なぜ黒いビニール袋が必要?防災リュックに入れるべきアイテム40選

なぜ黒いビニール袋が必要?防災リュックに入れるべきアイテム40選
なぜ黒いビニール袋が必要?防災リュックに入れるべきアイテム40選
LEARN 2025.04.28
自分の身は自分で守ることが重要。避難所に行くことになったとき、防災リュックは不測の事態に備える基本的な防災アイテム。東日本大震災をきっかけに防災士になった熊田明美さんの防災リュックと必携40アイテムを拝見。
photo_Keizo Iwamoto text_Emiko Shinozaki
教えていただきました
熊田明美
熊田明美
防災士・整理収納アドバイザー

くまだ・あけみ/東日本大震災をきっかけに、整理と防災を学び始める。現在は、片付け、防災、お掃除に関する講演やセミナーを開催。https://www.nicelife-sbs.com/

停電、断水、建物の倒壊……。大災害は命の危険に直結するうえ、私たちの日常を奪い去る。防災リュックには、災害で起きうる危険や不便、不足を想定し、避難所で数日間過ごすためのものを入れよう。怪我の応急処置ができるもの、避難所での健康管理をするもの、排泄や生理に関係するもの、暑さ寒さの対策、情報収集ができるものなど。防寒、防風、目隠しなど。何かと応用できるのが45ℓのゴミ袋。手ぬぐいも包帯やストールなどにも使えて重宝する。「防災リュックは、一人一つが基本。誰もが備えるべきものに加え、自分に必要なグッズでカスタマイズしてください」(熊田さん)

