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本誌『もっと! ひみつの京都』特集から「ひみつの路地」のページからスピンオフ! 京都の路地にひそむ、隠れ家的ショップ3軒 Learn 2018.04.12

街を歩いていると「えっここに!?」と、意外すぎる場所にお店があるのが、京都ならではの面白さ。中でも近頃盛り上がりを見せているのが、路地の奥のお店。Hanako本誌「ひみつの京都」特集では紹介しきれなかった、一つの路地に新しく生まれた3軒のお店を探訪します。

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4/12に発売された『もっと! ひみつの京都』特集でご紹介した6本の路地。そのうちの1本を、改めてHanako.tokyoで深くご紹介。

その路地は、京阪三条駅からほど近く。新麩屋街通の、なんの変哲もないビルとビルの間にあります。意識していなければ、100%見過ごしているであろう控えめな小さな看板が二つ。

ちなみに京都では、一般的な細い道のことではなく、突き当たりのある狭い道のことを路地と書いて「ろーじ」と呼びます。路地とはつまり、行き止まりの細い道のこと。京都にどうして路地が多いかは、ぜひ本誌をご覧ください!

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ドキドキしながら20mほど進むと、一番奥はこのように。まずは右にあるお店〈仔鹿〉の扉を開けてみると……。

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出迎えてくれるのは、ちゃんちゃんこを羽織った、ほっこりかわいい店主の室原卓弥、沙采夫妻。もともとワインの輸入会社で働いていたふたりが京都に移住し、始めたお店。見回す限りはワインショップのようだけれど「普通のワイン屋さんにはなろうとしてないんです」というふたり。はて、そのココロは?

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ラインナップは全部で80〜90種類ほど。普通の酒屋さんよりは少なめだけど、その分しっかり厳選。自宅でゆっくりと飲みたい、やさしく柔らかめの味わいが中心で、品種や産地にとらわれず、自分たちが実際に飲んで、おすすめするものしか扱わないという徹底ぶり。またおひとり様など、その日に1本を空けられないという人のために、3〜5日おいて味の変化が楽しめるものを選ぶよう、心がけているとか。

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タグをよーく見ると、一本一本すべてに手書きの解説がびっしり!しかも「シュッとしてます」など、わかりやすい言葉に変えて書かれている。購入するとそのまま持って帰ることもでき、ちょっとしたZINEのよう。また季節などに合わせて紹介する特集コーナーもあり、取材時は「小踊りしてるワインたち」というテーマが。選ぶほうも心踊るネーミングが素敵。

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「ワインだけでなく、本もコーヒーも好き」という彼らだけあり、秘密の屋根裏部屋を開放。ワイン箱に詰められた個人蔵書の本を読みながら、コーヒー(320円)とともに、しっぽりと自分時間を過ごすことができる。ずっとこもっていたくなる空間。

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ワインだけでなく、リキュール類も販売。分からない時は相談すると、「だったらこれかな?」「あっちはどう?」とふたりでささやきあいながら、一生懸命選んでくれます。その様子を見るだけで「ここに来てよかった〜」と心和むことうけあい。

〈仔鹿〉
「鹿」の字をロゴマーク化した小さな看板が目印。
■京都市左京区新麩屋町通仁王門下る大菊町134-7
■︎090-6798-1427
■13:00~22:00 
■火休

さらに奥まで進むと、一つの扉の向こうに二軒の小さなお店が。

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選んでもらったワインを携え、次なるお店へ。看板はあるけれど、え?どこが入り口?と迷っていると「仔鹿」のふたりが出てきて「その後ろにある黒い扉を開けるんですよー」と、案内してくれました。

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勇気を出して扉を開けると、またまた意外な空間が。正面は多肉やシダなどの観葉植物がずらり並ぶ坪庭のような空間、そして左右それぞれにさらなる入り口が。こちらは建築やインテリアの学校を出て、ユニットでものづくりをしている夫婦が営む、新しいコンセプトショップ&アトリエ〈ATELIER PLEH.〉。

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まずは左側の〈植物ノアレコレミドリムシ〉へ。店主は瀬戸友歌さん。機能的で美しいデザインを求めるうち、1本の木や葉っぱの持つ造形美に魅了。世の中にあるさまざまな植物をモチーフにした、ユニークなアート作品を扱っています。

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花だけでなく、珍しい実ものや種などをドライにしたもの。またそれを飾り、楽しむ方法も同時に提案。実験器具に入れてセットで販売したり、またクリップで留めてアクセサリーにしたり。植物を見る視点が面白く変わる、さまざまな仕掛けが用意されています。

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さらにインテリアとしてただ置いておくだけでもいい園芸道具なども販売。1点ものも多く含まれるので、来るたびに違ったものが発見できる可能性も。

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そして右側のドアの向こうには〈チニアシツケル〉。店主の菊池洋平さん曰く「いい意味で混乱して欲しいんです」というだけあり、お店には古道具に作家のものの器、新品のプロダクツと、簡単にはカテゴライズできないものたちが、美しく端正に並びます。

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すべてに貫かれているのは、フォルムや素材が放つ圧倒的な美しさ。オブジェでもあり、実用でもあり。またその用途も問わずいろいろな使い方がイメージできる、柔軟性に富んだものがセレクトされています。

国も年代も問わず、ブランドというすでにある価値にもとらわれず、ものの本質をさぐり、新しいものさしで見つめなおすこと。まさに日本文化の奥行きを深めた「見立て」の精神。路地の奥には、それを今に受け継ぐ京都らしさがありました。

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〈植物のアレコレミドリムシ〉〈チニアシツケル〉
表の看板には店名もなく、店主ふたりの似顔絵と「雑貨と植物」と記されているのみ。
■京都市左京区新麩屋町通仁王門下る大菊町134-6
■080-4497-9899
■13:00~19:00 
■火〜木不定休

photo:Noriko Yoshimura
text:Mitsuharu Yamamura(BOOKLUCK)

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