甲斐みのりさんが綴る「銀座グルメ はじめて物語。」 実は〈資生堂パーラー〉が発祥って知ってた? 〈アイスクリームソーダ〉誕生秘話 FOOD 2024.04.15

明治初期、西欧風に改革がなされ、街に最先端の〝はじめて〞のものが集まった銀座。その感動は今も変わらず受け継がれている。銀座をルーツに持つ、おいしいものや場所を、甲斐みのりさんと訪ねました。〈資生堂パーラー〉のアイスクリームソーダについての物語です。

〈資生堂パーラー〉のアイスクリームソーダ誕生秘話

シュワシュワ。キラキラ。窓から差し込む銀座の街の光を受けて輝きを増す「アイスクリームソーダ」。今では日本中の喫茶店で不動の人気を誇る定番メニューが初登場したのが、ここ〈資生堂パーラー〉。資生堂の前身となる資生堂薬局の創業者・福原有信氏が、視察旅行中のアメリカで見たドラッグストアに感銘を受けて、1902(明治35)年に薬局の一角に「ソーダファウンテン」を開いたのが〈資生堂パーラー〉の始まり。日本初のソーダ水や、まだ珍しかったアイスクリームは、すぐ近くの新橋花柳界を中心にたちまち評判に。そんな話題の2品を組み合わせたアイスクリームソーダ。可憐に色づくソーダ水の中、宙に向かって弾ける気泡と黄色味を帯びたアイスクリームが溶け合う様は、当時の人々にとってさぞや神秘的な光景だったろう。

資生堂パーラーのアイスクリームソーダ

創業時、複数あったフレーバーは、現在レモンとオレンジを定番化。そこに苺やメロン、新橋の芸者さんが好んだ着物の色のソーダなどが期間限定で登場。アイスクリームもシロップも伝統を受け継ぎ手作りされている。

唐草模様のテーブルクロスに映える見目麗しいソーダ水。うっとり眺めるうちに儚く溶け出すアイスクリームのゆらめきと、今も街のそこかしこに残るハイカラな面影が、甘く重なる。

資生堂パーラー

住所:東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル3F(銀座本店サロン・ド・カフェ) 
TEL:03-5537-6231
営業時間:11:00~21:00(20:30LO)、日祝~20:00(19:30LO)
定休日:月休
席数:46席

月替わりで、4月は愛知県産の“愛きらり”のアイスクリームソーダ(1,300円)が登場。

photo_Norio Kidera text_Minori Kai edit_Kana Umehara

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