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夏子の大冒険 〜美術館をめぐる旅〜 ホキ美術館の『いろいろ』へ。「写すこと」編 (最終回) Learn 2022.09.21

さて、今回で連載『夏子の大冒険』は最終回を迎えます。最後の大冒険の舞台は、千葉県にある〈ホキ美術館〉。なんと、日本で唯一の “写実絵画” の専門美術館です。膨大な点数の作品が並ぶ空間は、まさに圧巻! 見たものがそのまま描かれた絵画には、写真にも映像にもない魅力がぎゅっと詰まっていました。

私たちが見ている世界。

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色をテーマに構成された『いろいろ 色の魔法—色から見える写実』展覧会。私たちが日頃、目にしている世界には、こんなにもたくさんの繊細な色たちで溢れていたんだと、興奮しっぱなしでした。見た色を絵の具で表現するって、本当にすごいです!!

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「写すこと」

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写真を撮られるのが、苦手。これは本当に小さい頃から変わらない。多分、残るのが怖いんだと思う。こんなお仕事をさせてもらいながら、いまだに集合写真を撮る時は、「ハイ、チーズ」の、“ズ” の瞬間に、隣の人の影に隠れようかと葛藤してしまう。

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実家のアルバムに写る幼少期の私は、そのほとんどが涙目で、カメラのレンズを睨みつけている。私は、笑えと言われると泣く子どもだった。

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それなのに、お仕事でカメラの前に立つのはまったく怖くない。ヘアメイクさんとスタイリストさんに “ステキ” にしてもらい、時には「役」の力も借りながら、カメラマンさんを信じて前に立つ。その瞬間は、不思議と自信すら持てるのである。

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プロってすごいなぁと思う。ありがたい話、私はプロたちにプロにしてもらっている。そのせいか、オフショットになると、急に恥ずかしくなったりもする。

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初めて写実の人物画を観て、ゾクゾクした。限りなく実物に忠実で、それでいて描き手のフィルターがかかっているせいか、なんだか、モデルがすごく「無防備」に見えた。

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写真を見て、新しい自分の顔に気づくことが多いけど、もし写実画を描いてもらったら、所在なさげな自分が見られるかもしれない。

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何か作品として残してもらえることは、とても贅沢なことだと思う。写真も、絵も、活字だってそうだ。たくさんの人の力を借りてお仕事をして、これからも自分を残すことに向き合っていきたい。

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今回訪れたのは…〈ホキ美術館〉

ブラウス9,680円、パンツ29,700円(ともにHavane /03-3375-3130)
ブラウス9,680円、パンツ29,700円(ともにHavane /03-3375-3130)

現実が絵になった途端、そこには物語が生まれるんだと知りました。私の仕事は物語の中に生きること。作家の皆さんが現実を見つめて絵を描くように、自分もしっかりと生活を営んで、物語の中を生きていきたいなと思いました。

先端の30mほどが宙に浮いた建物。この外観がきっかけで、私はここに行きたくなりました。
先端の30mほどが宙に浮いた建物。この外観がきっかけで、私はここに行きたくなりました。
うねうねとした回廊を生かした独創的なギャラリー。100mほどあるので、先が見えなくなるところも。
うねうねとした回廊を生かした独創的なギャラリー。100mほどあるので、先が見えなくなるところも。

〈ホキ美術館〉

■千葉県千葉市緑区あすみが丘東3-15
■043-205-1500
■10:00~17:30
■火休
■1,830円

※普段は撮影禁止です。

21の美術館と博物館をめぐって。

〈深沢小さな美術館〉の友永詔三(ともなが・あきみつ)さん。
〈深沢小さな美術館〉の友永詔三(ともなが・あきみつ)さん。

2021年の1月にこの連載をスタートさせてから1年と9ヶ月。これまでに、延べ21の美術館と博物館にお邪魔してきました。たくさんの作品や展示を鑑賞して、その先に見えたのはずばり “人” です。生み出した人、伝える人、そして、観る人。ああ、アートは人が関わって生まれるものなんだ! 私は、アートの先にいる人のことが好きだったんだと気づくことができました。

お世話になった皆さまへ。

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「まずは、快く取材を受けてくださった美術館・博物館の皆さまに感謝です。静かに見守ってくださったり、熱心に解説してくださったり。さまざまなスタンスの学芸員さんとお話することができたのが印象に残っています。次に、毎回ほとんどすっぴんでやってくる私を、カッコよく撮影してくれたカメラマンの細見さん。〆切りを守らない私のお尻を、いつも優しく叩いてくれてた編集の植村さん。3人で遠足のように、ちょっと遠くの美術館へ向かうのが、月に一度の楽しみでした。最後に、この連載を楽しみにしてくださったハナコ読者の皆さま。ここまでお付き合いいただき、本当にありがとうございました。これが何かのお役に立てていれば光栄です。なんのお役にも立てていなければ、もっと光栄です。うふふ。」

photo : Yumi Hosomi

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