘いたれと『来福』の甘さがうまく調和してるな〜って」
テツヤ「ひいな、ごめん。俺、やきとりは塩味が最高だと思って、ぜんぜん冒険してなかったわ」
ひいな「たれ味を食べてみてどうだった?」
テツヤ「ホテイのやきとりは青い塩味が最高だと思ってたから、最近ほとんどたれ味を食べてなくて。高校生ぐらいまで遡らないとたれ味を食べた記憶ないもんな」
ひいな「どういうシチュエーションでやきとり缶を高校生で食べてたんだろう(笑)」

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テツヤ「まあまあ(笑)。たれ味と酒を合わせると、確かにうまい!」
ひいな「このたれの甘さ加減が絶妙だよね」
テツヤ「甘辛のね。みんなが好きな味だよね。めちゃくちゃ『来福』と合うわ」

ペットボトル日本酒によって、持ち運びも楽に。飲む場所がどんどん広がる。

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テツヤ「どうしてペットボトルで酒を出そうと思ったんだろうね」
ひいな「やっぱり持ち運びじゃない? だって、ラクだなと思ったよ。スタジオに持ってくる時なんのストレスもなかったもん」
テツヤ「割れちゃうかな?とか考えなくてもいいってことだもんな。瓶ってやっかいだよね」
ひいな「重いし、割れちゃうし、3本も割ってるわたしにとってはありがたい」
テツヤ「山登りとかに持って行ってもいいよね」
ひいな「ね。お花見とかピクニックとか、外で飲む時にも便利だよね」
テツヤ「やきとり缶と合わせて、アウトドアに最高じゃない!」
ひいな「たまんないね。でもさ、伊藤家ではペットボトルを買うことを控えてるじゃない?」
テツヤ「ペットボトル買ったの、今年はまだ1本だけだもんな」
ひいな「家族みんなマイボトル使ってるしね」
テツヤ「環境問題に気をつけたいと思ってるからね。って、そう言いながらジープに乗ってるんだけどさ(笑)。1リッターで5kmしか走らないジープに乗ってるかるからこそ、せめてもの罪滅しとして、ゴミを捨てないようにしようっていうね」
ひいな「お酒の瓶みたいに、ペットボトルもきちんとリサイクルされるはず!」
テツヤ「ね」
ひいな「マイボトルみたいに、お酒をそのまま入れてもらえたらいいのになってずっと思ってて」
テツヤ「昔の酒屋さんはそうだったんだよ。樽から空瓶に入れてもらってさ」
ひいな「前に住んでた家の近所の酒屋さんがね、タンクごと仕入れてて日本酒を量り売りしてくれるところがあったの!」
テツヤ「なんで教えてくれなかったんだよ! 俺も行ってみたかった!」

お父さん、隠しててごめんなさい。
お父さん、隠しててごめんなさい。

ひいな「隠しておきたかった(笑)」
テツヤ「なんで隠すんだよ! なんで引っ越してから言う?」
ひいな「(笑)。そういうところがもっと増えてってほしいなと思って。瓶からペットボトルに変化を遂げて、さらにマイボトルの時代へ戻ったらいいなと思って」
テツヤ「そうだな。それにしても先入観ってすごいなぁ」
ひいな「ね。ペットボトルだから安っぽいとか考えちゃうけど、その概念を覆したいと思って、今回紹介したくて」
テツヤ「本質を知ってくれ、と」
ひいな「そうそう。蔵元の方はペットボトルだろうと瓶だろうと、造る思いは変わらないから」
テツヤ「そりゃそうだよな。関係ないよな」
ひいな「蔵元さんの造る思いとか、コンセプトは変わらずに、それがペットボトルで安く味わえて耐久性もあるなら」
テツヤ「言うことなし!」
ひいな「だよね!」

→次回:6月7 日(日)更新予定

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