本話題のクリエーターたちと作り上げた1冊。 俳優・小関裕太にインタビュー!話題のクリエイターと作り上げた写真集『Kiitos![キートス]〜Yuta Koseki in Finland〜photo by Jun Imajo』の撮影秘話。 LEARN 2019.12.23

若手俳優、小関裕太がフィンランドで人や自然、デザインに触れる旅をまとめた写真集。フォトグラファー今城純、アートディレクションを白い立体・吉田昌平と、話題のクリエーターらが作り上げた1冊は本好きの中でも話題になっている。

小関裕太さんにインタビュー!

写真集未公開カット(C)Jun Imajo
写真集未公開カット(C)Jun Imajo

Q.「3冊目の写真集ですが、タイトルとなった「キートス!」について教えてください。」
小関裕太さん(以下、小関)「フィンランド語で「ありがとう」という意味です。フィンランドで出会った方々と、応援してくださるすべての方々への感謝を込めて付けました。」

Q. なぜフィンランドを選んだのですか?
小関「もともと北欧への憧れがあったのですが、その中でもフィンランドは、淡いベールに包まれたような、ミステリアスなイメージでした。一人旅が好きな僕はいつも「この国・地域に住んでいる人はどういう暮らしをしているのだろう」という目線で旅をしているので、今回も『本物のフィンランド』を撮りたくて・知りたくて選びました。」

小関さんにとって今回の旅とは?

写真集未公開カット(C)Jun Imajo
写真集未公開カット(C)Jun Imajo

Q.「どんな旅でしたか?」
小関「フィンランドで活躍するデザイナーさんを訪ねる旅であるとともに、そのデザイナーさんたちのルーツを辿る旅になりました。時代は約100年前に遡り、家具や建築に着目しました。ソ連から独立したのち、敗戦したフィンランドの方々の心を支えていたものの一つとして、建築家でデザイナーでもあるアルヴァ・アアルトさんの存在を知ったり、アアルトさんのデザインする家具が当時のフィンランドの方々の心を豊かにし、代々引き継がれ、いま活躍するデザイナーさんのルーツに位置付けられることを学ばせていただきました。」

11月の発売と同時に開催された今城純による写真展。(C)Kanako Noguchi
11月の発売と同時に開催された今城純による写真展。(C)Kanako Noguchi

Q.「一番印象に残ったエピソードを教えてください。」
小関「サウナ小屋の扉を開けた先の大きな湖で、桟橋に寝っ転がり目を閉じた瞬間です。水の音、風の音、木の葉のせせらぎ、鳥の囀り、遠くの方でフィンランドの子供達が遊んでいる声。全てが耳の中に飛び込んできて、大きく深呼吸をしました。あの瞬間が忘れられなくて、もう一度ここに戻って来たいと感じ入りました。」

カメラが趣味の小関がフィンランドで撮影した写真展も同時開催。(C)Kanako Noguchi
カメラが趣味の小関がフィンランドで撮影した写真展も同時開催。(C)Kanako Noguchi

Q.「被写体としてだけでなく、自身のカメラで撮影し、写真展も開催されました。普段からカメラを使いこなされているんですか?」
小関「ひとり旅と同じように、自分探しのツールとしてカメラのファインダーを覗くということをしてきました。今までは自分のために写真を撮っていたのですが、今回は「写真を、いつか誰かに届くものにしたい」という夢を叶えたいと思い、写真展をしたいと思いました。」

様々なクリエーターが参加していることも話題の今回の写真集。

写真展初日、会場となったIDD 世田谷ものづくり学校にて。(C)Kanako Noguchi
写真展初日、会場となったIDD 世田谷ものづくり学校にて。(C)Kanako Noguchi

Q.「様々なクリエーターが参加していることも話題ですね。」
小関「写真家は今城純さん、アートディレクションは「白い立体」の吉田昌平さん、「edenworks」を主宰するフラワークリエイター篠崎恵美さんにも参加していただき、さまざまな分野・角度から刺激のある作品になりました。完成された写真集を見て、息を飲みました。手に持った瞬間の重み。1ページ1ページのワクワク感。なんとも言えない感動を得ました。今城さんの写真は、知り合わせていただく前から拝見していて、写真展も観に行っていました。唯一無二な今城さんの写真の中で生きれたことを嬉しく思います。

