東京喫茶店研究所二代目所長・難波里奈さんがナビゲート。 今、行っておきたい、文化遺産的喫茶店。#2
わざわざ足を運ぶ価値のある郊外店。 FOOD 2023.05.26

次々と消えつつある、古き良き昭和の純喫茶。店が紡いできた歴史と物語、人々の想いこそ、「文化遺産」そのものだ。そこで東京喫茶店研究所二代目所長・難波里奈さんが、喫茶店ラヴァーにはおなじみのお店、ビギナーも存分に楽しめるお店を厳選。「少なくなった一軒家タイプの店が残るのが郊外店。絵本から飛び出してきたような洋風の外観や大きな窓、趣のあるディスプレイにも注目してください」

文化遺産的喫茶店3選

1. 清瀬〈Coffee House るぽ〉

店は2フロアで、天井高が十数メートルある開放的な空間だ。豆はフルーティなマイルドコーヒー(500円)をはじめ約20種類。すべてマスターが焙煎しており、開店から35年経ついまでもおいしい一杯を探求する日々だそう。駅からは徒歩約20分。

2. 京成津田沼〈珈琲屋からす〉

現店主の両親が1963(昭和38)年に開店。随所に飾られた雑貨はお客さんからの贈りものも多く、長年愛されてきたことが窺える。ほんのり苦みが残る中煎りのブレンド(450円)は、創業時から変わらない味。

3.国分寺〈名曲喫茶 でんえん〉

96歳のマダム・新井富美子さんと娘さんが営む。地方からマダムに会いに来る人も多いそうで、ご本人は「健康でいるうちは続けたい」と笑う。米蔵を改装した趣深い建物をはじめ、亡きマスターが集めた骨董、洗面器をDIYしたライトなどユニークなインテリアも魅力。

photo:Kenya Abe, Chihiro Oshima, Natsumi Kakuto text:Wako Kaneshiro, Moe Tokai, Ami Hanashima, Yoshie Chokki edit:Yoshie Chokki

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