【〈プラスカラー〉代表取締役】佐久間映里さんのストーリー/「今の自分よりも35歳の自分へと目標を定めた、29歳の春。」
2020.07.25

第16回 ハナコと考えるSDGs 【〈プラスカラー〉代表取締役】佐久間映里さんのストーリー/「今の自分よりも35歳の自分へと目標を定めた、29歳の春。」

最近よく耳にするようになったSDGs(Sustainable Development Goals)という言葉。「持続可能な開発目標」と訳され、2030年までに“誰一人取り残さない”よりよい世界を目指して17の国際目標が掲げられています。それは政府や企業の頑張りだけでなく、私たちがもっと意識して毎日を“変えて”いくための課題でもあるのです。そこでハナコは、SDGsについて読者のみなさんと考える特集を企画しました。今回は“わたしらしく働く”ことをあきらめない、〈プラスカラー〉代表取締役・佐久間映里さんのストーリーのストーリーを紹介します。
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一度すべてを手放した先に理想の未来がありました。

【〈プラスカラー〉代表取締役】佐久間映里さん
役員は義理の姉や友人など、公私ともに信頼関係にある人が多い。

大学卒業後7年間の会社勤めを経て、会社を立ち上げた佐久間映里さん。「5年間営業職としてのキャリアを積み、転職したベンチャー企業では人事・広報の実務を経験して独立しました。最終キャリアである広報の仕事は非常にやりがいを感じていたのですが、ある時ふと、この先子どもを産んで戻ってくる頃には、きっと自分の席はないだろうと悟りました。私はバリバリ仕事もしたいし、子どもも産みたい。そのどちらも叶えられる会社を探してみたものの、当時は今よりも女性が活躍する企業が少なかったため見つけられず、自分で働きたい環境を作ることにしました」

【〈プラスカラー〉代表取締役】佐久間映里さん
メンバー紹介用のボードでやりとりをすることも。

そうして29歳で起業。人事や広報で培った経験から、経営者向けの広報や人事戦略の策定から実務のアウトソーシングまでをサポートしている。現在会社には役員が4人、それ以外はすべて業務委託だ。この組織形態になるまでには苦い経験を味わった。「立ち上げて3年が経った頃、私自身が妊娠中でつわりが辛い時期に、社員が一気に辞めてしまったことがありました。自分の身を削ってでも人の可能性にかけていたつもりでしたが、働きやすい環境を作れなかった私自身の責任だと気づけたことで、経営者として一回り大きくなれた経験だったと感じています」

現在の組織形態にスイッチしてからは、リーダーシップのとり方で新たな難しさも出てきたという。「正社員ではないということは、スタッフに〝NO〞を言われる可能性があるということ。だからこそ、それぞれのメンバーが意欲的に動き、自らの役割と責任を果たさなければならない。その統率をとっていく部分に難しさを感じています。少しでも自分に迷いがあるとリーダーシップをとることができないので、常に自分と対話をしますね」

【〈プラスカラー〉代表取締役】佐久間映里さん
女性が多い職場のため子連れで出社するメンバーも多く、仕事の合間に代わる代わるみんなで面倒を見てくれるため、助かるそう。

また、日本に女性経営者が少ないことに対して、「資質のある人は大勢いると思います。でも、そこから一歩踏み出せるかは、未来のために〝過去と今〞を手放す覚悟があるかどうかの違い。安定もお金も欲しいのであれば、起業するのは難しいかもしれない」とあえて苦言を呈する。

「29歳の私は、35歳の自分を見据えて独立を決めました。経済的な面での安定は諦めて、未来のために腹をくくること。過去の延長線上に、起業という道はありません。大企業のほうが大きな仕事を手掛けられるかもしれないし、ある種の安定もある。でも自分が真に必要とすることを考えて覚悟しなければ、未来は拓けないと思っています」そう語る真剣な眼差しの先には、息子の姿。過去の大きな決断が、理想的な今の生き方を叶えている

【わたしが影響を受けたもの】『君たちはどう生きるか』 吉野源三郎

『君たちはどう生きるか』 吉野源三郎

“自分の未来は自らで切り開きたい”といつも考えています。未だ無き道を歩き続けるには勇気と目標が必要。変わりゆく時代の中でも普遍的なものは必ず存在する。この本を読んだ時、そんな大事な“何か”を先人に学んだ気がしました。(岩波文庫/970円)

Profile/佐久間映里(さくま・えり)

〈プラスカラー〉代表取締役。大学卒業後、大手求人広告会社にて営業職として勤務。その後ベンチャーIT企業へ転職し、営業・人事・広報としてキャリアを積む。2013年、仕事と子育ての両立を目指し会社を設立。

SDGs目標5「ジェンダー平等を実現しよう」について。

昨年、国際労働機関(ILO)が発表した日本における女性の管理職比率は、全世界平均27.1%に対してわずか12%。この国は女性にとってまだまだ働きにくい環境だといえます。今後、世界中が一丸となって、女性の力をもっと引き出せるような取り組みが進められていく中、私たちも自分の働き方についてポジティブに見つめ直す良い機会なのではないでしょうか。
Hanakoは“わたしらしく働く”ことをあきらめない、女性のストーリーを紹介します。

(Hanako1184号掲載/illustration:Nodoka Miyashita photo:Takehiro Goto , MEGUMI, Yoshiki Okamoto text:Makoto Tozukai, Rie Hayashi, Narumi Sasaki, Rio Hirai edit:Rio Hirai)

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