そして、吉田さん。吉田さんが手掛けたある本を拝見し、この方とご一緒したい! 写真集づくりをなんとかお願いしたい!と思ったのですが、スケジュールがなかなかハマらず。なんとかご一緒できた、という過程がありました。言わずもがな完成が素敵ですよね。

篠崎さんは星野源さんのアルバム『POP VIRUS』ジャケットや、米津玄師さんの紅白歌合戦でのホールの装飾で拝見していたのですが、ご自身がやられている花屋で売れ残った花やクリエイションの中で撮影し終わった花々を棄てずに、ドライフラワーとして加工し販売する。もう一度命を吹き込むというコンセプトに心を動かされ、今回スペシャルエディション版と、写真展の空間でのフラワークリエイションを手掛けていただきたく、願いが叶いました。それぞれの業界で第一線を行く方々の洗練された作品たちが1箇所にぎっしりと詰まり、鳥肌ものでした。感謝しています。」

スペシャルエディション版にはフラワークリエイター 篠崎 恵美(edenworks)プロデュースの押し花入り。(C)Kanako Noguchi
スペシャルエディション版にはフラワークリエイター 篠崎 恵美(edenworks)プロデュースの押し花入り。(C)Kanako Noguchi

Q.「フィンランドの旅で見つけたものはありますか?」
小関「豊かさです。フィンランドにはたくさんの素敵なデザインや建築物があります。人の家を訪ねるときには花束を持っていきます。白夜の時期には夜からピクニックをします。他にも服や自転車…さまざまなオシャレが生活の中に詰まっていました。

オシャレな生活には、心の余裕が必要で、フィンランドで出逢った方々にはそれがありました。その心の余裕はきっと、国いっぱいに溢れたあの自然たちが作っているのだと思い、日本の東京に帰って来てもできるだけ自然を感じよう、心の余裕を持とうと、生活が変わりました。」

写真集の見所は?

Q.「この写真集の中で特に見てほしい部分はありますか?」
小関「今回の編集である岡田有加さんのお言葉を借りると、ペーパーレス化が進む今、「せっかく作るのであれば、できるだけ長く、手元に置いてもらえるような一冊に」というテーマで、この写真集を制作しました。ハードカバーや、吉田昌平さんが作り出してくれた構成やデザイン。フォント。全てに血の巡った「良い作品」ができたと思っています。一度持っていただければ、フィンランドの素敵な重みが伝わるのではないかと思います。

僕が訪れた全スポットの解説も付いているので、ちょっとしたフィンランド旅行カイドとしての機能としてもぜひ見てみてください! Kiitos!」

左から通常版4,000円、スペシャルエディション版5,000円は小関直筆によるサイン、シリアルナンバー入り。(C)Kanako Noguchi
左から通常版4,000円、スペシャルエディション版5,000円は小関直筆によるサイン、シリアルナンバー入り。(C)Kanako Noguchi

■写真集「Kiitos! [キートス]~Yuta Koseki in Finland~photo by Jun Imajo」
(通常版)4,000円、(スペシャルエディション版)5,000円(アミューズ)

■DVD「Kiitos! [キートス]~Yuta Koseki in Finland~」
4,000円、70分予定/本人によるコメンタリー入り(アミューズ)

小関裕太(こせき・ゆうた)

1995年東京生まれ。8歳から子役としてキャリアをスタート。舞台『ミュージカル・テニスの王子様』(11〜12年)で注目を集め、以降ドラマ、舞台、ミュージカルで活躍。2018年にはNHK連続テレビ小説「半分、青い。」では個性的な役を演じた。2019年にはドラマ『死亡フラグが立ちました!』、映画『サムライマラソン』、『“隠れビッチ”やってました。』に出演。し、2020年には3年ぶりのミュージカル『四月は君の嘘』に挑戦する。artist.amuse.co.jp/artist/koseki_yuta/

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