昔も今も変わらない愛され続ける理由。 【銀座】クラシカルな老舗洋菓子店3選。銀座でスイーツ、と言ったらまずはここへ。 FOOD 2021.05.01

洗練された街・銀座には、古くから愛され続けるクラシカルな老舗洋菓子店がありました。今回は、銀座に行くのなら一度は行っておきたい、贅沢な時間が過ごせる老舗洋菓子店をご紹介します。

1.座を代表する老舗洋菓子店〈GINZA WEST 本店〉へ。クラシカル雰囲気は大人のティータイムにぴったり。

来年75周年を迎える、老舗洋菓子店による喫茶室〈GINZA WEST 本店〉。手土産の定番「リーフパイ」などが並ぶ売店横の階段を上がると、カフェオレ色のイスと、真っ白なテーブルクロスをかけたテーブルがお行儀よく並んで迎えてくれる。

レストランとして開店し、音楽喫茶を経て今に至るが、室内は創業当時からほとんど変わらない。特に印象的なのは、ハイバックのイスだ。「後ろの席の人と頭がぶつからないようにと、先代が背を高くデザインしたそうです」と、二代目社長の依田龍一(よだりゅういち)さん。また、少し前まで男性は髪にポマードを付けることが多かったため、イスが汚れないようにヘッドカバーを付けたのだそう。「白のテーブルクロスは、実はベニヤとゴムで作ったテーブルを目隠しする役目もあるんですよ」と、朗らかに笑う依田さん。老舗でも背伸びせずにいられるのは、そんな手作りのぬくもりを感じるからに違いない。

コーヒーや紅茶などをケーキセット(ドリンク代+330円)にすると、木製のコンポート台にケーキをぎゅうぎゅうに載せたサンプルを席まで持ってきてくれる。どれもおいしそうで、このなかからひとつを選ぶのは至難の業。サンプルといっても、すべて本物のケーキを使うのがこだわり。毎日、その日のケーキをひとつずつ載せていくのだそう。焼き菓子セット(ドリンク代+110円)も同様。

〈GINZA WEST 本店〉

〈GINZA WEST 本店〉
1947年創業、素材と味にこだわる洋菓子の老舗。ここでしか食べられないメニューも豊富。
■東京都中央区銀座7-3-6
■03-3571-1554
■9:00~22:00(土日11:00~20:00)年末年始休
■52席

(Hanako1195号掲載/photo : Nobuki Kawaharazaki styling : Satomi Kamino model : BEBE text : Motoko Sasaki edit : Kana Umehara)

2.贅沢な時間が流れる〈資生堂パーラー 銀座本店サロン・ド・カフェ〉へ。昔も今も変わらない、サービスと伝統レシピ。

さくらんぼニット9,790円(チャイルド ウーマン03-3481-8121)/レースのつけ襟4,950円(ドット アンド ストライプス チャイルド ウーマン03-3481-8121)/ブラウス13,200円(アトリエ ドゥ サボン 03-5465-0447)/ストローカチューシャ7,150円(ミア ハットアンドアクセサリー 03-6411-4668)/イヤリング8,690円(ソムニウム 03-3614-1102)/デニムパンツ35,200円(オウシーナン | ススプレス 03-6821-7739)/ポシェット9,900円(シャンブル ドゥ シャーム 03-5790-2790)

2019年11月にリニューアルした〈資生堂パーラー 銀座本店サロン・ド・カフェ〉。店内にベンチシートを配置し、家族連れはもちろん、誰もがよりリラックスして過ごせる空間へと生まれ変わった。テラコッタピンクで統一されたインテリアは、大きな窓から入るやわらかな光によって、包み込まれるようなやさしい雰囲気に満ちている。

フロア内のテーブルを洗練された動きでまわるのは、素敵な制服姿のサービススタッフたち。接客はいつだって、やさしく、ていねい。笑顔でサーブされたコーヒーを飲み、昔から変わらない伝統レシピを味わっていると、心が満たされ、帰る頃には心身ともにフル充電されている。「スタッフそれぞれがお客さまに寄り添い、目配り、気配り、心配りを大切にしています」とスタッフの陳珮瑜(ちんぺいゆ)さん。おいしいレシピはもちろん、この真摯な接客が、極上の空間を生み出しているのは間違いない。

およそ120年の間、当時の味わいを守り続けているメニューがある。それは、ソーダ水と自家製アイスクリームだ。たまご色の濃厚バニラアイスは、三角のウエハースもどこか懐かしい雰囲気。アイスクリームソーダは、〈ソーダファウンテン〉開設当時のメニューを一度に楽しめる。

〈資生堂パーラー 銀座本店サロン・ド・カフェ〉
1902年、〈資生堂薬局〉内に併設された〈ソーダファウンテン〉からはじまった銀座のシンボル的存在。
■東京都中央区銀座8-8-3 3F
■03-5537-6231
■11:00~20:30(日祝~19:30)月休(祝は営業)
■46席
※価格はすべて税込みです。

(Hanako1195号掲載/photo : Nobuki Kawaharazaki styling : Satomi Kamino model : BEBE text : Motoko Sasaki edit : Kana Umehara)

3.華やかなウィーンを象徴する焼菓子を求めて〈銀座 ハプスブルク・ファイルヒェン〉へ。皇妃エリザベートが愛した、おいしさの秘密。

銀座とウィーンをつなぐ空間で夢見心地の時間を。大理石の床に豪奢なシャンデリア、上品で優雅な空間が非日常の世界へと誘う。銀食器や家具、レセプションなどに飾られた調度品はすべてウィーン製。ゆったりと配されたテーブル席のほか、個室も完備している。
銀座とウィーンをつなぐ空間で夢見心地の時間を。大理石の床に豪奢なシャンデリア、上品で優雅な空間が非日常の世界へと誘う。銀食器や家具、レセプションなどに飾られた調度品はすべてウィーン製。ゆったりと配されたテーブル席のほか、個室も完備している。

ヨーロッパの伝統菓子を語るなら、まずウィーンなくして始まらないというスイーツ好きは多い。マリア・テレジアとローマ皇帝フランツ一世の第十一女として、オーストリアのハプスブルク家に生まれたマリー・アントワネットは、フランスに嫁ぐ際も職人を連れて行ったというエピソードが残るほど、お菓子を愛していたという。

三日月型の焼菓子にチョコレートがたっぷりのリングケーキなど、甘いお菓子がもたらす幸せが、若くして知らない土地に嫁いだアントワネットの心を癒していたのかもしれない。そんなドラマティックな想像をめぐらすことができる〈銀座 ハプスブルク・ファイルヒェン〉は、ウィーンで最難関といわれる、オーストリア国家公認キュッヘン(料理)マイスターの称号を持つ神田真吾シェフによるレストラン。“ファイルヒェン”とは、ドイツ語でスミレの意味。ハプスブルク家の皇妃エリザベートが愛した花のようにシャンデリアが煌きらめく空間は、可憐で優雅だ。ここで味わう伝統のオーストリア料理は、唯一無二の食体験をもたらしてくれると評判。

銀座 ハプスブルク・ファイルヒェン

〈Ginza Habsburg Veilchen(銀座 ハプスブルク・ファイルヒェン)〉
ディナーコースは10,000円から(要予約)。
■東京都中央区銀座7-8-7 GINZA GREEN 7F
■03-5537-3226
■11:30~13:30LO、18:00~20:00LO(13:30~15:00はカフェ)日、月夜休
■46席

(Hanako1195号掲載/photo : Norio Kidera text : Keiko Kodera)

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