言いたいコト、書きたいコトバ…混じり気ナシ! 弘中綾香の「純度100%」~第72回~ LEARN 2022.04.08

ひろなかあやか…勤務地、六本木。職業、アナウンサー。テレビという華やかな世界に身を置き、日々働きながら感じる喜怒哀楽の数々を、自分自身の言葉で書き綴る本連載。

(photo : Yasutomo Sampei styling : Chie Hosonuma hair&make : Miyuki Nakamura)

「ピンチヒッター・前編」

先日、古巣の『ミュージックステーション』を一日だけ担当させてもらった。イレギュラーな事態が起きてしまい、今の担当者を出せないと決まったのがオンエア数日前。なりふり構ってはいられず、前任者である私のところにお鉢が回ってきたという次第である。勝手を知っているだろうということで任されたんだと思うが、2018年の9月にMステを卒業しているので、かれこれ3年3カ月ぶり。しかも肩を温める間もなくの登板でかなり緊張した。

たま~にABEMAで生配信の番組に出演することはあったけれど、バリバリの回し役で地上波の生放送を担当するのは本当に久しぶりだった。いつもとは違う頭の使い方にかなりシビれる展開になることは自分でも予想していたが、シビれもしたし、期待を上回る楽しさがそこにはあった。生放送の何が良いって、出演者の皆さんもスタッフも本番となると「カマしてくる」ことに尽きると思う。生放送はだいたいリハーサルをきっちりする(情報・報道番組は時間がギリギリだからしていないかも…。Mステは色々と調整があるので、しっかりリハーサルの時間をとっている)。歌唱・パフォーマンス部分はもちろん入念にだけれども、トークの部分も一応さらっとリハーサルはする。スタッフと私と出演者の方で、「だいたい今日はこんなテーマですね~」という感じに。出演者の皆さんもこの時は「ふんふん」と言った感じで聞いていて、そんな本腰でしゃべることはない。本番のお楽しみ。

リハをみっちりやった後に、タモリさんもいらっしゃって本番を迎える。タモリさんは生放送を1万回近く経験していらっしゃる権化みたいな方だ(こんな言い方していいのかしら。とにかく生放送のエキスパートだということが言いたいだけです)。どんなトラブルもどんなアクシデントもタモリさんがいれば怖くないと全出演者とスタッフが思えるほど、いつも泰然と構えていらっしゃるお方である。ただこれだけキャリアを積んでも、いたずら心をお持ちのチャーミングな方なので、本番でこちらの想定していないことをおっしゃることもある。

【弘中のひとりごと】
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