お酒を広めた街・兜町を飲み歩く。
#みんなが兜町に集まる理由 FOOD 2023.04.21

酒場フリークが今、一番注目するエリアといえば、兜町。この街にはお酒をこよなく愛する店主たちが手掛け、「自分が行きたい店」を体現した個性的な店が続々登場中。

江戸時代、日本酒の名産地といえば兵庫県の灘と京都の伏見で、そこから出荷されたお酒が到着する船着場が今の兜町にあった。お酒は兜町から江戸の各町に運ばれて広まったというルーツは、飲食業界では実に有名な話。そんな歴史にあやかって、この地で飲食店を始めたという人も多い。最近では日本酒に限らずワイン、ビールなどを扱う個性的な店も、ますます増えている。

Human Nature(ヒューマンネイチャー)

中でも一風変わった店として注目したいのが〈Human Nature〉だ。オーナーの高橋心一さんは、イタリアの大学院で食科学を専攻。イタリアでの暮らしでナチュラルワインの魅力にハマり、自身が収集したボトルを店で振る舞う。「社交場のような空間がつくれたら」と考えたのがオープンのきっかけだと語る。

Omnipollos Tokyo(オムニポロストウキョウ)

そこに隣接するのは〈Omnipollos Tokyo〉だ。兜町で約70年も続いた老舗鰻屋の風情を生かしてリノベーションした店は、外観は鰻店のままなのに、格子戸を開けるとまるで別世界!スウェーデン人デザイナー、フレドリック・ポールセン氏が手掛けた鮮やかなスカイブルーの店内では、全10種のタップビールや豊富な缶・瓶ビールが楽しめる。

かめじま商店

もうひとつ、自然派ワイン好きに絶大な人気を誇る店が〈かめじま商店〉だ。ここは「酒屋が始めたビストロ」スタイル。おいしい自然派ワインをお値打ちで味わえるようにと、わざわざ酒販免許を取り、販売したワインも店内で楽しめる。飲み切れなかったらお持ち帰りしてと、あくまでお客目線でもてなす姿勢に惚れ込むファンも多い。亀甲形のレモンのついたハイボールも好評だ。

Ao(アオ)

ただ1人で静かに飲みたい時にありがたいのは〈Ao〉の存在。赤を基調にした落ち着いた空間では、兜町の歴史にちなんだ名がついた絶品カクテルが。バーマンの接客も含め、まさに兜町の新名所というに相応しい。

日本酒スタンド酛(モト)茅場町店

一方、女同士で日本酒を楽しむなら断然〈日本酒スタンド酛 茅場町店〉がおすすめ。ここでは料亭〈金田中〉出身の店長が作る絶品の酒肴をつまみながら、季節の日本酒を満喫できる至福の時間が待っている。

photo : Kayoko Aoki text : Kimiko Yamada

Videos

Pick Up