大阪の中之島・北浜はこう巡る!川沿い周辺のカルチャースポット5選 TRAVEL 2023.08.22

中之島〜北浜周辺には新旧のカルチャースポットが点在している。リバーサイドを歩きながら、ぜひとも立ち寄りたいスポットには、例えばこんなところがある。

20,000冊の本のジャングル。安藤建築の児童書文化施設〈こども本の森 中之島〉。

中之島〜北浜周辺には新旧のカルチャースポットが点在している。リバーサイドを歩きながら、ぜひとも立ち寄りたいスポットには、例えばこんなところがある。

2020年に開館した〈こども本の森 中之島〉は、安藤忠雄設計による児童図書の文化施設。シンプルな打ち放しのコンクリートや自然光の採り入れ方がやはり特徴的で、すでに世界から安藤ファンが詣でるスポットに。建物だけでなく、緩やかに流れる川がイメージされた流線形の本棚とその配置。加えて常時、映像展示のある円筒形の休憩室の小部屋などもあり、さながら館内は本に囲まれたジャングルのようだ。

将来的には外観をツタでまるごと覆うことを想定しているそうだから、川とともにある“森”化への景観形成も見逃せないところ。エントランスで一際目立つ青リンゴのオブジェのテーマは“永遠の青春”。つまりこの施設が年齢関係なく楽しめることが謳われているようでもある。ちなみにショップでは大阪名物「パインアメ」の施設限定のレアな青リンゴバージョンも。お土産にぴったりでは?

昭和初期のレトロビルで、見惚れるガラスの器たち〈RICORDO〉。

その南側の対岸、北浜は歴史的建造物が数多く現存するエリアとして知られている。中でも「芝川ビル」はその代表格。古代マヤ・インカ風の装飾があしらわれたビルの中にあるのが、ガラスの器などのセレクトショップ〈RICORDO〉だ。イタリア語で“記憶”の店名はまさにこのレトロビルに相応しい。眺めていると吸い込まれそうな、かすかな透明度の妙味は唯一無二。これらガラスのおぼろげな彩色は、霧やもやといった日本の風土ならではの空気感を表しているのだそう。

〈graf〉運営の複合空間。上質なアジアの生活雑貨も〈graf studio〉。

大阪市立科学館の南側に位置する〈graf studio〉。こちらは〈graf〉のフラッグショップで、オリジナルのインテリアをはじめ、同時代のライフスタイルに寄り添う国内外の雑貨などを扱う。高い天井の空間がなんとも清々しく、カフェは中之島散歩のコーヒーブレイクにもばっちり。土佐堀川を望む2階は〈graf〉の家具が設置された宿泊施設として運用されているが、随時ポップアップなどの催しも行われているから覗いてみてほしいところだ。

ユニークな一点物を。セレクト&ギャラリー空間〈NEW PURE +〉。

北浜の〈NEW PURE +〉はイラストレーターや陶芸家などのアーティストによる一点物の作品やハンドメイドのグッズを扱うショップ兼ギャラリー。店内に並ぶのはリメイクのアパレル、リトルプレス、オブジェ、とカテゴライズしづらい、言ってみれば趣味の店、なのだが、店主の大井秀人さんいわく「かわいいけれど、変なもの」がセレクトの基準。個性あふれるジャパニーズ・ポップアートを求めて、海外からの観光客も少なくないというのもうなずける。

リノベホテルのカフェでは手作りスイーツで一息〈Hotel Noum OSAKA〉。

中之島の東、江戸時代からの歴史がある八軒家浜船着場の対岸に立つのは〈Hotel Noum OSAKA〉。Noumは“野を生む”で、都市の中に自然を作ることがコンセプトのブティックホテルだ。館内には植物はもちろん、桜の木のエントランス扉、土壁のカフェラウンジ、楓の種子を模した木製シーリングファンなどもある、リバーサイドの自然と地続きのように仕立てられた快適空間。こちらのカフェでコーヒーとドーナツをテイクアウトして、目の前の南天満公園でクルーズ船や噴水を眺めながら、というのもおすすめ。このエリアならではのひと時がきっと味わえる。

photo : Yosuke Tanaka, Yoshiko Watanabe text : Yusuke Nakamura

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