“世界最高のバー“が実践する、良いバーの条件12【2025年最新版】

“世界最高のバー“が実践する、良いバーの条件12【2025年最新版】
お酒の新常識をもっと知りたい
“世界最高のバー“が実践する、良いバーの条件12【2025年最新版】
CULTURE 2025.10.28
ここ数年で大きく変化したバーの世界。味の追究はそのままに、間口が広くフレンドリーな店が増えている。今、目指したいバーの形とは? 世界最高のバーを決める「The World’s 50 Best Bars」に今年ランクインした〈THE BELLWOOD〉ご紹介します。
photo_Masanori Kaneshita text_Kei Sasaki

1. 至高の一杯と向き合えるカウンターがある。

世界のベストバー50にされたTHE BELLWOOD

カウンター下の壁は、パープルが基調。日本の古い建具なども用いた和洋折衷のインテリア〈THE WHOLEDESIGN INC.〉の杉山敦彦さんが手掛けた。

2. オープンな雰囲気、入りやすいエントランス。

世界のベストバー50にされたTHE BELLWOOD

渋谷駅から少し離れた、個人店が立ち並ぶ路地の一角。気候がいい時期は、入口も開け放って、オープンに。隣に系列店のカクテル中華〈BW CAVE〉もある。

3. 酒と食の可能性を追求している。

世界のベストバー50にされたTHE BELLWOOD

特別な食体験ができる一角。

4. 知識と技術、サービスが一流。

世界のベストバー50にされたTHE BELLWOOD

オーナーバーテンダーの鈴木さん。「古き良きバーへの敬意、憧れもあるけれど」と話しつつ、フレンドリーなサービスで。

5. 人に教えたくなるシグネチャーカクテル。

世界のベストバー50にされたTHE BELLWOOD

ウォッカをベースに自家製コンブチャを合わせた「ファンキーイースト」1,800円。

6. 捻りのあるバーフードでさらにお酒が進む。

世界のベストバー50にされたTHE BELLWOOD

スパイシーなチリコンカンが後をひく「火鍋ナチョス」1,100円。

7. 世界で評価されている。

世界のベストバー50にされたTHE BELLWOOD

世界のバーランキングにも選出。外国人ゲストも多い。

8. 仲間と会話も楽しめるテーブル席もある。

世界のベストバー50にされたTHE BELLWOOD

空間の多彩さも魅力。

9. 王道からクラフトまでスタンダードも美味。

世界のベストバー50にされたTHE BELLWOOD

話題のクラフトスピリッツや薬草酒なども揃う。

10. オリジナリティを生む自家製のフレーバー。

世界のベストバー50にされたTHE BELLWOOD

カクテルの味を深めるフレーバーウォーターなどを自家製。

11. ストーリー性のあるメニューがある。

世界のベストバー50にされたTHE BELLWOOD

メニューブックは花札のイメージ。

12. バーのおいしさを外へも広げる。

世界のベストバー50にされたTHE BELLWOOD

本格的なカクテルを自宅で楽しめるオリジナルクラフトハイボール缶も販売。「WAGYU&COLA」(左)など各1,600円。

「ハイクオリティでフレンドリー」が新常識。

お酒は好きだけれど「バーに行くのはちょっとハードルが高い」と感じている人は意外と多いよう。だが、東京のバーは今、どんどんアップデートされている。重たい扉の向こうがどんな空間かわからない、なんだか緊張感がある、メニューがなく値段が心配……。そんな昔の常識を覆す店が、若い世代からも支持を集めているのだ。シーンを象徴する一軒が2020年に開業した渋谷〈THE BELLWOOD〉。その魅力を探りつつ、新しいバーの形を紐解いていこう。

創立者の鈴木敦さんはニューヨーク、ロンドン、カナダなど世界各地で研鑽(けんさん)を積んだ国際派。権威あるカクテルコンペティションでも受賞歴のある世界的バーテンダーだ。日本に帰国後は、〝脱・オーセンティック〞で日本のバー業界に革命を起こした〈SG CLUB〉を運営する〈SG GROUP〉で活躍した後、〈THE BELLWOOD〉を開業。コロナ禍と重なったこともあり、業態は「マイナーチェンジを繰り返した」と話すが、店づくりの指針は一貫している。洋酒と、かつての洋食のようなハイカラな食が楽しめる大正時代の〝カフェー(喫茶)〞のような、文化人の社交場だ。

重厚なカウンターで、一杯の酒に向き合う。バーの嗜好性はそのまま、1階の通りに面した店は、外からも中のにぎわいがわかり、入りやすい。店内には〝小上がり〞をイメージした半個室もあり、フランクな店におけるエクスクルーシブな空間として機能している。2021年からは、完全予約制で創作寿司とカクテルペアリングを提供していて、外国人ゲストにも大人気だ。「海外のトップバーのフードクリエイションは目を見張るものがある」と、鈴木さん。寿司以外のバーフードも、例えば五香粉が香る「火鍋ナチョス」(6)など捻りのきいたものが揃い、カクテルとともに楽しめる。自家製の漬け込み酒やフレーバーウォーター、コンブチャなどの発酵ドリンクを駆使したオリジナルカクテル(5)とともに味わえば、唯一無二の味覚体験だ。

オープンで、居心地はよいのに、研ぎ澄まされた味の創造性があるスタイルは、世界的なバートレンドに通じる。実際〈THE BELLWOOD〉には世界からバーホッパーが訪れ、2025年10月には業界最注目のバーランキング「世界のベストバー50」で48位にランクインした。

価格が記載されたメニューを置く店も増えているが、メニューそのもののストーリーも、バーラヴァーの関心事になっている。〈THE BELLWOOD〉では、カクテルと懐石料理の一品に見立てた先付、焼き物、向付などのカテゴリーで紹介。花札を模したメニューブック(11)も、ページをめくる楽しさがある。

もちろん、スタンダードカクテルも任せて安心。バーの味を自宅でも楽しめるカクテル缶(12)の販売も見逃せない。

ここから、新時代のバーへの一歩を。その先に、より楽しいお酒の世界が広がるはずだ。

information
THE BELLWOOD

住所:東京都渋谷区宇田川町41-31
TEL:03-6452-5077
営業時間:18:00~翌2:00(フード23:00、ドリンク翌1:30LO) 
定休日:無休
席数:22席(べる寿司4席)

チャージなし、カクテル1,800円~。「べる寿司」は17:00~、19:00~、21:00~の完全予約制で12貫3ドリンク付き19,800円。

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