和甘味だけじゃない! “ビーントゥバー”チョコレートに実力派パティスリー…とっておきスイーツと出会える鎌倉カフェ6軒 FOOD 2017.08.01

鎌倉といったら和の甘味なイメージが強いけれど、“ビーントゥバー”チョコレートの先駆的ブランドや実力派パティシエの進出、デザートを主役にしたカフェなど、鎌倉ならではのスイーツ体験が叶う6軒をご紹介。鎌倉観光の休憩にぴったりなカフェで、甘〜いティータイムはいかが?

1.あの人気チョコレート店が鎌倉の新たなランドマークに。〈Dandelion Chocolate, Kamakura〉

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カカオの選別から製造のすべてを自社で行う“ビーン・トゥー・バー”チョコレートの先駆的ブランドが今年2月、鎌倉駅前に上陸。鎌倉駅の地下通路の脇に立つ店舗をリノベーション。駅前という好立地、木漏れ日に包まれる環境の良さもこの店の大きな魅力だ。

東京・蔵前のファクトリーで一枚ずつ丹念に作られるチョコレートバーはもちろん、自社工房で焼き上げるぺストリー類やチョコレートドリンクなど、カフェメニューも充実。小町の茶舗〈枝村園〉のほうじ茶をブレンドした「カマクラホットチョコレート」やチョコレート・クロワッサンなど、鎌倉限定メニューも楽しい。

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自家製クロワッサンにパリパリのチョコを挟んだ「ダンデライオン・チョコレート・クロワッサン」は朝限定(販売は8:00~11:00)330円。鎌倉店オリジナルの「カマクラホットチョコレート」630円とともに。

窓を大きく取り、床面にヴィンテージのラワン材を使用した2階のカフェは居心地も格別。早くも鎌倉っ子に愛される存在に。

「フローズンホットチョコレート」(630円)
「フローズンホットチョコレート」(630円)

夏季はアイスでも。

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チョコレートバーは現在6種類。各1,200円。

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1階のショップ。サンフランシスコに本店を構え、日本ではここが3店舗目。

2.カッコよくてかわいくて。毎日食べたい愛すべきケーキ。〈POMPON CAKES BLVD.〉

POMPON CAKES BLVD.

鎌倉駅からバスで「梶原口」下車。

かつて鎌倉駅界隈に出没し、自転車で手作りケーキを販売していた〈ポンポンケークス〉。作り手の立道嶺央(たてみちれお)さんが2015年春に開いた実店舗は、駅からバスで約15分という場所にある。それは鎌倉っ子である立道さんが“日常に寄り添う店”を作りたかったから。「オーガニックでジャンキー」という精神はそのままに、現在は立道さんの味の原点でもある、お菓子研究家のお母様と厨房に立つ。

「レモンチーズパイ」(500円)、「アイスコーヒー」(420円)
「レモンチーズパイ」(500円)、「アイスコーヒー」(420円)

お皿はイギリスのヴィンテージのもの。

レモンチーズパイなど8種類ほどの定番は、どれも飾らず、しみじみとおいしい。地元の常連客が挨拶を交わす空間で、ドリップコーヒーとともにパイを頬張る幸福感は、ここまで足を運ぶからこそ味わえる。

異なるイスや古家具をセンスよく配した店内。立道さんとお母様の趣味の絶妙なミックス。
異なるイスや古家具をセンスよく配した店内。立道さんとお母様の趣味の絶妙なミックス。

異なるイスや古家具をセンスよく配した店内。立道さんとお母様の趣味の絶妙なミックス。

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クッキーはお土産にも。1枚100円~。

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左から、愛らしいルックスの「チョコレートバナナパイ」480円、「キャロットケーキ」380円。(各税込)。

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店主の立道嶺央さん。

3.アルザス地方の郷土菓子を、今夏は自然派ワインと楽しむ。〈パティスリー クグラパン〉

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「クグラパン」580円、セットは900円。

目白の名店〈エーグル・ドゥース〉などで経験を積み、アルザスに渡り腕を磨いたシェフの笹岡鉄兵さんが開いたパティスリー&カフェ。店名はアルザスの郷土菓子・クグロフとシェフが大好きなうさぎ(ラパン)を合わせた造語。主役はもちろんクグロフと、店名を冠したシグネチャー「クグラパン」。メープルシュガームースでできたクグロフ型のスイーツは、驚くほど繊細な柔らかさで、苦みや酸味の重層的な味わいに心が躍る。

