日々の仕事もはかどるとか。 書き心地が神レベルなボールペン3本!人気番組作家・古川 耕さんが厳選。 LEARN 2019.12.02

ジャンルはなんでも、それを心から好きな人におすすめされると俄然興味が湧いてくる。未知との遭遇はいつだってワクワクするもの。構成作家・ライター、古川 耕さんの「偏愛」を、とくとお楽しみください。

心地よい書き味を知ったら“なんでもいい”じゃ済まなくなる。

古川 耕/構成作家、ライター。TBSラジオ『アフター6 ジャンクション』など人気番組を担当。「OKB(お気に入りボールペン)48選抜総選挙」主宰。投票はネットでも可能。期間は12/31まで。
古川 耕/構成作家、ライター。TBSラジオ『アフター6 ジャンクション』など人気番組を担当。「OKB(お気に入りボールペン)48選抜総選挙」主宰。投票はネットでも可能。期間は12/31まで。

仕事柄、書き物が多いんです。作業が少しでもはかどるようにと思って、新規の仕事がくるたびに文房具を新調するようになりました。ノートやペンって新しいものを買ったら使いたくなるじゃないですか。それで、安いものから高いものまでとにかくいろんなものを使うようになったんです。ボールペンに夢中になったのは、万年筆より手入れが楽で、鉛筆より書き心地が好みだったから。それが2007年頃で時期も良かった。当時「ジェットストリーム」と「フリクションボール」という文房具界に衝撃を与えた2つのボールペンが発売されたばかりで、僕の周りでは「筆記具のカンブリア紀」と呼んでいるぐらい。この2本の発売以降、さまざまなメーカーが競うようにボールペンを開発し、業界全体が盛り上がっていく。ボールペンのスペックの変化は素人にもわかるほどで、どんどんハマっていきました。集めるようになってすぐ、ラジオで特集を組んだところ、多くの反響をいただいて、僕だけじゃないんだと確信しました。2010年にはボールペンの人気投票企画(OKB総選挙)を始めたんです。48本全てを試し書きした上で投票できる「握手会」を開催したら、すごいマニアの人たちと出会いました。インクの匂いや手の甲への書きやすさを重視する人、試し書き用のオリジナルのノートを持参する人もいて。とにかく人それぞれこだわりがあって、なんて奥深い世界なんだと。

古川さんのボールペンコレクションの一部。昨年のOKB48総選挙に登場した48本がずらり。美しい収納方法からもボールペン愛が伝わってくる。
古川さんのボールペンコレクションの一部。昨年のOKB48総選挙に登場した48本がずらり。美しい収納方法からもボールペン愛が伝わってくる。

〝ボールペンはなんでもいい〞って思う人も一度いろんな種類を試し書きしてほしいですね。人間の手って想像以上に微細な差を感じ取ることができるから。手のフィット感や書き心地とか。気に入っ
たものが見つかると「なんでもいい」とはいかなくなる。ボールペンリテラシーが一気に上がるんですよ。

10年以上ボールペンにハマっていますが、どんどん新しいものが出てくるし、昔使っていたものを久しぶりに手にすると、やっぱいいなと思うこともあります。それに、座って書くのか、立って書くの
かによっても使いやすさは変わる。ふだんは3本以上違うタイプを持ち歩いていて、細かい文字で書きたいときは油性の0・5ミリ、とにかくスピード優先で走り書きしたいときはゲルタイプと使い分けてます。

これだけ熱く語っていますが、「書ければなんでもいいじゃん」っていうのも片側の正論だと思うんです。でも、靴一足で十分という人はいないように、僕にとってボールペンもTPOや気分によって選べるものでありたい。しかも100円台から買えるし、保管場所も取らない。趣味としてもかなりいいと思うんですよ。

書き心地は神レベル!なベストボールペン

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1.〈三菱鉛筆〉のジェットストリーム。ボールペンの歴史を変えた革命児。

OKB48総選挙8年連続1位に君臨する絶対的王者。油性らしからぬ軽い書き味で業界に衝撃を与えた。「12月にはペン先0.28㎜の超極細タイプが新発売。油性ボールペンでこの細さは画期的です」(古川さん、以下同)。愛用しているのはロフト30周年限定モデル(現在は発売終了)。

2.〈ゼブラ〉の「ブレン」期待の新人、ブレないボールペン。

低重心設計により、筆記時に感じる振動を制御し、安定した書き心地を実現。エマルジョンインクの滑らかな書き味も特徴。2018年末の発売後、約3カ月で累計販売本数100万本を突破した。「本体とグリップがシームレスにつながったスタイリッシュなデザインも好評です」

3.〈ぺんてる〉の「エナージェル インフリー」クリアボディで洗練された印象に。

すらすら書けて、乾きが速いゲルインキボールペン。「エナージェルシリーズは書き味は抜群だったのですが、デザインが少々野暮ったかった。新作のインフリーはクリアなボディを採用し一気に垢抜けました。ブルーブラックやターコイズブルーなど絶妙なインキの色展開も魅力」

(Hanako1178号掲載/photo : Masami Hiroe text : Mariko Uramoto)

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