薬膳フレンチ×中国茶も。 コース料理の一皿ごとにお茶を合わせる「ティーペアリング」が大人気!体験できる代々木上原・銀座の人気フレンチとは? FOOD 2019.03.14

最近、コース料理の一皿ごとにお茶を合わせる「ティーペアリング」が大人気。料理とお茶の絶妙なマリアージュでその両者のおいしさをいっそう楽しめる、注目フレンチを紹介します。

1.料理とお茶が共鳴して完璧なコースが生まれる。〈sio〉/代々木上原

鳩の唐揚げには、カカオや胡椒の抽出エキスをプラスしたダージリン。樽熟成した赤ワインを思わせる雰囲気に。
鳩の唐揚げには、カカオや胡椒の抽出エキスをプラスしたダージリン。樽熟成した赤ワインを思わせる雰囲気に。

代々木上原の人気フレンチレストラン〈Gris〉のオーナーシェフを務めた鳥羽周作氏が昨年7月にオープンにした〈sio〉は、ランチでもティーペアリングを楽しめる。2カ月に1回のメニュー変更にあたっては、シェフの思い描くコースのイメージを受け、ソムリエの亀井崇広氏がその都度新しいティーを考案する。ベースとなるのは中国茶や台湾茶、紅茶。

スターターは野菜の端材を使った滋味深い鶏出汁スープ。「春摘みダージリン」にポンカンの皮、ローズマリーの香りの抽出エキス、炭酸を加えた爽やかなティースパークリング。
スターターは野菜の端材を使った滋味深い鶏出汁スープ。「春摘みダージリン」にポンカンの皮、ローズマリーの香りの抽出エキス、炭酸を加えた爽やかなティースパークリング。
ヤリイカとブラータ、ハーブを使った前菜には、華やかな風味の中国紅茶を。ライチなどの抽出エキスを加え、魚介とハーブに合うすっきりとした甘さを添えた。
ヤリイカとブラータ、ハーブを使った前菜には、華やかな風味の中国紅茶を。ライチなどの抽出エキスを加え、魚介とハーブに合うすっきりとした甘さを添えた。

前菜料理にはじっくり水出しして柔らかな飲み口のもの、肉料理には湯で抽出した渋めの風味のものなど。

馬肉のタルタルにはジャスミンティーにクランベリーの抽出エキスと果汁をプラス。お茶の苦味と果実の酸味が肉の甘さを引き立てる。
馬肉のタルタルにはジャスミンティーにクランベリーの抽出エキスと果汁をプラス。お茶の苦味と果実の酸味が肉の甘さを引き立てる。

さらに、果実の皮やハーブから香りだけを抽出して加えたり、ときには果実のジュースや炭酸をアクセントにしたりと、バリエーションはもはや無限。料理とお茶が織りなす驚きにあふれたコースは何度体験しても飽きることがない。

〈sio〉
ランチコースは6皿で5,800円、ティーペアリングは5杯3,000円。
■東京都渋谷区上原1-35-3
■03-6804-7607
■ランチ12:00~14:30(土日祝のみ)、ディナー17:00~23:00 水休(不定休あり) 
■16席/禁煙

2.「美食同源」を追求したフレンチと中国茶の饗宴。〈薬膳フレンチ La Belle Lune〉/銀座

それぞれのお茶は中国茶器を使いテーブルでサーブ。その繊細な作法を見るのも楽しい。冬のコースは乾燥した体を潤す中国緑茶の“食前茶”から。
それぞれのお茶は中国茶器を使いテーブルでサーブ。その繊細な作法を見るのも楽しい。冬のコースは乾燥した体を潤す中国緑茶の“食前茶”から。

洗練されたフレンチに薬膳を取り入れ、「見て楽しく、おいしく、体にいい」を実現した美食同源料理。ディナーのティーペアリングは、オーナーシェフ・柳澤義泰氏が厳選した中国茶と台湾茶で、ひと皿ごとに専用の茶器を使い、テーブルで供される。

大山鶏のテリーヌと季節の野菜を使った前菜に合わせるのは凍頂烏龍茶を深煎りした「炭焙」。冷たい料理を食べていても体が温まっていくのを感じる。
大山鶏のテリーヌと季節の野菜を使った前菜に合わせるのは凍頂烏龍茶を深煎りした「炭焙」。冷たい料理を食べていても体が温まっていくのを感じる。

緑茶、烏龍茶、プーアル茶と濃い風味のお茶へ続くのは、徐々に体を温め、血の巡りをよくするため。夏には水分補給を助ける日本茶、冬には冷えに弱い腎臓にやさしい黒茶と、季節ごとの体の変化に寄り添ったペアリングを展開する。

メインの鴨ローストには脂を分解する作用の強い雲南省プーアル茶を合わせる。
メインの鴨ローストには脂を分解する作用の強い雲南省プーアル茶を合わせる。

お腹いっぱい食べても体が軽い。食いしん坊の強い味方だ。

〈薬膳フレンチ La Belle Lune〉
ディナーコース10,000円~、ティーペアリング5,000円~。完全予約制。
■東京都中央区銀座8-7-2 B1
■03-6274-6459
■11:30~16:00(ランチ)、18:00~24:00(ディナー) 不定休 
■10席/禁煙

(Hanako1170号掲載/photo : Fuminari Yoshitsugu text : Yuriko Kobayashi edit : Seika Yajima)

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