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まちをつなげるパン屋さん by Hanako1167 新しいパン屋さんの形。地域で愛されつづけている練馬区〈パーラー江古田〉へ。 Learn 2018.12.22

パンラボ・池田浩明さんによる、Hanako本誌連載「まちをつなげるパン屋さん」を掲載。今回は、地域から愛されつづけている東京都練馬区〈パーラー江古田〉をご紹介します。独力でたどりついた「パーラー」というパン屋さんの形とは?

1.パンを中心として、ワイン、料理と広げた世界。〈パーラー江古田(えこだ)〉

右から、レーズンくるみ570円、 リュスティック200円、チャバタ200円。手間を惜しまぬ最高の料理も。
右から、レーズンくるみ570円、 リュスティック200円、チャバタ200円。手間を惜しまぬ最高の料理も。

すごい世界を発見したものだ。パンは真っ黒。硬くてがりがりして、そのかわり、がつんと脳天を叩かれるみたいに小麦の味わいが襲う。激しく焼いて炭になる直前、小麦のおいしさは、かーっと燃え上がる。まるでろうそくの火が消える瞬間みたいに。原田浩次さんはそれをとらえようとしている。

作り方はシンプル。選び抜いた小麦に、店で培養した種を合わせ、ゆっくり発酵させる。力のある素材を出逢わせ、自然にまかせたとき、人間の意図を超えたおもしろい味や香りが出てくる。そんなやり方を原田さんは、リスペクトしてやまないイタリアのワインの造り手から学んだという。

民家を改装した店内。一角では石臼がまわり、挽きたての小麦でパンが作られる。
民家を改装した店内。一角では石臼がまわり、挽きたての小麦でパンが作られる。

自由な人だ。誰かに習ったわけではなく、このパンに独力でたどりついた。料理も、ワインも、自分の目で見て、舌でたしかめたことだけを信じる。チーズも肉もコストを惜しまず、自然な作り方をする生産者から取り寄せる。
それが、小さな一歩だけど、体にいい食べ物を作り、自然な環境を守り、地域経済の活性化につながる。そんなことを、原田さんはカウンターにいるお客に語りかけ、人と人を毎日つないでいる。

パーラーは、昔近所の人が集まっておしゃべりをしていた井戸端なんだと原田さんはいう。おいしいものがあれば話も弾む。

ビスコッティやカンノーロも。
ビスコッティやカンノーロも。
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おいしいコーヒーとともに。

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〈パーラー江古田(えこだ)〉
パンやワインをテイクアウトするだけでもよし、朝食、ランチ、昼飲み、おやつ、コーヒー一杯だけでも。自由に使えて、ほっと一息。良質で心のこもった料理、おしゃべりで、心まであたたかくなるバール。

■東京都練馬区栄町41-7 
■03-6324-7127
■8:30~18:00 火休
■13席
■禁煙

2.秘伝のレシピを代々受け継ぎホテルメイドの上質美味を提供。〈ECODAHEM(エコダへム)〉

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原田さんのご近所友だち・足立由美子さんの営む〈ECODAHEM(エコダヘム)〉。足立さんは、バインミー(やその他食文化)に惹かれ、足繁くベトナムに通う。「ベトナムには本当にいろんなバインミーがあって。行くたんびに「えーっ、そんなことするの!?」ってことばっかり。思いついたことをなんでもやってみる。自分で考える。

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「ベトナムには、(なんだこれ?)がいっぱいあって、探求が終わらないんです。」足立さんのバインミーは自由。パンだって、定番のふわふわバゲットだけではなく、パーラーのがりがりパンで。炒めた牛肉とクレソンサラダ(赤タマネギと赤パプリカのナマス)が一種、かじきのターメリック米粉揚げ(パパイヤとニンジンのナマス)が一種。食べたいものなんでもはさめばバインミー。鮮やかな色彩もベトナム!なんでも自分でやってみる、自由な人たちが作る町。江古田のおもしろさの理由はここにある。

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〈ECODAHEM(エコダへム)〉
「HEM」とはベトナム語で「路地」。路地に迷いこんだときのわくわく感を、麺、飯もの、カフェの3店舗で表現したフードコート。ベトナムで買い付けたにぎやかな雑貨が置かれ、まるで東京のベトナム。〈パーラー江古田〉のパン使用のバインミー各950円。3か月に一度のイベント「ろじものや」や店でも月1で提供。

■東京都練馬区旭丘1-74-9
■03-3953-0021
■12:00~17:00(16:30 LO)火水休
■31席
■禁煙

池田浩明 いけだ・ひろあき/パンラボ主宰。パンについてのエッセイ、イベントなどを柱に活動する「パンギーク」。著書に『食パンをもっとおいしくする99の魔法』『日本全国 このパンがすごい!』など。 パンラボblog

(Hanako1167号掲載/photo:Kenya Abe)

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