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3種のチーズで作る「クレームフロマージュ」500円。本日はピノノワールと。グラス700円~。

カフェスペースでは、アルザス産の自然派ワインとケーキを合わせる楽しみも提案。チーズケーキと少し冷やした赤の魅惑的なマリアージュ、お試しを。

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「クグロフ」は小400円~特大3,000円。

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アルザス風の木骨造りの外観が目印。

4.気鋭のパティシエが鎌倉に。サービス精神あふれる一軒。〈パティスリーカフェ アンビグラム〉

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ティータイムの「ケーキとアイスクリームのセット」より、本日は「マカロンリコッタ」。1,000円。

南麻布の人気イタリアン〈アンビグラム〉で、シェフである双子の兄とともに食通たちを歓喜させてきたパティシエ、伊沢和明さん。そんな彼が昨年6月、自身のパティスリーを鎌倉に出店。フランスで修業し、〈ベージュ東京〉などで経歴を積んだ伊沢さんが作るクオリティの高いスイーツ。これをティータイムなら自家製アイスクリームを添えた皿盛りデザートにして、ドリンク付き1,000円といううれしさ。

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御成通り沿い。

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シェフのスペシャリテのほか季節のスイーツが並ぶ。

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お茶類はサンプルの茶葉を見て選べる。

紅茶やハーブティーのほか台湾茶の金萱(きんせん)茶や東方美人茶など、お茶類でも存分に楽しませる。地元スイーツファンの心を掴む、シェフの果敢な挑戦は続くのだ。

5.古き良き喫茶店が発想の原点。カレーの名店が作る良質スイーツ。〈OXYMORON onari〉

野菜たっぷりの彩り豊かなカレーが高い人気を誇る〈オクシモロン〉。小町の1号店に続き、店主の村上愛子さんが“もっと甘いものが楽しめるお店を”と2年前に開いたのがここ。定番6品と季節の新作が用意され、それらはチーズケーキやプリンなど、昔ながらの喫茶店にあるようなどこか懐かしい面々だ。

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「コーヒーづくしのパフェ」900円。

ゼリーからダコワーズ、アイス、シリアルまでオリジナルブレンドのコーヒーを使って作る「コーヒーづくしのパフェ」のように、「yumiko iihoshi porcelain」の器に盛られた姿はどれも凛と美しい。

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自然光が降り注ぐ店内。

「レモンケーキ」(500円)、「自家製レモンスカッシュ」(750円)
「レモンケーキ」(500円)、「自家製レモンスカッシュ」(750円)

ダブルレモンでどうぞ。

シンプルで飾らず、カッコいい“甘いもの”は、カレーと同様ふいに食べたくなる魔力がある。

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リスのイラスト付きバッグの中はクルミのおやつ。540円(各税込)。

6.格別の空間で、手作りスイーツと澄んだコーヒーを心ゆくまで。〈vuori〉

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クレームブリュレを凍らせたような一品、「カタラーナ」。コーヒーとセットで1,050円。

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2階は雑貨を扱う〈くらしの道具店〉。

海産物問屋の倉庫を独自の美意識でみごとにリノベーションした空間に、古材の天板のテーブルやチャーチチェアが並ぶ。オーナーの岡田咲耶子さんと旦那様の2人で作り上げた、穏やかな空気が流れるカフェだ。

「そば粉のガレット」(700円)
「そば粉のガレット」(700円)

店の顔となるのは、ガレットや焼き菓子などの手作りスイーツと、ネルドリップで丹念に淹れる雑味のないコーヒー。それらを店主が惚れ込んだ村木雄児さんの器が引き立てる。

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ネルドリップの様子。豆は藤沢の〈珈琲豆吉〉のもの。

6月中旬からは大人気のかき氷も登場。ランチをやらず、純粋にデザートだけ出す店は、鎌倉でも実は希少。スイーツを頬張りながら、ゆったりと時を過ごせる贅沢な場所だ。

(Hanko1135号/photo : Kaoru Yamada text : Yoko Fujimori)

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