体調管理グッズ9選

非常時は体調管理が何より大切。密になりがちな空間での感染予防対策の徹底と清潔な体をキープしたい。

1. マスク

防災グッズで必要なマスク

コロナ、インフルエンザなどの感染症対策は、自分を守るだけでなく、避難所にいる家族やほかの人のためにも必須。病院に行かないために普段より感染対策を強化したい。

2. 使い捨てカイロ

防災グッズで必要な使い捨てカイロ

避難所の暖房はないことも。体温の低下はどんな年代であっても避けたいので、使い捨てカイロを数枚。使用期限が切れていないかをチェックしておこう。

3. 非常食

防災グッズで必要な非常食

栄養も水分も摂れるドリンクゼリーや、食べやすいプロテインバーなど、数種類セットする。常温保存できるものを日頃から食べてみて、おいしいと感じるものが良い。

4. 長期保存飲料水

防災グッズで必要な長期保存用水

500㎖のミネラルウォーターを各自2本ずつ。熊田さんは、消費期限を管理するのがラクな防災備蓄用の長期保存水をリュックに入れているが、好みの水でもOK。

5. 薬・絆創膏

防災グッズで必要な薬

日頃から欠かせない持病の薬、目薬、頭痛や腹痛などの自分が起こしがちな不調用に痛み止めや酔い止めも。すり傷、切り傷などの応急処置のための絆創膏も数枚入れよう。

6. 体温計

防災グッズで必要な体温計

非常時だからこそ体調管理をしっかりと。震災時にはドラッグストアなども開いていないし、ネットでの買い物はできないので、健康管理アイテムは必ず防災リュックへ。

7. 扇子

防災グッズで必要な扇子

暑い時季には、少しでも涼しくいられる工夫をしたい。団扇(うちわ)もいいが、コンパクトな扇子の方が携帯しやすい。携帯扇風機の場合は、充電グッズも用意。

8. 冷感タオル

防災グッズで必要な冷感タオル

熱中症対策として、暑い季節は首に巻くだけでひんやりする冷感タオルを1枚、リュックの中に入れておきたい。寝るときは顔の上にのせてアイピロー代わりに。

9. 折りたたみコップ

防災グッズで必要な折りたたみコップ

ペットボトルから直飲みすると、細菌が繁殖してしまう可能性があるのでカップを使いたい。このカップがあれば、1本の飲み物を人とシェアできる。ペタンコになる。

衛生管理グッズ11選

お風呂に入ることができなくても、ウエットタイプのボディタオルなどで拭き取ることができれば清潔は保てる。

1. ティッシュペーパー

防災グッズで必要なティッシュペーパー

外出時のバッグにはポケットティッシュを入れておきたいが、防災リュックにはノーマルサイズを。リュックに余裕があればトイレットペーパーも多めに持っているのが○。

2. ボディタオル

防災グッズで必要なボディタオル

断水などでシャワーを浴びることができない。そんなとき、大判(560×280㎜)で厚手のボディタオルでさっぱりと。ウエットタイプで使用期限が5年と長い。

3. 防災用ウエットティッシュ

防災グッズで必要なウェットティッシュ

特殊なフィルムによって、7年間保存できる抗菌ウエットティッシュ。拭くだけで除菌できるティッシュがあれば手指や汚れたグッズを清潔に保てる。ノンアルコール・無香料。

4. 生理用品

防災グッズで必要な生理用品

下着を取り替えられない、体を洗えないなどを想定して、生理用品やおりものシートなどを準備。避難所で必要な人に分けることもできる。生理用パッドは止血時にも。

5. 歯ブラシ

防災グッズで必要な歯ブラシ

口腔内を清潔に保つことが感染症への予防にもつながる。緊張が続く災害時だからこそ、歯をきちんと磨いて心を落ち着けよう。普段使っているタイプを各自1本。

6. 歯みがきシート

防災グッズで必要な歯磨きシート

普段意識している人は少ないが、災害が起きると水は貴重なものに。水なしで、拭き取るだけで汚れが落とせる歯みがきシートはとても便利。高齢者や子どもにも。

7. 下着類

防災グッズで必要な下着類

パンツ1枚とブラトップ1枚、靴下1足を袋に入れておこう。避難するときの服装は体のラインが出ないユニセックスなものにしておきたい。服装も防災意識を。

8. ウォッシュバッグ

防災グッズで必要なウォッシュバッグ

汚れもの、水、洗剤を入れてシャカシャカ振るだけで洗濯ができる。排水するときはバッグの下に付いているキャップを外す。持ち手が付いているので、水の持ち運びにも。

9. 簡易トイレ

簡易トイレ

水が流せない、エレベーターや電車・バスに閉じ込められた…、などトイレの問題は必ず起きるので、携帯しておくべきマストアイテム。使用後のトイレを入れる袋もセットで。

10. ドライシャンプー

ドライシャンプー

断水が長引く可能性もあるので、水を使わなくても頭皮や髪のベタつきをスッキリさせる手袋型のドライシャンプー。スプレータイプやシートタイプもある。

11. スキンケアシート

スキンケアシート

停電や断水が続くと、顔や体が汚れていても洗うことができない。化粧水を染み込ませた無香料・ノンアルコールのシートがあれば、汗や汚れをサッパリと落とせる。

安眠対策グッズ2選

騒然とした避難場所でも、睡眠はできるだけ取りたい。そのためには背中や腰が痛くならないためのシートを。

1. エアーマット

防災グッズで必要なエアーマット

避難所の床は硬い可能性が高いので、背中や腰が痛くなるかも。そんなときは広げて使えるエアーマットを敷きたい。防寒にもなって体温の低下を防いでくれる。

2. 簡易寝袋

防災グッズで必要な簡易寝袋

たたんでいるときはコンパクトだが、ラクに大人が入れる大きさの寝袋。避難所の硬く冷たい床でも寝袋があれば暖かい。自宅でもどんな寝心地か試してみよう。

応急処置グッズ3選

ちょっとした怪我などでは病院に行くことは難しくなる。傷を負ったら素早く処置ができるアイテムを。

1. 防災手ぬぐい

防災グッズで必要な手拭い

手ぬぐいのさまざまな使い方がイラストで描かれている防災手ぬぐい。包帯として、寒いときのストール代わりとしても。軽くて乾きやすいので、タオルよりも手ぬぐいを。

2. アウトドアテープ

防災グッズで必要なアウトドアテープ

粘着性が高いが手で切れる。メモを貼ったり、シートを広げて留めたりするときにも。また止血や骨折箇所に添木を当てるなどさまざまなシーンで使うことができる。

3. ソーイングセット

防災グッズで必要なソーイングセット

避難するときに裂けたり破けたりした服も、糸と針があればササッと繕える。小さなほころびであっても、閉じておくことが体温の低下を防ぐことにつながる。

情報収集グッズ5選

1. 多機能ラジオ

防災グッズで必要な多機能ラジオ

災害時や停電時に災害情報を受信するためには「防災ラジオ」が必要だ。ソーラー充電、手回し充電ができてLED 懐中電灯付き。USBケーブルで携帯への充電もできる。

2. イヤホン

イヤホン

イヤホンはラジオと必ずセットで持ちたいもの。避難所でもほかの人に迷惑がかからない。避難する時間が長引く場合も、音楽を聴くことがリラックスにつながる。

3. USBケーブル

ケーブル

スマホへの充電は災害時の大きな課題。防災ラジオからの充電、あるいは避難場所の発電機や蓄電池からの電源の共有のためにUSBケーブルを忘れずに携行しよう。

4. 筆記用具

筆記用具

緊急事態では、さまざまな情報が錯綜(さくそう)、自分自身も混乱しがちなので、なんでもメモをしておき、頭を整理したい。また家族への伝言などにも小型のノートとペンが役に立つ。

5. 防災マップ

防災マップ

自治体が出している防災マップには避難経路、避難所などが示されている。プリントアウトして家族全員がそれぞれ携帯し、緊急事態発生時に見られるようにする。

怪我防止グッズ2選

災害時は何よりも怪我をしないよう心がけたい。慎重な安全確認と共に、手や足などを傷つけないアイテムを用意。

1. 軍手

軍手

できれば避難するときから軍手をはめること。大地震などではさまざまなモノが壊れて散乱し、凶器になる可能性が高い。軍手1枚が手の冷えもカバーしてくれる。

2. スリッパ

スリッパ

避難所までの移動は歩きやすいスニーカーで、避難所に着いたら靴を脱いでスリッパに履き替える。衛生の観点から素足はやめて。裏に滑り止めが付いているタイプを。

暗闇対策グッズ2選

停電時は、ソーラーライトや、ヘッドライトなどを活用。吊り下げられる灯りは、手元での作業にも適している。

1. ソーラーライト

ソーラーライト

手のひらにのる大きさ。ソーラーパネルが2枚あり、太陽光で充電。停電時の手元を明るくし、スマホへの充電も。エコにつながるので日常でも使い慣れておきたい。

2. ヘッドランプ

ヘッドランプ

暗い中を避難しなくてはならないとき、また手元を照らして作業したいときは、両手が使えるヘッドランプが便利だ。USB充電ができるタイプを選ぶのがコツ。

汎用・転用グッズ2選

想定外のことが起きるかもしれない。なんとか切り抜けるために、持ち物の「応用」までを考えておくことが必要だ。

1. ゴミ袋

ゴミ袋

災害時にゴミ収集車は来ないと心得ておこう。汚れたもの・壊れたものなどを放置しないようにするためにも住んでいる自治体のゴミ袋を用意しておきたい。

2. ゴミ袋(黒)

ゴミ袋

頭や脚を出せるようにハサミで切って体を入れたり、横になるときに敷いて暖を取ったり。簡易トイレを使うときは、このゴミ袋で体を隠しながら用を足すようにしたい。

3. ベンリーポンチョ

ベンリーポンチョ

大雨・台風にはポリエステル製のポンチョを。撥水性・防風性が高い。トイレの際の目隠しにも使える。服の上からこれを1枚被るだけで暖かいので寒さ対策にもなる。

4. レインコート

レインコート

強風、大雨の場合、傘は役に立たない。とくに風が強いときに傘を差していると煽られたり、飛ばされてしまったりして危険なので、100 均でも購入できるレインコートを。

いざというときのグッズ2選

自販機、コンビニでの買い物などに、電子決済はできない可能性が高い。小銭と数枚の千円札を携帯したい。

1. 小銭

小銭入れ

停電しているとスーパーやコンビニのレジは使えないから現金のみ。また公衆電話をかけるときのために、一円玉から五百円玉まで計3,000円の小銭と千円札を持っておこう。

2. 個人情報に関わる書類

個人情報が入ったポーチ

避難所では、サコッシュに大切なモノを入れて携帯する。身分証明書(免許証・マイナンバーカード・保険証)、銀行口座、家族の連絡先一覧をコピーして入れておこう。

持ち運びに

両手が空くリュックがオススメ。必要なモノをリュックに入れたら実際に担いでみよう。だいたい6、7キロを目安に。

バッグ

防災バッグ

熊田さんは、非常用持ち出し袋として、防水・防炎の加工がされているリュックを購入。「火事で避難するとき延焼が怖いので防炎タイプを。持ち手には笛を付けています」

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